RP25 男子って・・・・
久々に投稿できました。
本業多忙でようやくです。
快晴の中、木々に包まれる道を疾走る。慎重に。タンデム走行はまだまだ初心者だから。日本海はすでに遥か後方へと追いやってきた。何もない木々をぬうようにワインディングロードが続く。左右の木々が途切れると、今度は見渡す限りの原野。道都からわずか2,3時間離れるだけで、太古の昔にタイムスリップしたような風景が広がる。これが北海道。時たま民家が現れるが、御多分に漏れず、たいていは空き家だ。厳しい風雪のため押し潰されるように、朽ち果てた家屋も時折あらわれる。
「ねえ、どこ行くの!」
道の駅どころか、コンビニ、商店すらない道中に後席のお姫様は少々ご機嫌斜めなようだ。
「ああ!ごめんごめん!!もうすぐ町だから!!」
メット越しでも聞こえるように、声を張り上げる。
ワインディングロードの終わりを告げるように、近代的な(人が住んでいることがわかる)家がぽつりぽつりと目に入ってくる。
少し、アクセルを緩める。
集落の始まりあたりには、パンダ(パトカー)やネズミ捕り(速度違反の測定)が行われれることが多いからだ。
すると突然、目の前に住宅街が広がる。
そう、まるで紙芝居のように、変わるのだ。
迷宮の入り込むように、住宅街を抜けていくと、国道にぶつかる、
どうやら現代へと戻ってこれた。
国道を北へと走ると、まもなく、右手に道の駅が見えてきた。一応目的地だ。
ウィンカーを右に出し、道の駅への駐車場へに入る。
平日ということもあって、駐車場は閑散としていた。これなら、駐車区画に入れても文句はあるまい。手ごろなスペースにバイクを頭から突っ込んだ。
バイクを停め、スタンドを出だす。
「おりていいよ!」
まなは、ひらりとバイクの左側に降りた。
自分もヘルメットを脱ぎ、ミラーにかけ、慎重にNS400Rから降りた。
「じゃあ、ひるにしようぜ」
そう言って、道の駅に中へと入る。
12時前のせいか、レストランは空いていた。
「なんにしようかしら・・・」
「こういうときは、一番目立つのを買うのがいいよ」
券売機で名物と銘打たれた鴨南そばを2人で買う。
食券を社員食堂のようなキッチンのおばさんに渡す。引き換えに丸い小さな黄色いプラスチックの番号札を渡された。
「お二人様ですねぇ?お好きな席へどうぞぉ~」
フロアーに立っていたパートタイマーらしい30台後半くらいの店員がそう告げたので、これ幸いと、奥の窓際の席へと向かう。窓の向こうには、今しがた2人で乗りつけたトリコロールカラーのバイクが見える。
4人がけの四角いテーブルに向かい合わせで座る。
「タッくんきたことあるのここ?」
「いや・・・始めてかな・・・・レストランは・・・」
「そう・・・じゃあ、きたことはあるのね・・・」
「ああ、むかし、家族旅行のとき、休憩がてら・・・・」
「ふぅーん・・・・」
まなは、少し節目がちにそういった。
彼女の不信感はわかる。
おれが・・・ゆい姉ときたんじゃないかと疑ってるんだ・・・・。
「バイクで・・・」
「なに?」
「バイクで来たのは・・・初めてだよ・・・」
「そう・・・なんだ・・・・へぇー・・・」
まなは少し安堵の表情を見せた。
5番と6番のかたぁ~
呼び出しだ。おれとまなはキッチンの吐き出し口へと向かう。トレーにのせられた鴨南そばを受け取りに。
「おいしいわね・・・これ」
「そうだろ?初めて食べるけど、とりあえず、その店の目立つものを頼むのが一番なんだよ」
「やったね!!」
俺たちは微笑みあった。
きれいにそばをたいらげ、俺たちは菜の花ソフトという名物ソフトを買い、外のベンチで食べはじめた。
「これもいいわね・・・黄色のパウダーに、可愛いミツバチの飾りもいい感じだし・・・」
「これ、いけるなぁ」
無心で、ソフト口に運ぶ。どうやら、まなも気に入ってくれたらしい。道の駅ってありきたりなとこだけど、正解だったようだ・・・。
暑い中で食べるソフトクリームの味は格別だ・・・・
ベンチから国道を眺める。
夏休みといううことで、時折バイクが行きかう。ソロもいれば、マスツーも・・・。
おドカにBM。外車のバイクも増えたなぁ・・・・。
お、NSR。すっげー・・・・・あの姿勢でロンツーしたくねーなぁ・・・。
・・・・・プワワァワーン・・・・パン、パワー―――ン・・・・」
するとひときわ耳を引く特徴的な排気音がかすかに聞こえてきた。
ああ、チャンバー変えてんなぁ・・・・このバイク。俺のと同じく2stだ。けっこう排気量もあるな・・・250じゃねーぁ・・・。
その、やかましい耳障りな排気音が近づいてくるのがわかる。
『あ・・・・』
その、けたたましい排気音の音源を見た瞬間、そろって声が出た。
シルバーのWW400ガンマ。
ババババン、パンパパパパパパ・・・・
そのバイクは駐車場に入ると、俺たちのバイクの隣に停めた。
WWガンマのライダーがヘルメット脱ぐと、きれいな黒髪が零れ落ちる。
そう、ゆい姉だ。
ゆい姉は、俺たちの方に微笑みかけ、ゆっくりとバイクを降りた。
そして、こちらにゆっくりと歩み寄ってきた。
「奇遇ねぇ、まなちゃん、たくちゃん」
「・・・・・奇遇・・・・ですかぁ・・・ゆいさん・・・」
「そう、びっくりしちゃった・・・あなたたちがいるんだもん・・・」
「はぁ~・・・・・」
ため息をつくと、まなはこちらをじろっと見てきた。
「え、いや、おれ、何も・・・」
「そうねぇー・・・たくちゃんはなにも言ってないわよ。」
「え?」
意外そうな声を出すまな。
「た、く、は、ね・・・・」
『あ』
俺たちはまた、声をそろえた。
「まなちゃん、男なんてね、女の武器をつかったら・・・簡単に口をわるのよ。」
「あいつらぁ~!!」
俺は男子の面々を思い浮かべる。
「ちょっと、胸元とか、露出多めにしたら・・・・たくさん教えてくれたうわ」
『誰が?!』
「え、男子、みんな」
『・・・・・・・』
思わず黙り込む俺たち。
「タッくん・・・・」
しばしの沈黙ののち、まなは呟くようにきりだしてきた。
「なに?・・・」
「バカイダ―でもそうじゃなくても・・・・」
「うん・・・」
「男ってバカだわ・・・・」
「うん・・・そう思う・・・・」
「さあ、帰りは3人で楽しみましょう!!」
「そーぅ・・・ですね・・・・」
「ゆい姉、どのルート使う・・・・」
「そうねー・・・・」
ゆい姉は、喜々としてスマホのマップを確認しだした。
いや、そうこうしてるうちに、北海道もバイクシーズンですね。
菜の花ソフト食べに行こうかな・・・・。




