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人見知りさんが異世界行ったら何故か人見知りがスキルになりました  作者: 白前 中
サウナを普及させよう

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サウナの奇跡(穏やかな茶会)

「……それじゃあ、まだ構想の段階ですけど、一応お話がまとまったということで……みんなで、街で買ってきたイチゴのタルトを食べましょうかぁ……」


鈴がほっとした様子で提案すると、リビングに歓声(と、上品な高笑い)が上がりました。


さっきまでカレンに睨まれて縮こまっていたシオンとフィオナ王女も、ちゃぶ台の周りにきちんと正座をします。サウナで極上の「ととのい」を経験した二人は、憑き物が落ちたようにすっきりと穏やかな表情になっていました。


穏やかなお茶会(サウナの奇跡)


「……鈴様、このタルト、外側の生地がサクサクでとっても美味しいですわ! 謹慎を破って王宮を抜け出してきた甲斐がありましたわぁ……」


「王女、それはただの密出国ですが……まあ、美味しいので良しとしましょう。……鈴殿、紅茶の温度も完璧です。俺の魔力で、常にこの最適な温度(85℃)を維持し続けたいのですが、よろしいでしょうか?」


「あ、あの、普通に魔法なしで飲んでくださいぃぃ……っ」


普段なら二人が一歩近づくだけで「ひぎゃああ!」とパニックになっていた鈴ですが、サウナ効果で完全に毒気の抜けた二人を見て、少しだけ緊張が解けていました。抱きしめているセイナのぬいぐるみも、なんだか嬉しそうにぽかぽかと温かくなっています。


「ふにゃぁ……。お二人とも、静かにしていれば、普通の格好良い魔導師さまと、綺麗なお姫様なんですけどねぇ……」


鈴がタルトをもぐもぐしながらボソッと呟くと、シオンとフィオナは一瞬ピクッと反応しましたが、ここで暴走したらまたカレンにサウナ室へ引きずり込まれる(あるいは出禁になる)と本能で察知し、ぐっと踏みとどまりました。


「ふふ、鈴殿。お褒めに預かり光栄です。サウナ普及担当として、表の社会ではその『普通の格好良い魔導師』を完璧に演じてみせましょう」


「わたくしもですわ! セントシャイアの王女の権力と人脈をフルに使い、アステリアの宿屋に最高のサウナを建てるお膳立てをいたしますわ!」


我が家に満ちる平穏


「ふにゃ、二人とも本当に頼もしいニャ! 期待してるニャ!」

ミィアが口の周りに生クリームをつけながら喜び、ヒルダも「……お二人がそのように理性的であれば、私も羞恥心で剣を燃やす必要がなくて助かります」と、静かにお茶をすすっています。


カレンも警戒モードを解除し、鈴の足元でゴロゴロと喉を鳴らしながら、鈴からタルトの端っこを一口もらって満足そうに目を細めていました。


ストーカー二人の執念を「サウナの快感」で完全に手懐け、あまつさえ外で働く約束まで取り付けてしまった鈴たち。

まだ構想段階とはいえ、これからの引きこもりライフは、劇的に平和で快適なものになりそうな予感が漂うのでした。


---


現在の状況(お茶会終了時)


| 登場人物 | 状態 | 今後の動き |


| 桜井 鈴 | 【人見知り緩和(一時的)】 | 「サウナって、世界を救うのかもですぅ…」とタルトを完食。 |

| シオン&フィオナ| 【紳士・淑女モード】 | サウナの恩恵を失わないため、必死に理性を保ってお茶会を満喫。 |

| 猫神様 | 【ビジネス脳】| 二人の熱意を見て、「アステリア宿屋サウナ計画」の裏回しを本格的に決意。 |

セイナ(ぬいぐるみ)| 【ほかほか】| 鈴にぎゅっとされながら、お茶会の和やかな空気を楽しむ。 |


---


「……ふにゃぁ、ごちそうさまでしたぁ。やっぱり、みんなで食べるおやつは美味しいですぅ……」


お腹も心も満たされ、猫神様のダンジョンは温かなパステルピンクの光に包まれるのでした。



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