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人見知りさんが異世界行ったら何故か人見知りがスキルになりました  作者: 白前 中
サウナを普及させよう

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ヒルダの妙案

「うぅぅ……完全に行き止まりですぅ……。どうしてあの人たちは、あんなに諦めが悪いんですかぁぁ……っ!」


外のモニター(水槽壁面)では、シオンが魔法で器用に焚き火を起こし、フィオナ王女が「鈴様、今夜のディナーはジビエのローストですわよ!」と岩に向かって愛を叫んでいます。完全なる兵糧攻めの構えです。


一同が頭を抱える中、サウナで「ととのい」、新境地に達したヒルダがポンと手を叩きました。その瞳には、かつてない知性の光が宿っています。


「……鈴殿、猫神様。私、妙案を思いつきました」


「ふぇ? ヒルダ様、妙案ですかぁ!?」


「はい。鈴殿、私たちが初めてこの『猫神様のダンジョン』に足を踏み入れた時のことを覚えていますか? あの時、私たちは自分たちの姿や能力を完全に模倣した『幻影(コピー)』と戦わされましたよね」


「あ……! はい、とっても強くて怖かったですぅ!」


ヒルダは猫神様の方を向き、真剣な眼差しで提案しました。


「猫神様。あのダンジョンの機能を応用して、『一時的に、鈴殿の姿と能力を完全に模倣した幻影』を外に出すことはできないでしょうか? その幻影を囮にして、あの二人をここから遠くへ誘導するのです!」


「ニャるほど……!」

猫神様がピンと耳を立て、ニヤリと笑いました。


「それは面白い提案だね。あの試練の幻影は、ダンジョンの魔力で作った精巧な人形みたいなものニャ。今の鈴はレベル501だからね、鈴の魔力を少しだけ分けてもらえば、外の世界でも数時間は活動できる『偽物の鈴』を作り出すことなんてお茶の子さいさいだよ!」


「ひ、ひぎゃあああ! 私の偽物ですかぁ!?」


驚く鈴をよそに、ミィアも大賛成だとばかりに尻尾を振ります。


「それ最高ニャ! 偽物の鈴を走らせて、あいつらが追いかけていった隙に、あたしたちは悠々と街へケーキを買いに行けるニャ!」


「……しかも」と、ヒルダがふふっと不敵な笑みを浮かべました。「その幻影は鈴殿の『能力』も模倣するのですよね? ということは、あの二人に見つかりそうになった瞬間、幻影の鈴殿が恥ずかしがって……」


ミィアがポンと拳を叩きます。


「レベル501のスキル【現実逃避(時間停止)】も使えるはず。二人が追いついた瞬間に時間を止め、全く別の場所に置き去りにして時間を解除する……。これなら鈴殿が直接手を汚す(恥ずかしい思いをする)ことなく、二人を合法的に遠ざけることができます!」


「ヒルダ様……ととのいすぎて、なんだか軍師みたいになってますぅ……!」

鈴はヒルダの(ちょっと恐ろしい)天才的な作戦に圧倒されつつも、背に腹は代えられません。


「うぅぅ……分かりましたぁ。お外に出るためです……! 猫神様、私の魔力、好きなだけ持っていってくださいぃぃ!!」


こうして、レベル501の聖女の魔力を注ぎ込まれた、最強にして最恐の「身代わり(人見知り)作戦」が始動するのでした。


---


現在の作戦状況


| 陣営 | 作戦・状態 | 備考 |


| 鈴(本物) | 【魔力提供】 | じーっと魔力を吸い取られ中。「恥ずかしくない幻影にしてくださいぃ…」 |

| 猫神様| 【幻影鋳造中】| ノリノリで調整中。 |

| ヒルダ| 【作戦指揮】 | 完璧な誘導ルートを脳内でシミュレーション中。 |

| シオン&フィオナ | 【夜営中】 | スープが温まり、「鈴様、そろそろお腹が空きませんこと?」と岩に話しかけ中。 |


---


次回、ついに爆誕する「幻影の鈴(Lv.501模倣)」。

外で呑気にジビエを焼いている二人を、どんな大惨事が待ち受けているのでしょうか!?



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