お怒りのカレンと猫神様
「ガルゥゥゥゥッ!!(これ以上、鈴をいじめるなぁーっ!)」
鈴がカレンの後ろで本気で半べそをかき始めたのを見て、リボンベアのカレンがものすごい大咆哮を上げてエリーゼたちを威嚇しました。部屋の空気がビリビリと震え、シオンとフィオナも「ひゃうっ!?」と一瞬で正気を取り戻します。
そこへ、これまで黙って事の顛末を見ていた猫神様が、ジト目でシオンとフィオナ王女の前にぬっと立ちはだかりました。
その背中からは、いつもと違って本気の怒りのオーラ(神の威圧)がメラメラと立ち上っています。
「おい、お前たち。……ちょっと調子に乗りすぎニャ」
「「ひゃっ、猫神様……!?」」
シオンとフィオナ王女がビクッと肩をすくめます。
「鈴が頑張って作ったサウナの許可を取ってくれたのは褒めてやるニャ。だけど、まだ立ち入り許可も出してない外部の人間を、面白いからって勝手におうちに連れ込むのは完全なルール違反ニャ! 鈴がどれだけ人見知りか、一番よく知ってるはずだニャ!?」
猫神様はふんすっと鼻を鳴らし、二人に肉球を突きつけました。
「そんなにルールが守れないなら、お前たちに貸し出してる『帰還の肉球』は全員一斉に没収するニャ! もう二度とこのダンジョンには入れないし、サウナの聖水も一滴も分けてやらないのニャ!!」
「ぼ、没収ですって!? それだけはご勘弁をーーーっ!」
「サウナの営業停止処分だけは、私の魔導研究の命に関わります……っ!」
「没収」の二文字に、フィオナ王女とシオンは顔面蒼白になってその場に平伏しました。
さらに追い打ちをかけるように、ずっとハラハラしていたヒルダが、フィオナ王女の前に進み出て、大真面目な顔で静かに告げます。
「フィオナ様……。――いえ、エリーゼ殿の説得に夢中になるあまり、大事なことをお忘れですか? 以前もそうして強引に迫って、鈴殿を怖がらせてしまったでしょう。……また鈴殿に嫌われてしまいますよ?」
「し、嫌われる……っ!? わたくしが、あの可愛らしい鈴様に、また……!?」
ヒルダの冷静かつ痛烈な忠告が、フィオナ王女の胸にグサリと突き刺さりました。
カレンの背中の後ろで、涙目でこちらを警戒している鈴の姿を見て、王女は完全に大猛省モードに入ります。
「う、ううっ……ごめんなさい、ごめんなさい鈴様ぁ……っ! わたくし、エリーゼがあまりにもサウナで素直になったのが嬉しくて、つい自慢したくなって暴走してしまいましたわ……っ! 嫌わないで、嫌わないでくださいましぃ~……っ!」
フィオナ王女がその場でガタガタと崩れ落ちる
「……ふ、ふにゃぁ。は、はいですぅ……。次からは、ちゃんとお外のサウナでお話ししましょうねぇ……」
カレンの後ろから鈴がトカゲのようにひょっこり顔を出し、弱々しくそう告げると、エリーゼは深く一礼。シオンとフィオナ王女も、猫神様とヒルダに完全に首根っこを掴まれる形で、這う這うの体でアステリアの宿屋へと強制退却していくのでした。
パタパタと浮く小さな天使(?)セイナに見送られながら、嵐のような訪問客が去った鈴の部屋には、ようやくいつもの静けさが戻ってくるのでした。
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現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 現在の様子 |
| 桜井 鈴| 【ひと安心・お疲れ】| カレンに寄りかかりながら「怖かったですぅ…」とため息。 |
| カレン&セイナ| 【鈴の守護神】| カレンは「クウーン(守ったよ!)」と満足気。セイナは鈴の頭にポフッと着地。 |
| 猫神様&ヒルダ| 【お説教完了】 | 「次やったら本当に肉球没収ニャ」「フィオナ様も、少し頭を冷やしてください」 |
| シオン&フィオナ | 【大猛省・ガタブル】 | 宿屋のサウナ室の前で、「没収だけは…」「嫌われるのだけは…」と凹み中。 |
| エリーゼ(ギルド長) | 【恐縮・でも】| 街に戻り、「なんて神聖な場所…そして本当に小さな天使様が…」と余韻に浸る。 |
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猫神様とヒルダの強烈なお説教により、暴走気味だった普及組を無事に撃退(お引き取り)できました! 鈴の平穏は守られ、エリーゼも「畏怖の念」を抱いて街に戻ったようです。




