ヒルダの覚醒⁉️
「…………なんだか、世界がキラキラして見えますぅ……」
サウナから上がった鈴たちは、フカフカの椅子に深く腰掛け、完全に「ととのい」の境地に達していました。
特に、一番乗り気ではなかったヒルダに劇的な変化が訪れていました。
「……無……。これこそが、騎士としての究極の平穏……。鈴殿、私、今まで何をそんなに恥ずかしがっていたのでしょう……」
ヒルダは悟りを開いたような聖母の微笑みを浮かべ、一点を見つめています。しかし、あまりの快感と恍惚感に「ととのい」すぎてしまい、心拍数が上がると同時に――。
――ゴォォォォォォッ!!!
「あ、ヒルダ様! 悟りを開きながら、剣からすごい火柱が出てますぅ!!」
「……ふふ、構いません。この熱すらも、私の一部……。恥ずかしいという感情すら愛おしい……」
逆説的に「恥ずかしさを楽しむ」という新境地に達したヒルダの火力は、以前の数倍に跳ね上がっていました。
セイナの驚くべき発見
そんな中、セイナが、ふと自分の半透明な手を見つめて立ち止まりました。
「……あれ? なんだか、私の指先から優しい光が出ていますぅ……?」
気になって猫神様の鏡(ステータス表示)を覗き込んだセイナは、驚きのあまり声を上げました。
【 セイナ:新能力獲得】
スキル:【慈愛の抱擁】
効果: 触れるだけで対象の傷と精神的な疲れを癒す、超高度な回復魔法。
習得理由:レベル501の聖女(鈴)に、ぬいぐるみの姿で長期間、深い愛情を持って抱きしめられ続けたことで、その聖なる魔力が魂に浸透したため。
「ひ、ひぎゃあああ! セイナさんが回復魔法を使えるようになったんですかぁ!?」
「……はいですぅ! 鈴様がいつも、ぎゅーっとしてくださっていたおかげですぅ……。私、鈴様の温かさを、魔法に変えることができたみたいですぅ……っ」
セイナが嬉しそうに、サウナの熱気で少しのぼせていた鈴の頬にそっと触れると、パステルピンクの柔らかな光が広がり、鈴の疲れが一気に吹き飛びました。
「ふにゃぁ……。とっても気持ちいいですぅ……。お風呂上がりみたいな、ふわふわした気分ですぅ……」
「これでもう、ヒルダ様やミィア様が恥ずかしがって火傷しても、すぐに治してあげられますぅ!」
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現在のパーティー状況
桜井 鈴:Lv.501
「ととのう」ことに成功し、サウナマスターの風格が漂い始める(ただし、他人が入ってくると即・時間停止)。
セイナ:【新米ヒーラー(霊体)】
鈴の愛から生まれた癒しの魔法使い。
ヒルダ:【炎の悟り騎士】
「恥ずかしい=熱い=気持ちいい」という危険な三段論法を確立。
ミィア:【しなしな猫】
サウナで溶けすぎて、水槽の横で液体のように伸びている。
「……鈴殿。このサウナ、毎日開催しましょう。私、このままでは、もっと上の火力を……いえ、境地に達してしまいそうです」
「ひ、ひぎゃあああ! ヒルダ様がなんだか怖い方向に行こうとしてますぅぅ!! セイナさん、早く癒してあげてくださいぃぃ!!」
「はいですぅ! ヒルダ様、お耳をマッサージして差し上げますぅ!」
サウナ、回復魔法、そして最強の羞恥心。
猫神様のダンジョンは、もはや誰も立ち入れない(恥ずかしすぎて)最強の癒しスポットへと進化を遂げていくのでした。




