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人見知りさんが異世界行ったら何故か人見知りがスキルになりました  作者: 白前 中
サウナを普及させよう

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2回目の商業ギルドへ

「おーっほっほっほ! 見ておいでなさい鉄の女エリーゼ! 今のわたくしたちは、サウナと鈴様の聖水(ピュア・アクア)によって、頭脳も美肌も全盛期(フルパワー)ですわ!!」




「フッ、脳の演算速度が限界を突破している今なら、あの複雑怪奇な商法の手続きなど赤子の手をひねるようなものだ。行くぞ、フィオナ王女!」




鈴の聖水で完全に超・完全復活を遂げた二人は、大広間の机に猛烈な勢いで向かいました。


シオンは超高速の魔導ペンさばきで、サウナの安全性を示す魔導構造計算書、魔力排出基準書、火災防止の術式証明書を次々と仕上げていきます。






フィオナ王女も、王宮の公式な推薦状と、アステリアの宿屋との利益配分をまとめた完璧な商業契約書を爆速で書き上げました。




数時間後、机の上には非の打ち所がない『完璧な申請書類の山』が完成していました。




「……素晴らしい完成度です。これほどの書類、元騎士の私から見てもぐうの音も出ません」


ヒルダが感心したように書類の束をトントンと整えます。




「よし、それじゃあ今度こそ商業ギルドへリベンジニャ!」と拳を握るミィア。しかし、鈴はカレンの陰から恐る恐る手を挙げました。




「あ、あの……シオンさんたち、またお外で暴走して、エリーゼさんに怒られたら本当にかわいそうですぅ……。だから、お目付け役として、ヒルダさんも一緒に行ってくれませんかぁ……?」




「えっ、私がですか!?」


ヒルダは驚いて胸に手を当てました。




「はいですぅ。ヒルダさんなら、お堅いお話も得意ですし、二人がまた『特権ですわ!』って暴れそうになったら止めてくれそうですからぁ……っ」




「……分かりました。主である鈴殿の頼みとあらば、ヒルダ、お二人の『公式な後見人(お目付け役)』として同行いたしましょう。……ハッ、でも私が街の商業ギルドで大人の交渉をするなんて、知的でカッコ良すぎて逆に恥ずかしい……!(ボォォォッ!)」




「ヒルダ、顔が赤くて熱いニャ! 火の用心ニャ!」




こうして、完璧な書類を携え、さらに最強のお目付け役・ヒルダを同行させたサウナ普及コンビは、リベンジを誓って再び『帰還の肉球』でアステリアの街へと転移していきました。




「ふにゃぁぁ……。今度こそ、お話がうまくまとまってくれるといいですけどねぇ……」


「大丈夫ですぅ、鈴様! 頼もしいヒルダ様がいれば百人力ですぅ!」




鈴は、自分の意思でパタパタと宙に浮いているセイナのぬいぐるみを優しくキャッチして抱きしめ、今度こそ静かになった大広間で、祈るように見送るのでした。







アステリア商業ギルド:二度目の決戦




――バァァァン!!!




「おーっほっほっほ! 戻ってきましたわよ、エリーゼ!!」




再び商業ギルド長室の扉を勢いよく開け放つフィオナ王女。


デスクで書類仕事をしていたエリーゼは、眉間に青筋を立てて顔を上げました。




「……またあんたたち? 言っておくけど、うちはおままごとの付き合いをするほど暇じゃ――」




「言われる前に、これを提出する!!」




――ドンッ!!!




シオンが、寸分の狂いもなく整えられた極厚の書類の束を、エリーゼの机の真ん中に叩きつけました。




「な、何よこれ……」


エルザが怪訝そうに一番上の書類をめくった瞬間、その目の色が変わりました。


そこに書かれていたのは、王宮の最高法規に則った正式な申請書。




さらに、魔導構造の安全性、一般市民への避難経路、公衆衛生の基準にいたるまで、専門家でも数ヶ月はかかるレベルの完璧なデータが一寸の隙もなく網羅されていたのです。




「……な、何なのこの完璧な書類は……。魔力回路の安全証明なんて、王都の特級建築士でもここまで書けないわよ……!?」




驚愕するエリーゼの前に、カチャリ、と重厚な金属音を響かせて、ヒルダが一歩前に出ました。




「お初にお目にかかります、商業ギルド長エルザ殿。私は、騎士のヒルダと申します」




ヒルダは凛とした態度で格式高い口調で交渉を始めました。




「こちらの提出いたしました書類は、国法およびアステリアの地域商法をすべてクリアしております。




さらに、この『サウナ』がもたらす冒険者への疲労回復効果は、ひいてはアステリア全体の経済活動を活性化させ、商業ギルドへの税収を最低でも3割は引き上げるという試算も含まれております。……いかがでしょうか、ギルド長殿?」




「う、ぐっ……。元高位騎士の後見人……それに、この完璧な書類と経済効果の試算……」




さしもの「鉄の女」エリーゼも、完璧な書類、ヒルダの圧倒的な品格、そしてサウナと聖水でツヤツヤに輝きながらフンスと胸を張る王女の説得力に、完全に気圧されて言葉を詰まらせてしまいました。




話し合いは平行線どころか、今度はサウナ普及組がエリーゼを完全に圧倒し始めています!








現在の状況




| 登場人物 | 状態 | 現在の様子 |




| 商業ギルド長エリーゼ| 【驚愕・圧倒】 | 完璧すぎる書類とヒルダの品格の前に、完全に形勢不利に。「こ、この書類、本当にあの変態たちが書いたの…?」 |


| シオン&フィオナ| 【ドヤ顔・リベンジ中】| ヒルダの後ろで「おーっほっほっほ!」「論破だな」と勝ち誇る。 |


| ヒルダ | 【完璧な交渉人】 | 理路整然とエルザを追い詰めるが、内心は「仕事ができる女だと思われて恥ずかしい」と少しハラハラ。 |


| 桜井 鈴&セイナ | |  羽の生えたぬいぐるみとまったりしつつ、結果を待つ。 |







ヒルダの参戦と完璧な書類によって、エルザの鉄の防壁を突破しかけている三人!



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