鈴が師匠に❓
「……おおお、これだ……! これこそが、既存の魔導体系を根底から覆す『純粋感情置換術式』の実演……! なんという美しく、かつ破壊的なエネルギーなのだ……!!」
床に縫い付けられたまま、シオンの瞳は爛々と輝いていました。今しがたカレンに鎮められたばかりの虹色の残り火を見つめ、彼は震える声で叫びます。
「鈴殿! いや、師匠!! 頼む、私を貴様の弟子にしてくれ! その、羞恥を爆炎に変える理論、そして愛で暴走を抑え込む制御術……その全てを私に伝授してほしい!!」
「ひ、ひぎゃぁぁぁ! し、師匠!? やめてくださいぃぃ! 私、そんな大層なものじゃないですぅ!!」
鈴はカレンの毛並みに顔を埋めたまま、ブンブンと激しく首を横に振りました。
「……お断りしますぅ! だって、私……自分でもどうしてあんな火が出るのか、全然わかってないんですもん! 『恥ずかしい!』って思ったら勝手に出ちゃうだけで、教えられるような理屈なんて一つもありませんぅ!!」
「な……!? 無意識、だと……? 理論なき極大魔法……。……くっ、天才ゆえに言語化できぬというのか……。ならば、私は貴様のそばでその一挙手一投足を観察し、自ら理論を構築してみせる!!」
「そ、そういうストーカーみたいなのは一番困りますぅぅ!! ヒルダさん、ミィアさん、助けてくださいぃ!!」
鈴の必死の拒絶に、ヒルダが冷ややかにシオンを見下ろします。
「シオン殿。本人が『理解していない』と言っているのです。これ以上困らせるなら、今度こそこの別荘から叩き出しますよ。……それとも、カレン様の『抱擁(物理攻撃)』をもう一度受けたいのですか?」
「クゥ~ン(次は手加減しないよ)?」
カレンがドスンと前足を鳴らすと、シオンは「……ぐっ、それは……」と口を継ぐみました。魔導への探究心は人一倍ですが、カレンの圧倒的な力の前には、今は引き下がるしかないようです。
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現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| シオン | 【弟子入り失敗】| 鈴の「無意識の天才性」に打ちのめされつつも、諦めていない様子。 |
| 桜井 鈴 | Lv.479 | 【お断り】 自分の能力を「事故」だと思っているので、教えるなんて無理。 |
| カレン| 【ボディーガード】 | 鈴を守りつつ、シオンが変な分析を始めないか監視。 |
| ヒルダ&ミィア| 【やれやれ】 | 「弟子だの講義だの、鈴には一番向かない言葉だニャ……」 |
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「……ふにゃぁ。……シオンさん、怪我が治ったら、静かにどこかへ行ってくださいね……? 私は、ただ静かに……暮らしたいだけなんですぅ……」
鈴が切実に願いますが、果たしてこの執念深かいシオンが大人しく去るのでしょうか……。




