興味津々のドワーフ
「ギャギャギャギャギャァァァーーーッ!!」
カレンエクスプレスが猛烈な大ブレーキをかけ、カサートの街の巨大な鉄門の前に滑り込みました。凄まじい土煙と、キィィィィンという金属的な魔導ブレーキ音が周囲に響き渡ります。
土煙がゆっくりと晴れていくと、そこに現れたのは、見たこともない流線型の美しき鉄の塊(装甲馬車)と、それを牽引する、首元に最高級の真っ赤なリボンを結んだレベル700の巨獣カレンの姿でした。
門を警備していたドワーフの職人兵たちは、一斉に手にした斧やハンマーを構……えるかと思いきや。
「おい……見ろ、あの車体の流れるような曲線……!」
「なんだあの駆動部は!? 蒸気じゃねえ、超高密度の魔導サスペンションが組まれてやがるぞ!?」
「牽引してる魔獣の足腰の筋肉も見ろ! 一体何馬力だあのリボンベアは!?」
ガチガチの職人気質であるドワーフたちは、危険な魔物への警戒よりも先に、カレンエクスプレスの規格外の構造と美しさに興味津々になってしまい、目を輝かせてゾロゾロと集まってきたのです。
カレンエクスプレス車内
「ふ、ふにゃぁぁ……っ、お外に頑固そうなひげもじゃの人たちがいっぱいですぅ……! みんな武器(工具)を持ってこっちを見てますぅ……っ!」
完全にオドオド状態に陥った鈴は、ガタガタと震えながらシートの隅っこでセイナのぬいぐるみをぎゅーっと抱きしめていました。
「鈴殿、大丈夫です。彼らは敵意ではなく、純粋にこの馬車の技術に驚嘆しているだけのようです。……ですが、このままでは囲まれて進めませんね。一度、外に出て挨拶を――」
「ひ、ひぎゃあ! お外に出るなんて無理ですぅ! 注目されすぎて心臓が止まっちゃいますぅぅ!!」
あまりのプレッシャーと人見知りの恐怖が限界を突破したその瞬間、鈴の頭の中で『ピコーン!』とファンファーレが鳴り響きました。
【お知らせ】
凄まじいプレッシャー(人見知り)を気合いで耐え抜いたため、桜井 鈴のレベルが上がりました。
レベル 501 ⇒ 521 (20レベルアップ!)
※能力【人見知りの極地】の効果がさらに高まりました。
「ふぇ……? こ、こんな時に一気に20もレベルアップするなんて、意味が分かりませんぅ……っ!」
門の前:緊迫(?)の瞬間
鈴が車内でレベルアップの衝撃に白目を剥いていると、カレンが「ガルゥ(うちの主を驚かせるな)」と低く唸り声を上げました。
「おい、中から誰か出てくるぞ!」
ドワーフたちがゴクリと唾を呑むなか、カレンエクスプレスの気密扉がプシューッと音を立てて開きます。
最初に姿を現したのは、冷静に周囲を警戒する元騎士のヒルダ。そして、その背中から、壁やカレンの影に隠れて【条件反射の擬態】を半分発動させた、オドオドと涙目で震えるパステルピンクの少女――鈴が、恐る恐る顔を出したのでした。
「あ、あの……怪しいものじゃありませんぅ……。お友達に、会いに来ただけですぅ……っ」
ドワーフの街カサートの門前で、職人たちの熱視線(技術への興味)を浴びながら、鈴の胃痛マックスな親友探しがスタートしようとしていました!
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 現在の様子 |
| 桜井 鈴 | 【Lv.521(爆速成長)】 | 門前。ドワーフたちに囲まれてオドオド。「早く風ちゃんを見つけておうちに帰りたいですぅ…」 |
| ドワーフの職人たち | 【技術に興奮】 | カレンエクスプレスを囲み、「この装甲の溶接、どうやったんだ!?」と大騒ぎ。 |
| カレン | 【威風堂々】| 赤いリボンを揺らし、ドワーフたちを適度に威嚇しつつ鈴をガード。 |
| ヒルダ&セイナ&ミィア| 【入国交渉へ】 | ヒルダ&ミィアが通行証を提示しようとし、セイナは鈴のポケットから外を覗く。 |
まさかの「人見知りプレッシャー」で一気に20レベルアップし、レベル521に到達した鈴!




