暴走ぎみの鈴親衛隊
「……わたくしをどなただと思って? 平民の服を着ていようとも、わたくしの気品は隠しきれませんのよ!」
王都セントシャイアの路地裏。フィオナ王女は、自分の美貌に目をつけた悪徳商人の一団に囲まれながらも、相変わらずの高笑いを決めていました。しかし、相手は百戦錬磨の悪党です。
「へっ、威勢がいいのはそこまでだ。その出で立ち、さてはどこかの没落貴族の娘だな? アステリアの闇市場へ連れて行けば、いい値がつくぜ!」
「……えっ? あ、アステリア!? まあ、好都合ですわ! ちょうどそちらへ向かいたいと思っていましたの。……って、ひ、ひぎゃあああ! 縄は困りますわぁー!!」
拉致されてアステリアへの移動中
執念の魔導師、参上
「……おい。……その『鈴殿に似た悲鳴』、聞き捨てならないな」
路地の奥から、ボロボロのローブを羽織り、焦点の合っていない目でブツブツと呟く怪しい男が姿を現しました。シオンです。彼はカレンに放り出された後、這々の体で王都付近まで戻ってきていたのです
「あ、あんたは……シオン! 鈴様のストーカー、シオンではありませんの!」
「……おや、フィオナ王女。謹慎中のはずでは? ……まあいい、あんたのその高圧的な声は、鈴殿の清らかな声を思い出すためのノイズとして、俺の脳内アーカイブに登録されている。……汚い手で、そのノイズ(王女)に触れるな」
「なんだとぉ、この不審者が! やっちまえ!」
悪徳商人たちが一斉にシオンに襲いかかります。
圧倒的な(変態的)実力
数分後。
「……ふぅ。鈴殿への愛を100ページほど書き綴るための魔力を、こんな雑魚に消費させるとは……万死に値する」
シオンの背後には、複雑な拘束魔法と、おまけの「鈴様賛美の呪文」を強制的に聴かされる精神攻撃により、魂が抜けたようにズタボロになった悪徳商人たちが積み重なっていました。
「……助かりましたわ、シオン。……で、あんた、今からアステリアに向かうのでしょう? わたくしも連れて行きなさい。わたくしが鈴様の隣に座るのに相応しいか、道中でじっくり教育して差し上げますわ!」
「……勝手にしろ。俺の目的は、鈴殿のレベル501の輝きをこの目に焼き付けることだけだ。……行くぞ、アステリアへ」
その頃、猫神様のダンジョンでは
「……ふにゃぁ。……なんだか、背筋がゾクゾクしますぅ……。シオンさんの執念と、王女様の情熱が合体して、巨大な塊になって迫ってくるような……」
サウナで「ととのって」いたはずの鈴が、ガタガタと震え出しました。
「鈴様、大丈夫ですぅ!? またサウナの温度が上がってますぅ!!」
「……羞恥心が……羞恥心の波動が、外から二つも……っ! 私、戦わねばなりません……(ボォォォッ!)」
ヒルダの「羞恥の剣」が、かつてないほど真っ赤に燃え上がり、ダンジョン内の警告アラートが鳴り響くのでした。
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現在の状況
| 人物 | 状態 | 目的地 |
| 鈴| 【予知震え】| サウナの隅っこで体育座り。 |
| フィオナ&シオン| 【最悪のタッグ】| アステリア行きの馬車を強奪(?)して爆走中。 |
| 悪徳商人| 【再起不能】 |
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「……ふにゃぁぁ、絶対に来ないでくださいぃぃ!!」
鈴の悲痛な叫びは、果たして爆走する二人に届くのでしょうか!?




