動き始める陰謀
数日後――アステリアから遠く離れた、不気味な黒雲に覆われた古城の一室。
暗闇の中で、先日タートジルやサウナ予定地の戦いを裏で仕組んでいた
「謎の人物」が、一人腕を組んで冷徹に思案を巡らせていました。
「クソッ……あの巨大熊め。あの少女から引き離すには、生半可な魔物では話にならん。
もっと格上の強力な魔物を用意せねばな……」
男は悔しそうに拳を握りしめ、次に思い出される少女(鈴)の放った透明な光を思い浮かべます。
「それに、あの【絶対不可侵の聖域】……あれは外からの物理・魔法攻撃では破れん。
無理に叩き割るのではなく、なんとかして『内部へ潜入する方法』を探らねばならんな……」
闇の中で黒いローブを翻した男は、妖しく真っ赤な目を光らせ、自信に満ちた不敵な笑みを浮かべました。
「待っていろよ、桜井鈴……そしてSランクの熊。魔王軍四天王が一角――
『操魔のドミネア・レグレス』が、貴様らを必ずや手に入れてみせる……!」
一方その頃:我が家(隠しダンジョン)
怪しい刺客が野望を燃やしていることなど露知らず
我が家のリビングではサウナ無事完成&魔物撃滅を祝した賑やかな「お疲れ様会」が開かれていました!
テーブルの上には美味しそうな料理やスイーツがズラリと並び、みんなで和気藹々とジュースで乾杯します。
そんな中、グラスを置いたヒルダがふと表情を曇らせ、先日の戦闘を振り返りながら切り出しました。
「……そういえば、あの時の魔物たちなんですけど。
何者かに召喚されて操られていた上に、すぐ近くの町には目もくれず
一直線にサウナ予定地だけを目指していましたよね」
「うん、シオンさんも言ってたよね! 不自然すぎるって」とふうが頷くと、ヒルダは顎に手を当てて考え込みます。
「ということは……もしかして敵の本当の狙いは、完成直前だったサウナそのものを破壊することだったのでしょうか……?」
「サウナが狙い……ですぅ?」
ヒルダの推測を聞いた鈴は、首をちょこんと傾げました。
(……う〜ん、サウナを壊したかったのかな……? でも、なんだか……それだけじゃないような気がしますぅ……)
鈴の頭の中に小さな違和感が芽生えます。
もしかしたら敵の本当の狙いはサウナなんかではなく、自分やカレンさん、あるいは『我が家』そのものなんじゃないか――。
そんな予感が胸をよぎりましたが、はっきりとした確証がないため、心配をかけまいと口には出さずに胸の奥へ仕舞い込みました。
すると、未だにちゃっかり『我が家』に居座っているフィオナ王女が、勢いよく立ち上がって胸を張りました!
「サウナを狙う不届き者など許せませんわ!
だったら、その件は王宮の調査機関を使ってわたくしが徹底的に調べ上げますわ!
お姉様に危害を加えようとする害虫など、このフィオナが絶対に許しませんことよーっ!」
そんな中、肉球クッションに座っていたミィアが、耳をぴくぴくと揺らしながら真剣な顔でみんなに念を押しました。
「でも、油断は禁物だニャ。あれだけの数の魔物を一瞬で召喚して自在に操るなんて
相手は絶対に只者じゃないはずニャ。みんな気を付けるニャ!」
「うんっ! だからね、私も負けてられないよ!」
ふうがパッと身を乗り出し、自信満々に胸を叩きました。
「私は私のスキル『神話級・可愛いクラフト』で、もっともっと可愛いアイテムをたくさん作ってみんなの装備をパワーアップさせるからね!
どんな敵が来ても、可愛さと最強パワーで返り討ちにしちゃおう!」
「ふうちゃん、頼もしいですぅ……!」
不気味な魔王軍四天王の影がじわじわと迫りつつあるとも知らず、鈴たちは絆を深め合いながら、美味しく平和なお疲れ様会を楽しんだのでした。
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 現在の様子 |
| ドミネア・レグレス | 【正体判明&潜伏】 | 魔王軍四天王『操魔のドミネア』。カレン強奪と鈴の結界破りのため潜入方法を画策。 |
| 桜井 鈴 | 【違和感&お疲れ様会】 | 「敵の狙いは他にあるのでは」と感づくも伏せておく |
| ヒルダ&フィオナ王女 | 【調査開始】 | 「狙いはサウナ」と推測。王女が王宮の調査機関を使って黒幕の徹底追跡を約束。 |
御坂 風| 【装備強化宣言】 | 『神話級・可愛いクラフト』で全員の可愛い装備を作り、戦力を底上げすると決意。 |
| ミィア&セイナ | 【警戒&団らん】 | 黒幕の強さに警戒を呼びかけつつ、『我が家』でお疲れ様会を満喫。 |




