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人見知りさんが異世界行ったら何故か人見知りがスキルになりました  作者: 白前 中
こっちの世界のゾンビは…

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大ピンチの鈴達

「……ギギ、ガガガ……ッ!!」


森の奥から現れたのは、かつての英雄か、あるいは伝説の騎士団長だったのでしょうか。ボロボロの鎧を纏ったそのゾンビは、他の個体とは比較にならないほどの威圧感を放っていました。


「速い……!? 鈴殿、危ないっ!!」


ヒルダが鋭い剣撃を繰り出しますが、そのゾンビは物理法則を無視したような動きで回避し、逆にヒルダを弾き飛ばします。鈴が放った【赤面爆炎】も、紙一重で見切られてしまいました。レベル479の魔力を持ってしても、当たらなければ意味がありません。


「ひ、ひぎゃぁぁぁ! 避けないでくださいぃぃ!!」


「ニャー! こいつ、生前の戦闘技術を完全に維持してるニャ!!」


絶体絶命のその時、カレンが動きました!


カレンの一撃と、予期せぬ反撃


カレンは敵の超高速移動を読み切り、巨大な前足でゾンビが構えていた魔剣を横から強引に叩きました。


――パキィィィィィィンッ!!!


「クゥ、グァァァァァッ!!(これでもう斬れないだろ!)」


カレンの剛腕が、ゾンビの持つ伝説級の剣を飴細工のようにへし折りました。これで弱体化するかと思われた……その瞬間です!


「……ガ……ア、アァ……!!」


武器を失ったゾンビの周囲に、禍々しい漆黒の魔方陣が展開されました。それは生前の理性を失ったからこそ放てる、命を削るような【極大暗黒魔法:デス・グラビティ】!


周囲の木々が重圧で捻じ切れ、逃げ場のない闇の波動が鈴たちを飲み込もうと迫ります。


「なっ、魔法まで使えるのかニャ!?」

「くっ……間に合わない……っ!!」


カレンの守護と、爆速の避難


しかし、カレンは動じません。自らの体に膨大な魔力を纏わせると、巨大な背中を盾にして闇の波動を真っ向から受け止めました。


――ズガァァァァァァンッ!!!


「クゥ、グァァァァァーーーッ!!」


カレンが力任せに咆哮すると、放たれた暗黒魔法はまるで鏡に跳ね返されたように四散し、空へと逸らされました。カレンの鉄壁の守護により、鈴たちは傷一つ負わずに済みました。


「カ、カレンさん……! ありがとうございますぅぅ!!」


「クゥッ(今は撤退だ!)」


カレンは瞬時に全員を自分のふかふかの背中に放り上げました。鈴、猫神様、ヒルダ、ミィアを乗せたまま、カレンは迷わずヒトミノジの町へと反転!


「ニャ!? ちょっと、吾輩の威厳が……っ、でもこの速さは助かる!!」

「……すみません、カレン様。お願いします!」


カレンは夜の森を弾丸のような速さで駆け抜け、ゾンビの手が届かない、パステルピンクの結界が輝くヒトミノジの境界線内へと一気に飛び込みました。


---


ヒトミノジ:結界内


「……ハァ、ハァ……。たす、助かりましたぁ……」


結界の内側に着地し、カレンの背中から降りた鈴は、へなへなと地面に座り込みました。外では、追ってきた強力なゾンビが結界の壁に阻まれ、忌々しげにこちらを睨んでいますが、鈴の「人見知り結界」は指一本通しません。


| 登場人物 | 状態 | 備考 |


| 桜井 鈴 | Lv.479| 【恐怖・疲労】 「あんな速いゾンビさん、聞いてないですぅ……」 |

| カレン | 【息切れなし】 | 全員の命を守り抜き、ドヤ顔で鼻を鳴らす。 |

| 猫神様 | 【毛並みの乱れ】 | 「爆速すぎて、吾輩の髭が逆立ったニャ……」 |

| 強個体ゾンビ | 【結界外で待機】| 武器を折られた恨みか、結界を叩き続けている。 |


---


「……ふにゃぁ。……カレンさん、本当にありがとうございましたぁ。……でも、あのゾンビさん、あそこでずっと待ってるつもりでしょうか……?」


鈴の平穏な別荘ライフに、再び不穏な影が差し始めました。



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