大パニックの鈴達
「服、服を着てくださいぃぃ!!」
鈴の絶叫が、湯気の立ち込める広間に響き渡りました。
ピュア・アクアの奇跡:一時的な実体化
鈴が消火のために放った聖なる水【ピュア・アクア】。それは単に火を消すだけでなく、強大な浄化と生命のエネルギーを宿していました。その水を全身に浴び続けたことで、霊体だったセイナの存在密度が急激に上昇!
「……ふぇ? なんだか、体が重たいですぅ……。それに、空気の冷たさを肌で感じるような……?」
なんと、セイナがぬいぐるみの体から「シュルリ」と抜け出し、生前の姿――透き通った美少女の姿のまま、一時的に実体化してしまったのです。
恥ずかしさの連鎖:最大級の爆炎
「わぁ、セイナさん! 触れますぅ! ちゃんと実体化できてますよぉ!!」
鈴が嬉しくなって駆け寄り、その手を取った瞬間でした。セイナはふと、自分の今の状況に気づいてしまいました。
「……あ。……私、ゴーストだったから、お洋服とか……その……概念しかなかった……っ。実体化したっていうことは、今……私……何も、着て……ない……っ!?」
「ひ、ひぎゃぁぁぁ!? そ、そうですぅ!! セレーナさん、今、生まれたままの姿ですぅぅ!!」
「「「ニャーーーーッ!!(見ちゃダメだニャ!)」」」
猫神様とミィアが慌てて目を隠し、ヒルダが咄嗟に自分のマントを脱いでセイナに被せようと走り出します。しかし、セイナの羞恥心の加速の方が、わずかに早かったのです。
「は、恥ずかしい……! 恥ずかしすぎて、死んでるのに死んじゃいそうですぅぅぅ!!」
ドッゴォォォォォォンッ!!!
これまでの「赤面爆炎」とは比較にならない、核爆発級のパステルピンクの炎が吹き上がりました。実体化したことで魔力の出力効率が跳ね上がり、セイナ自身の魔力と鈴のピュア・アクアのエネルギーが臨界点に達したのです!
鈴の奮闘:パステル・シャイニング消火
「だめですぅぅ! 恥ずかしがっちゃだめですぅぅ!! 【ピュア・アクア】!」
鈴は顔を真っ赤にして片手で目を覆いながら、もう片方の杖で最大出力の水を放出! 巨大な水のドームがセイナを包み込み、爆炎を強引に鎮めようとします。
「セ、セイナさん、落ち着いてくださいぃぃ! 私の『空間創造魔法』で、今すぐ最高に可愛いお洋服を作りますからぁぁ!!」
鈴は恥ずかしさで指先を震わせながら、空中に魔法陣を展開。フリルとレース、そして山のようなリボンをあしらった、清楚かつ超豪華な「聖女風ドレス」を瞬時に練り上げ、実体化したセイナの体に被せました。
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事件の結末:お着替え完了
数分後。
広場には大量の水たまりと、真っ白な湯気が残されていました。
そこには、鈴の作ったフリフリのドレスを纏い、顔を真っ赤にしてうずくまるセイナの姿がありました。実体化の魔法が解け始め、少しずつ体が透けていっています。
「……う、うぅ……。鈴様……。私、もう一生分どころか、来世の分の恥ずかしさまで使い切りましたぁ……っ」
「……ふにゃぁ。……私の方こそ、刺激が強すぎて心臓が止まるかと思いましたぁ……」
二人は湯気の中で、お互いに真っ赤な顔をして、へなへなと座り込みました。
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 桜井 鈴 | Lv.479 | 【限界突破】羞恥心と魔法の使いすぎでフラフラ。 |
| セイナ| 【ドレス装着】| 霊体に戻りつつあるが、鈴の服を着たままなので安心。 |
| 猫神様| 【放心状態】 | 「……刺激が強すぎるニャ。心臓に悪いニャ」 |
| ヒルダ | 【マントを差し出し中】 | 「一歩遅かったようです……(無念)」 |
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「……でも、セイナさん。とっても綺麗でしたよぉ」
鈴が優しく微笑むと、セイナはぬいぐるみの体に戻りながら、リボンの影で小さく「……ありがとうございますぅ……」と呟くのでした。




