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18.王都に戻ってきてしばらくしたら、手紙ではなく両親がやってきた

 マヒーユ様と一緒に二日間のお出かけをした後、特に私の生活は変わっていない。

 少しずつマヒーユ様と仲良くなれた気には勝手に思っているけれど、それで何かが劇的に変わるわけではない。




 両親の借金に関しても解決の目途はないから、そのあたりもどうにかしていかないと。

 そのためにも両親からの手紙を待っているのだけど、返事が来ない。これだけ来ないと流石に不安になる。騎士団には休みをとる旨は伝えてあるけれど……。

 もしかしたら何かあったのだろうかとそんな不安がよぎる。

 両親の背負っている借金によって、もしかしたら連絡が取れない状況だったりするのだろうか……? そんな気持ちでいっぱいになる。




 ただ集中せずに鍛錬を行っていると、怪我でもしてしまいそうなのでそのあたりは気をつけている。借金の事ばかり考えて、前に集中出来ていなかった時は早退するように言われてしまったもの!

 私は騎士としてどんな時でも、動じないで生きていきたいと思うから鍛錬中はひとまず家族のことは考えないことにした。

 今は、戦時中ではないから問題はないけれども……だけど騎士と集中を欠けていたからと何かを失うことになったら嫌だとそう思うから今の内から気を引き締めておく。

 一瞬の選択ミスで騎士を引退することになった人や命を落としてしまった人だって沢山いるのだ。

 そうならないためにも、もっと気を引き締める。




 マヒーユ様が言ってくださったみたいに力づくで両親をとめるとして、そのためにも私は力をつけなければいけない。




 おそらく舐められたらそこで終わりになってしまう。

 両親にとって私は騎士である以前に娘であるから、私はなんだかんだ両親に逆らわないとそう思われているかもしれない。今まで両親が借金をすることに対して注意はしていたけれど、なんだかんだ私は両親に甘かったのだと思う。

 ……もっと前から突き放して、力づくで駄目だと分からせたら今の状況はなかったかもしれない。

 私は結局、両親に沢山の仕送りをして、本気で止められていたわけではなかった。

 だからこそ、次に会った時は本当に荒業でも止めたいって思っている。……でも流石に私を嫁がせなければならないぐらいに借金している状況で、さらに借金を重ねるということはないよね? と思いたいけれど、どうだろう……。



 今、この時も借金が増えているというのならばまた大問題なのだけど。



 そのあたりも確認したいから早めに手紙の返事が欲しい。

 でも待てども待てども来ない。

 手紙の返事ぐらい、すぐに出来ると思うのだけど、来ないことに私は何とも言えない気持ちになる。





 引き続き、お金稼ぎは続けている。

 魔物を倒したり、騎士団から与えられた雑用を行ったりを続けていく。





 その最中でマヒーユ様と一緒に魔物を倒すことも時々あった。

 ただマヒーユ様はフロネア伯爵領に顔を出すということで、少し休みを取るらしい。フロネア伯爵家はマヒーユ様の話を聞く限りも仲が良さそうで、家族で仲睦まじく過ごすのだろうなというのが想像できる。

 何も気にせずに、楽しいことばかりの帰省。私も両親の借金問題が解決したら、晴れやかな気持ちで領地に帰れるようになれるだろうか。

 マヒーユ様と一緒に過ごすことが増えていたから、その姿が騎士団に居ないことに少し寂しい気持ちになる。




「ユリアンリ、ぼーっとしているけどどうしたの?」

「ちょっとね! それよりシガルトは今日は――」




 マヒーユ様の姿が見えないことが寂しいなんてことはシガルトには言えないのでごまかした。

 それにしてもこうやってマヒーユ様の姿が見えないことでこんな気持ちになってしまうなんて、今後もっと離れた時にはどんな気持ちになるんだろう。うん、今のマヒーユ様と一緒に魔物討伐をしている状況が特別なものなんだから、ちゃんとこういう気持ちにもなれないと!




 そんなことを思いながら日常を過ごす。

 こうやってのんびり過ごしていると、借金のことも家族の問題を少し忘れてしまいそうになる。

 ――とはいっても、それを考えなければならない事態がやってくる。



「ユリアンリ!」

「騎士の恰好が様になっているな!」



 騎士としての仕事を終えた後、寮へと戻る。




 お客さんが来ていると言われてそちらに向かえば、そこにいたのは私の両親だった。

 お父様とお母様に会うのは久しぶりである。

 でもなんだか前よりやつれている気がする。あと弟と妹の姿が見えないけれど、二人のことは置いてきたのだろうか……?

 手紙ではなく、直接両親がやってくると思っていなかったので驚いてしまった。




「お父様、お母様……。ええっと、ひとまず談話室借りるからそこで話しましょう」



 私は驚きながらもそういうのだった。



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