幻影の鈴外の世界バージョン❓
「……よし、完成ニャ! 『幻影の鈴ちゃん・外の世界出張バージョン』、行ってくるニャ!」
猫神様が肉球をポンと鳴らすと、鈴の魔力から練り上げられた、本物と寸分違わぬパステルピンクの髪を持つ「幻影の鈴」が結界の外へと送り出されました。
結界の外:衝撃の遭遇
岩の前でジビエのローストをひっくり返していたシオンとフィオナ王女の前に、突如として空間が揺らぎ、鈴(の幻影)が姿を現しました。
「あ……あぅ……っ、見ないでくださいぃ……っ!」
「す、鈴様ァァァーーーッ! やっぱりそこ隠し扉でしたのね!?」
「鈴殿! そのレベル501の尊き神々しさ、やはり俺の魔力計算は正しかった……!」
二人は狂喜乱舞し、スープの鍋も放り出して鈴の幻影に向かって猛ダッシュします。
幻影の赤面爆炎!
近づいてくる二人の「濃すぎる情熱」に反応し、幻影の鈴は顔を真っ赤にして杖を構えました。
「こ、来ないでくださいぃぃ!! 【赤面爆炎!!」
ゴォォォッ!!!
幻影の鈴から、パステルピンクの爆炎が放たれ、シオンと王女を正面から直撃しました。
……しかし、この炎、本物の鈴が放つような「ダンジョン一階層を消滅させるレベル」の超火力には達していません。猫神様が外の世界用に調整したため、威力自体はマイルド(?)になっていたのです。
とはいえ、直撃すれば普通に「もの凄く熱い」レベルの火力はあります。
「あちちちちっ!? 髪が、わたくしの髪が焦げますわぁー!」
「ぐはっ……! 熱い……だが、この熱さの中に含まれる鈴殿のピュアな羞恥心の波動……間違いない、本物の鈴殿の魔法だ……!(衣服を焦がしながら恍惚)」
これほど熱い目にあっているにもかかわらず、二人は目の前の鈴が「偽物(幻影)」だとは微塵も疑いません。それどころか、直に魔法を浴びられたことに至上の喜びを感じていました。
「ふにゃぁぁ! 止まってくださいぃぃ!」
幻影の鈴は、二人が怯んだ(?)隙に、ぴょんぴょんとウサギのような超スピードで森の奥へと走り去っていきます。
「待ちなさい鈴様! わたくしもその桃色の炎の中に混ぜてくださいませぇー!」
「待ってくれ鈴殿! そのレベル501の逃走速度、ぜひ我が魔導論文に記録させてくれー!」
二人はボロボロになりながらも、大喜びで幻影の鈴を追いかけ、あっという間にダンジョンの入り口から遠ざかっていきました。
その頃、我が家(結界の内側)
「……ふにゃぁぁ、二人とも、全然気づいてないですぅ……。というか、シオンさんに至っては嬉しそうにしてて、見てるこっちが恥ずかしいですぅぅ!!」
モニターで外の様子を見ていた本物の鈴は、別の意味で顔を真っ赤にしてベッドにダイブしました。
「……大成功ニャ。あの二人、幻影の鈴ちゃんを追いかけて、このままアステリアの森を3周くらい走り回るハズニャ」
猫神様が満足げに喉を鳴らします。
「今のうちですね、鈴殿。入り口が空いた今こそ、アステリアの街へ必要な物資の買い出しに向かいましょう」
ヒルダが冷静に(でも羞恥の剣をほんのり輝かせながら)提案しました。
「そうニャ! 街のケーキ屋さんが閉まる前に突撃ニャー!」
| 登場人物 | 状態 | 現在地 |
| 桜井 鈴(本物) | 【安心・羞恥】| ダンジョンの自室。やっと外に出られる。 |
| シオン&フィオナ| 【猛追跡・爆焦げ】 | 森の奥。「鈴様、待ってぇぇ!」と炎を浴びながら爆走中。 |
| 幻影の鈴 | 【囮運行中】 | 「あぅあぅ」と言いながら、絶妙な距離感で二人を翻弄中。 |
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「うぅぅ……じゃあ、お留守番のカレンとセイナさんの分も、美味しいおやつをいっぱい買ってきますぅ……!」
こうして鈴たちは、偽物の自分が外で大奮闘している隙に、久しぶりの平和な(?)お買い物へと出かけるのでした。




