魔剣士と騎士団の衝突
「報告! 町の入口で巨大な魔力の爆発を確認! 王女殿下をお守りせよ!!」
謎の人物の放った蒼炎の轟音を聞きつけ、境界線で盛り上がっていたセントシャイアの騎士団が、凄まじい勢いで駆けつけてきました。
「貴様! 聖域の結界を攻撃し、王女殿下を危険にさらすとは何事だ! 不届き者め、神妙に縛り上げろ!!」
重厚な鎧に身を包んだ精鋭騎士たちが、一斉に謎の人物を取り囲み、槍と剣を突き出します。しかし、全魔力を使い果たし、絶望に打ちひしがれていたはずの謎の人物は、冷ややかな瞳で彼らを見据えました。
「……フン。雑兵どもが。魔導の深淵に触れようとする私の邪魔をするな」
突き出された数本の槍を、座ったままの姿勢から最小限の動きで回避。そのまま刀の鞘で騎士の急所を突き、次々と転倒させていきます。
「なっ!? 速い……! 貴様、魔力は空のはずでは!?」
「魔力が尽きようとも、私の技までは尽きぬ。……失せろ」
立ち上がり、ボロボロの和装を翻しながら、圧倒的な体術と剣技で数十人の騎士を翻弄し始めました。さすがは魔法と剣を極めた「魔剣士」。魔力がなくとも、その戦闘技術はセントシャイアの精鋭すら凌駕していたのです。
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ヒトミノジ別荘のバルコニー(避難中)
「ひ、ひぎゃぁぁぁ! 騎士団の皆さんが、バタバタ倒されてますぅぅ!!」
鈴は結界の安全な内側から、カレンにしがみついてガタガタと震えています。レベル449の魔力があっても、本人のメンタルは依然として「平和主義な引きこもり」のまま。目の前で繰り広げられるガチの戦闘に、腰が抜けそうです。
「……あいつ、ただの分析オタクじゃないニャ。あの身のこなし、相当な修羅場を潜り抜けてきてるニャ……」
「ええ。魔力が枯渇した状態でこれほどの立ち回り……。鈴殿、カレン様。もし彼が結界を抜けていたら、大変なことになっていましたね」
ヒルダが険しい表情で剣を握り直します。
境界線の攻防
「お姉様を、そしてこの静かな町を汚す不届き者め! 覚悟なさい!!(普通の声量)」
フィオナ王女も、護身用の魔杖を構えます。しかし、騎士たちの包囲を軽々と突破し、再びパステルカラーの結界の前に立ちました。
「……セントシャイアの王族か
相手をしている暇はない。……私は、この『理』の正体を知りたいだけだ……」
再び結界に手を触れようとしますが、そこには依然として、レベル449の「人見知りバリア」が鉄壁の如く立ちはだかっています。
「……くっ。なぜだ……。これほどまでに強大な力を持ちながら、なぜ貴様は戦おうとしない……? なぜ、ただ『隠れる』ためだけにこれほどの力を使うのだ……!」
叫びが、結界越しに鈴の耳に届きます。
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 謎の男| 【魔力空・戦闘継続】 | 騎士団を圧倒中。鈴の「戦わない強さ」に苛立っている。 |
| 騎士団| 【苦戦】 | 謎の人物の圧倒的な剣技に翻弄され、防戦一方。 |
| 桜井 鈴 | Lv.449| 【困惑・パニック】 「戦いたくないだけなんですぅ……」 |
| フィオナ王女 | 【激怒】| お姉様の平穏を乱すシオンを全力で敵視。 |
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「……そ、そんなこと言われても……。私、痛いのとか怖いのは、本当に嫌なんですぅ……。ただ、みんなで静かにお茶を飲みたいだけなんですぅ……!!」
鈴の切実な心の叫びが、結界の輝きをさらに増幅させます。




