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人見知りさんが異世界行ったら何故か人見知りがスキルになりました  作者: 白前 中
サウナを普及させよう

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ごねるフィオナ王女

それから数日後――。




猫神様特製の『猫耳通信機』による完全アポイント制が導入されたおかげで、鈴の我が家にはかつてないほどの穏やかで平和な時間が流れていました。






鈴は、お部屋の中をパタパタと楽しそうに飛び回る小さな天使(?)セイナのぬいぐるみと毎日おいかけっこを楽しみ、カレンと一緒に極上の聖水風呂に入っては、「ふにゃぁぁ、我が家が一番ですぅ……」と引きこもりライフを満喫していたのです。




ですが、外の世界(アステリアの街)では、そう平穏は続きませんでした。








アステリアの街:セントシャイア騎士団、来襲!




ドスッ、ドスッ、ドスッ……!!!




アステリアの街の街道を、一糸乱れぬ足並みで進む屈強な集団がありました。


身にまとっているのは、白銀に輝く最高級の甲冑。その胸元には、セントシャイア王国の厳かな国紋が刻まれています。




彼らは、王都から遥々やってきた『セントシャイア王国・第一近衛騎士団』。


王女フィオナが謹慎処分を破って王宮を抜け出し、この辺境の街アステリアに潜伏しているという噂を聞きつけ、総勢50名の大所帯で王女を強制連行(連れ戻し)にやってきたのです。




「フィオナ様! どこにいらっしゃいますか! 国王陛下が大変お怒りです! すぐに王宮へお戻りください!!」




騎士団長の大声がアステリアの街に響き渡ります。




アステリアの宿屋:絶対に帰りたくない王女




その頃、宿屋のサウナ別館では、フィオナ王女が『猫耳通信機』を両手でしっかりと握りしめ、ベンチに座ってものすごい勢いでごねていました。




「嫌ですわ! 嫌ですわ絶対に帰りませんことよーーーっ!!」




「フィオナ様、往生際が悪いですよ。王宮を密出国したのです、大人しくお縄に……いえ、お戻りになってください」


横でシオンが冷ややかにハーブティーをすすっています。




「うるさいわねシオン! あなただって、わたくしが連れ戻されたらサウナの共同経営者がいなくなって困るハズでしょ!?」




フィオナ王女は地団駄を踏みながら、キャスケット帽をぶんぶんと振り回しました。




「王宮に戻ったら、またあのお堅いドレスを着せられて、退屈な夜会に出席させられて、サウナにも水風呂にも入れなくなってしまいますわ! そんなの、わたくしの美肌への冒涜ですことよ! それに……それに、ここを離れたら、もう二度と鈴様の尊いお姿を拝めなくなってしまいますわぁぁーーーっ(号泣)!!」




「最後の理由が一番重いな……」




シオンが呆れる中、フィオナ王女の「帰りたくないアピール」はさらに加速します。




「嫌ですわ! わたくしはアステリアの宿屋サウナの終身名誉経営者として、この街と鈴様に骨を埋める覚悟ですの!




騎士団の皆さんには『王女はサウナの湯気と共に消滅した』とでも報告してお引き取り願って頂戴ーーーっ!!」




「そんな不謹慎な虚偽報告が通るわけないだろう……」




ズサァァッ! と別館の扉が開き、ついに白銀の甲冑を着た近衛騎士たちがテラスへと踏み込んできました。




「フィオナ様、見つけましたぞ! さあ、国王陛下のもとへ――」




「嫌ですわぁぁーーーっ! シオン、ヒルダ、猫神様ぁぁ! 誰でもいいから助けてくださいましぃーーーっ!!」




サウナの快感と鈴への執着(信仰)を覚えてしまったわがまま王女の、必死の抵抗劇。


アステリアの宿屋サウナの前で、かつてない規模の「王室ドタバタ劇」が幕を開けようとしていました。




---




現在の状況




| 登場人物・場所 | 状態 | 現在の様子 |




| フィオナ王女| 【全力でごね中】| 宿屋サウナ。王宮に帰りたくなくて、涙目でベンチにしがみついている。 |


| セントシャイア騎士団| 【確保寸前】| 宿屋に突入。王女を強制連行するため、ガチガチの陣形を組む。 |


| シオン| 【静観】 | 「私はどちらでもいいのだが…」とお茶をすする。 |


| 桜井 鈴&セイナ | 【我が家でまったり】| ダンジョン自室。外が大変なことになっているとは知らず、おいかけっこ中。 |




---




「絶対に! 絶対に帰りませんわぁぁー!!」




王宮からの追手に包囲され、絶体絶命のフィオナ王女!



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