ヒトミノジを包む?な炎
「認めん……! このようなデタラメな理で、私の『魔導分析』が完敗するなど、断じて認めんぞぉぉ!!」
謎の男、は逆上しました。彼は魔法と剣を極めた稀代の『魔剣士』であり、その冷静な分析眼で数々の難攻不落の結界を打ち破ってきたのです。それが、目の前の幼い少女の「願っただけ」という一言で、全存在を否定されたのです。
「理屈で砕けぬなら、力で圧し折るまで! ……我が魔剣の錆となれ、異界の障壁め!!」
謎の人物は古びた刀を逆手に構え、凄まじい魔力を刃に込めました。
試練その一:魔剣の斬撃
「……穿て、『空裂斬』!!」
キィィィィィィン!!
空気が悲鳴を上げるほどの超高速の斬撃が、パステルカラーの結界へと叩きつけられました。それは山をも真っ二つにする、物理と魔力を融合させた一撃です。
「ひ、ひぎゃぁぁぁぁ!! 怖い人が、怖い顔で斬りかかってきましたぁぁ!! 誰も来ないで、来ないでぇぇ!!」
鈴はカレンにしがみつき、涙目で絶叫しました。彼女の「拒絶」の意志が、レベル449の魔力を暴走させ、結界の密度を極限まで高めます。
――ガキィィィィィン!!!!
凄まじい火花が散りましたが……次の瞬間、謎の人物は目を見開きました。彼の自慢の魔剣は、パステルカラーの虹色の膜に完全に弾き返され、謎の人物の手首に強烈なカウンターダメージを与えたのです。
「な、何だと……!? 私の『空裂斬』を、傷一つなく受け止め、さらに衝撃を跳ね返した……!? ……馬鹿な、ありえん!!」
試練その二:最大威力の魔法
痺れる手を必死に抑え、今度は刀を地面に突き刺しました。彼は懐から数枚の古代呪符を取り出し、周囲に展開します。
「……認めん、認めんぞ! ……物理が効かぬなら、純粋な魔力で焼き尽くしてくれる! ……集え、大気の理よ! 我が魔力を糧に、全てを灰燼に帰せ!!」
周囲に、凄まじい熱波と嵐が渦巻き始めました。彼は魔剣士としての全魔力を、この一撃に注ぎ込みます。
「……喰らえ! 我が最強の極大魔法、**『天地灰燼・蒼炎牢』**!!」
ゴォォォォォォォン!!!!
ヒトミノジの町入口が、蒼い炎の渦に飲み込まれました。それは超高温の炎です。
「ニャーーー!! 鈴! しっかり守るニャ! この炎はヤバいニャ!!」
「……くっ、なんて魔力量だ……! 鈴殿、耐えてください!!」
ヒルダとミィアが鈴を守るように構えますが、鈴はそれどころではありません。
「ひ、誰も来ないで、誰も入ってこないでぇぇ!!(羞恥心と恐怖による絶叫)」
鈴の魔力が、蒼い炎に反応してさらに活性化しました。パステルカラーの結界は、蒼炎の中でより一層輝きを増し、熱を遮断するどころか、その炎のエネルギーを吸収して、さらに強固な聖域へと進化し始めたのです。
数分後。炎が晴れた後には……。
「……そんな……馬鹿な……」
その場にへたり込みました。
蒼炎の嵐が吹き荒れた後も、パステルカラーの結界は傷一つなく、それどころか以前よりも少し、虹色の光が鮮やかになって輝いていました。その中で、鈴はカレンに抱きついたまま、オロオロと震えています。
「……私の、全魔力を込めた……極大魔法すら……。傷一つ、つけられん……だと……?」
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 謎の男| 【魔力枯渇・絶望】| 全身全霊の一撃を完封され、魔剣士としてのプライドが崩壊。 |
| 桜井 鈴 | Lv.449 | 【大パニック】 怖すぎて、無意識に結界のレベルを上げていた。 |
| ヒルダ&ミィア | 【呆然】| 「レベル449の『人見知り』は、世界最強の魔法防御だったニャ……」 |
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「……あ、あの。……もう、燃やさないでくれますか……? 私、怖いのは……苦手なんですぅ……」
鈴が震える声で尋ねると、謎の人物は「……ぐっ……」とうめき声を上げ、悔し涙を流しながら地面に拳を叩きつけました。




