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人見知りさんが異世界行ったら何故か人見知りがスキルになりました  作者: 白前 中
サウナを普及させよう

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ルンルンとぼこぼこ

「あぅ、セイナさん、次は大広間まで競争ですぅ!」


「はーい、負けないですよ、鈴様~! パタパタパタ~!」




その時、大広間の重厚な扉がパッと開き、桜井鈴が姿を現しました。


いつもなら人見知りで、不審者の気配を感じたら部屋の隅で丸くなっているはずの鈴ですが……今は違います。




羽の生えた可愛いセイナのぬいぐるみとのおいかけっこが楽しすぎて、完全にルンルン気分。鼻歌でも歌い出しそうなほどゴキゲンな様子で、大広間へステップを踏むように入ってきたのです。




「ふにゃぁぁ、つかまえまし……って、ふぇ?」




ルンルンで飛び出してきた鈴の視界に、大広間の床にへなへなと崩れ落ち、絵に描いたようにどんよりとした暗雲を背負っているシオンとフィオナ王女の姿が飛び込んできました。




その横には、自室の水槽から上がったばかりで、お肌も毛並みもピカピカに「ととのった」輝きを放つヒルダとミィアが立っています。




輝く勝ち組の二人と、精神的にボロボロの負け組の二人。


あまりにも温度差が激しすぎる大広間の光景に、鈴はルンルンだった動きをピタッと止め、小脇にぬいぐるみを抱えたまま目をパチクリとさせました。




「あ、あの……シオンさん、王女様……? なんだか、もの凄く魂が抜け出しかけてますぅ……? またカレンさんに怒られちゃったんですかぁ?」




「す、鈴様ぁぁぁーーーっ!!」




鈴の姿(しかも最高に可愛いルンルン状態)を見た瞬間、フィオナ王女が床に膝をついたまま、縋り付くような声を上げました。




「聞いてくださいまし鈴様! わたくしたち、アステリアの街で『エリーゼ』という恐ろしい鉄の女に、それはそれは酷い言葉でお説教を食らったのですわ……! 商業ギルドの許可がどうの、駄べり王女がどうのと、わたくしのプライドはもうズタズタですわぁぁー!」




「鈴殿……。あの女、俺の高度な魔導論文を『書類を出せ』の一言で一蹴したのだ……。外の世界の法(ルール)は、あまりにも非論理的で冷酷すぎる……っ」




「ひ、ひぎゃあ!? よ、よく分かりませんけど、なんだかもの凄く怒られたことだけは伝わってきますぅぅ!!」




二人の怨念じみた愚痴の勢いに、鈴は一歩引きつつも、そのあまりのみじめさに同情の眼差しを向けます。




一方、シオンとフィオナ王女は、鈴の小脇でパタパタと小さな羽を動かしている「謎の飛行ぬいぐるみ」に気がつきました。




「……ん? 鈴殿、その背中に羽が生えて自立飛行している、愛くるしい物体は一体……?」


「あら、まあ可愛らしい……。でも、今のわたくしたちの心の傷を癒やすには、サウナの熱気しかありませんわ……っ!」




外でボコボコにされて帰ってきたサウナ普及コンビと、おうちで最高にハッピーな休日を過ごしていた鈴たち。


このあまりにも噛み合わない状況ですが、一体どうなってしまうのでしょうか!?








現在の状況(大広間合流)




| 登場人物 | 状態 | 今後の動き |




| 桜井 鈴 | 【ルンルン⇒困惑】 | せっかくゴキゲンだったのに、二人の暗さに巻き込まれておろおろ。 |


セイナ(ぬいぐるみ) | 【パタパタ飛行中】| 鈴の横で浮きながら、「外のお仕事は大変だったみたいですぅ…」と心配。 |


| シオン&フィオナ | 【泣き落とし中】 | エリーゼへの怒りと悔しさを、鈴に全力で訴えかけて慰めてもらおうとする。 |


| ヒルダ&ミィア | 【高みの見物】| 「ふむ、商業ギルドのエリーゼ殿ですか……なかなかの傑物のようですね」と冷静。 |









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