表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/25

17.泊りがけの魔物討伐は思ったより平穏に終わった。


 村に一泊した。

 朝から村人たちが収穫したばかりの野菜で作った料理を振る舞ってくれて、とても美味しかった。



 マヒーユ様の周りには村人たちが沢山いて、話しかけている。

 若い女性にとってはマヒーユ様に見初められたら……という希望があるのだろう。そして男性たちからしたら英雄の息子であるマヒーユ様に憧れる面もあるのだろう。そういう様子を見ると、こうやってマヒーユ様と二人で魔物討伐をしていることが不思議な気持ちになる。




 二日目も帰宅時間まで魔物を討伐したり、鉱石を掘ったりと大忙しにしていた。



 同じ魔物ばかり狩っていると私が飽きてしまうと思ったのか、マヒーユ様は私が飽きないように時折違う魔物を倒すように言ってくれたりしていた。マヒーユ様って本当になんていうか、人のことをよく見ていると思う。

 騎士として私より先輩だからこその経験なのかもしれないけれど、凄くかっこいいというか、出来る人なんだなってそういう気持ちでいっぱいになる。




「そろそろ戻るか」

「はい! マヒーユ様、二日間ありがとうございます」




 明日から私もマヒーユ様も仕事なので、明日の仕事に間に合うように早めの帰宅をすることになった。

 今日の帰宅が遅ければ遅いほど、明日起きられなくなったりするもの!

 今の所、私は騎士の仕事に遅刻したことはない。というか、騎士であるのならば普段からそれではいけないと思う。

 騎士は非常時の際に活躍すべき職種である。普段からそうであれば、何かあった時に本当にどうしようもない。

 私はそういう非常時を経験したことはないけれど、そういうときのために日頃からきちんとすべきだもの!





「戻る前に寄り道するか? 景色が良いところがあるんだ」

「そうなんですか? 行きたいです!」




 マヒーユ様が連れて行ってくださる場所ならきっとどこでも楽しいだろうななどとそんなことを思いながら頷く。

 こうやってホイホイついていくことに危機感がないと思われそうだけど、相手がマヒーユ様だから大丈夫だって私は思っている。

 マヒーユ様と少し過ごしただけでも、マヒーユ様がどういう人か分かるから。





 それにしてもマヒーユ様がおすすめする場所ってどういう所なのだろうか?

 それを考えるだけでとてもワクワクした気持ちになる。




 私が楽しみにしているのが分かったのだろう、マヒーユ様が小さく笑って「こっちだ」と案内してくれる。



 連れて行ってもらった場所は、丁度王都へと帰る道中にあった。




「今日は天気が良いから、よく見えるだろう」



 そんなことをいうマヒーユ様と一緒に、少し小高い坂の上に登る。

 そこから見える光景に、私は思わず感嘆の声をあげた。



「わぁ、とっても綺麗ですね! この時間だからこそ、夕焼けが凄く綺麗です」




 そこから見える景色は、マヒーユ様がおすすめするだけあって凄く綺麗だった。

 今が夕暮れ時だからこそ、余計に幻想的に見える。



 オレンジ色に染まる空。この場には私とマヒーユ様以外の誰もいなくて、人が居ない場所だからこそなんというか、絵画か何かの世界に入り込んでしまったかのようなそんな気持ちになる。

 こういう綺麗な景色を見ていると嫌なことなど全て吹き飛んでしまう。というより悩んでいることなんて些細なことのように思えると言うか……こういう自然の力は凄いなとそんな風に思う。

 マヒーユ様は私を此処に連れてきた理由を語らないけれど、もしかしたら私が悩んでいたから連れてきてくださったのかなって思う。

 こういう綺麗な景色を見たら、心が軽くなるから。






「ここは前に父さんに連れてきてもらった場所なんだ。綺麗だろ?」

「はい! それにしても本当にマヒーユ様は色々な場所に連れて行ってもらっているんですね」

「そうだな。俺たち兄妹は本当に色んな場所に連れて行ってもらっていると思う。まぁ、ソル兄ほどじゃないけれど」

「ソル様って、確か冒険者をやっているんですよね?」





 フロネア伯爵家の次男、ソル様とは私は会ったことはない。六歳も上のマヒーユ様のお兄様は、冒険者として活躍しているらしいとは聞いたことがある。

 びっくりすることに、十一歳から冒険者をしていると聞いているので本当に規格外だと思う。冒険者をやっているときっと、見たことのない景色を沢山見られるんだろうなとは思う。




 冒険者かぁ。

 私は冒険者は凄いなと思うけれど、国から出る気はなく、騎士としての仕事を気に入っている。でも騎士として頑張っていればいつか国内や他国の訪れたことない場所に行くこともあるだろう。




 その時はこうやってマヒーユ様が見せてくれたような素敵な景色を沢山見られるようになるんだろうなってそう思うと楽しみでならない。私が言ったところなんて限られているから、そういう楽しみが満載だ。




「連れてきてくださってありがとうございます」




 私がそう言ったらマヒーユ様も笑ってくれた。




 それから私たちは王都へと戻った。本当に何処までも平和で、楽しい二日間だった。


ボタン押し間違えていて、連載中なのに完結設定になっていたので修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ