サウナ普及構想開始
「ふにゃぁ……。猫神様、あの二人がそんなにサウナを気に入ってくれたなら……街の人たちにも、少しだけお裾分けしてもいいですぅ……」
ちゃぶ台の上で目を丸くする鈴を見て、猫神様はニヤリと不敵な笑みを浮かべました。
「ニャはは! そうニャ、これは大ビジネスの予感ニャ! でも、この我が家(猫神様のダンジョン)は異空間だし、誰でも入れるわけじゃないからね。……そうだニャ、アステリアの街の宿屋に、鈴の魔法を使ったサウナを作ればいいんニャ!」
「えぇぇっ!? 街の宿屋さんにですかぁ!?」
鈴が驚いてぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる横で、サウナから上がったばかりのシオンとフィオナ王女が、ガタッと身を乗り出しました。
1. 怒涛のサウナ普及構想!
「素晴らしい……! 素晴らしい構想です、猫神様! 鈴殿のあの神聖なサウナを広く世界に知らしめる……。そのためなら、俺の魔導知識のすべてを注ぎ込み、完璧な魔導温熱システムを構築してみせましょう!」
「わたくしも大賛成ですわ! あの感動をアステリアの宿屋で再現するのですね!? わたくし、そのサウナの美肌効果を、王宮の伝手を使って全力で宣伝いたしますわぁー!!」
二人のあまりの熱量に、鈴は圧倒されてパタパタと手を振ります。
「ま、待ってくださいぃぃ! まだ作ると決まったわけじゃありませんからぁ! 宿屋の主人さんにお話も聞いてみないとですし、契約とかも全然まだですぅ!!」
「フッ、問題ないニャ。今回はあくまで『構想』ニャ。焦る必要はないニャ」
猫神様はパタパタと尻尾を振って言葉を続けました。
「でもね、鈴。もし街にサウナを作るなら、この二人に毎回ダンジョンの入り口で待たれるのも面倒だし……。いっそのこと、『帰還の肉球』を、この二人に渡すっていうのはどうニャ?」
「あれを……ですか?」
「そうニャ。これを持っていれば、二人は街のサウナの管理をしつつ、用事がある時だけこの我が家へ転移できるようになるニャ。これなら鈴も、二人にずっと入り口を監視されなくて済むし、シオンを『サウナ普及担当』として堂々と外で働かせることができるニャ!」
「……あ。それは、ちょっと助かるかもですぅ……(ボソッ)」
ストーカー二人が外のサウナにかかりきりになってくれれば、自分の引きこもりライフがより安全になる――レベル501の聖女の頭脳が、一瞬でそのメリットを弾き出しました。
2. 未来へのドタバタな一歩
「……分かりましたぁ。まだ構想段階ですけど……もし街でお話がまとまったら、シオンさんにはサウナの普及担当になってもらいますぅ……!」
「おおっ! 鈴殿から直々の任命……! このシオン、サウナの伝道師としてアステリア、いや世界中にパステルピンクの湯気を轟かせてみせましょう!」
「おーっほっほっほ! 楽しくなってきましたわね! 契約の日が待ち遠しいですわ!」
数時間前までボロボロの黒焦げだった二人が、今や未来のサウナビジネスに目を輝かせています。
「ふにゃぁぁ……。話がどんどん進んじゃいますぅ……。でも、おうちの平和のためなら、これが一番いいんですよねぇ、セイナさん?」
「はいですぅ、鈴様! 街にサウナができたら、私も時々こっそり見に行ってみたいですぅ!」
抱きしめられたぬいぐるみの中から、セイナもパチパチと拍手を送るのでした。
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現在の状況(構想段階)
| 陣営・人物 | 現在の状態 | 今後の予定・役割(構想) |
| 桜井 鈴| 【一安心】| ひとまず二人の暴走が収まり、タルトを食べ直す。 |
| シオン | 【やる気MAX】| 将来の『サウナ普及担当・魔導部長』として脳内設計図を作成中。 |
| フィオナ王女 | 【美肌プロモーター】 | サウナの良さをどう王都に広めるか、作戦を練り中。 |
| 猫神様 | 【ニヤリ】|
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「……ふぅ。ひとまずは、これでおうちの平和は守られましたねぇ……」
我が家の水槽の青い光に癒されながら、鈴は小さく息を吐きました。
怒涛のサウナパニックから一転、なんだか壮大なビジネスの予感が漂い始めた猫神様のダンジョン。
さて、この「サウナ支店計画」の構想が
持ち上がって来ました




