二人になった赤面爆炎使い⁉️
「セイナさん、落ち着いてくださいぃぃ! 燃えてます、燃えてますぅぅ!!」
朝の爽やかな空気の中、ダンジョンの広場で朝食を食べていた鈴たちは、手に持っていたサンドイッチを放り出して飛び上がりました。
朝食の悲劇:見つめられる恐怖
ことの始まりは、猫神様が「セイナの所で食べるニャ!」と提案し、巨大化したまま広場にいるセイナのすぐ側で朝食を始めたことでした。
「セイナさんも一緒に食べられたらいいんですけど……。あ、お口は動かないんでしたねぇ。えへへ、可愛いですねぇ、セイナさん」
鈴がニコニコしながら、巨大なぬいぐるみのフカフカした足に寄りかかってスープを飲んでいた、その時です。セイナの「恥ずかしがり屋センサー」が限界を突破しました。
「あ、あの……。そ、そんなに近くで……しかも、上から下までジロジロ見られるなんて……っ。は、恥ずかしい……恥ずかしくて、体が熱いですぅぅ……っ!!」
ボォォォォォッ!!!
「ニャ!? 熱いニャ!!」
「……なっ、これは……鈴の魔法と同じ!?」
なんと、巨大なぬいぐるみの頭頂部から、鈴の十八番である【赤面爆炎】が凄まじい勢いで噴き出したのです! 鈴の聖なる魔力を吸収しすぎたせいで、セイナは羞恥心を「炎」として放出する性質まで受け継いでしまったのでした。
鈴の魔法:清らかなる癒やしの水
「せ、セイナさん! ダメですぅ! そのままだと、セイナさんが憑依している可愛いぬいぐるみが焦げちゃいますぅぅ!!」
「う、うぅ……っ。わかってますぅ、わかってるんですけど……。止めようとすればするほど、恥ずかしくて……あ、足元からも火がぁぁ!!」
セイナの足元からも爆炎が上がり始め、桃色の綿が焦げる嫌な臭いが漂います。ヒルダとミィアが慌てて駆け寄りますが、鈴はいち早く杖を構えました。
「……そうだ! 私にはこの魔法がありましたぁ! 【清らかなる水】!!」
鈴が叫ぶと、杖の先からキラキラと輝く、透明度の高い聖なる水が奔流となって溢れ出しました。ただの水ではありません。あらゆる汚れを落とし、熱を鎮める癒やしの水です。
――ザザァァァァァッ!!!
「冷た……ふにゃああぁ……っ!?」
鈴が放った大量のピュア・アクアが、巨大なぬいぐるみのセイナを頭から丸呑みにするように包み込みました。激しい爆炎は「ジュゥゥゥッ!」という音と共に一瞬で鎮まり、周囲には清涼感のある白い霧が立ち込めます。
鎮火、そしてシンクロ
「……ハァ、ハァ……。たす、助かりましたぁ……。危うく、こんがり焼けたぬいぐるみになるところでしたぁ……っ」
「……う、うぅ……。ごめんなさい、鈴様……。私、とんでもない力を授かってしまったみたいですぅ……」
びしょ濡れになったセイナのぬいぐるみは、鈴のピュア・アクアの力で焦げ跡一つなく、むしろ洗いたてのようにフカフカで綺麗になっていました。鈴はそのまま巨大なセイナに抱きつきます。
「大丈夫ですよ、セイナさん。恥ずかしいのは『大好き』とか『一生懸命』の裏返しなんですぅ! 爆発させないで、私の中に逃がしてください!!」
鈴がセイナの魔力と同調し、残った熱量を自分の魔力回路へと吸い込みました。赤面爆炎の師匠(?)である鈴が、優しく熱を抑え込んでいきます。
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現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 桜井 鈴| Lv.479| 【ピュア・アクア使用】 聖なる水で完璧に消火。 |
| セイナ| 【赤面爆炎・獲得】 | 恥ずかしがると燃えるが、鈴の水で洗われてピカピカに。 |
| 猫神様| 【一安心】 | 「鈴の水は美味しいから、ついでに水飲み場も作ってほしいニャ」 |
| ヒルダ&ミィア | 【感心】 | 「さすが鈴殿。消火と洗浄を同時にこなすとは……」 |
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「……ふにゃぁ。これからは、私と一緒に『赤面爆炎』の制御訓練もしなきゃですねぇ、セイナさん」
「……はいぃ……。よろしくお願いします、師匠……っ」
恥ずかしがり屋の師弟コンビが、湯気の中で手(前足)を取り合った瞬間でした。




