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12.鳥の魔物を地に落とす

 私は上空を飛ぶ鳥の魔物を見る。あの魔物たちをどうやって落とせばいいだろう?



 道具を使って落とすとか、注意を引いて叩き落すか。どちらにしても無理やり力づくで落とす以外ない。

 ちょっと色々と試してみよう。



 私はひとまず、地面にあった石を投げてみる。騎士団では武器の扱いだけではなくて、投石の訓練もある。武器がない時にも戦えるようにと戦闘訓練されている。



 何があっても戦える環境であることは重要だ。

 ジェネット王国はマリアージュ様とグラン様が活躍された戦争以来、目立った争いは起こっていないけれど、そういう事態に陥る可能性だってないわけじゃない。だからこそ、そういう風に準備をすることは重要なのだ。



 思いっきり投げつけた石は、そのまま鳥の魔物へとぶつかる。うん、良い命中率。



 私は投石も結構得意な方だと思う。こうやって実戦でちゃんとぶつけられると、日ごろの訓練の成果だなと嬉しい気持ちでいっぱいになる。

 はっ、喜んで次の手をおろそかにしてはいけない。まずは落ちてきた鳥の魔物を絶命させる。一瞬でそれを行ったわけだけど、上空から鳥の魔物たちが襲い掛かってくる。



 仲間をまた殺されたことに、怒り心頭のようだ。



 知能が高い魔物だったらおそらくこうはいかなかっただろう。私はそういう知能が高い魔物とはあまり戦ったことはない。だけどこの世界には人の身で手を出してしまったら大変なことになってしまうような魔物というのは少なからずいる。そういう知能のある魔物は基本的に人に関わってきたりはしてこないらしいけれど……。



 私は一匹ずつ、魔物の対処をしていく。

 攻撃を食らわないようにすること。そして一斉に飛び掛かってくる存在を警戒しながら進めていく。



「ふぅ……」



 その魔物の体力自体はそこまで高くないので、倒すことは出来たのでほっとする。

 しかしなんというか、まだまだ私の剣技は全然だなと思う。夢中になってこうやって倒すことは出来るけれど、もっと戦いなれてくれば研ぎ澄まされていくのだろうなと思う。



 マヒーユ様の剣技もそうなんだよね。

 戦いなれていて、凄い人はそれだけ戦い方も綺麗なのだ。ほれぼれするぐらい無駄が一つないのだ。そういう戦い方が出来るようになりたいなと思ってならない。




「ちゃんと倒せたな」

「はい! でも、まだまだですけど。結構素材駄目にしちゃったかもしれません」

「大丈夫だ。目の部分が一番高価なはずだから」

「あ、そうなんですか?」

「ああ。目の部分が傷ついてなければ大丈夫だ」




 マヒーユ様の言葉に私はほっとした。


 折角倒せたわけだけど、高価な素材部分を駄目にしてしまったら……と少し心配だったから。

 私は戦闘で疲れて座り込んでいる。その間にマヒーユ様は何体か先に解体してくれていた。私に教えるためか数体は残してくれているみたい。てきぱきと解体していて、こういう魔物も解体しなれているんだなぁと思った。



 それにしても瞳の部分は確かに宝石か何かみたいにキラキラしている。

 魔力も帯びているように感じられるので、もしかしたら魔法具とかの材料にもなるのかもしれない。

 私は魔法具について全く詳しくない。騎士団内で使う魔法具を整備している部隊もあるので、そこにいる騎士たちに聞けばこの瞳が何に使えるかも教えてもらえるだろう。




「キラキラ輝いていて、なんか綺麗ですね!!」

「衣服や装飾品につけられたりもするからな。ちゃんと処理をした上でだが」

「こういうのってちゃんと処理をしないと色々あるんですか?」

「そうだな。素材にもよるだろうが、処理せずに身に付けていたりすると魔物が寄ってきたり、悪い影響が起こる可能性もあるはずだ。大きな被害が出るものはそこまでないと聞いてはいるが」

「……この位なら大丈夫と適当な処理はしないようにした方がいいってことですよね。私も騎士として周りに迷惑がかかることはしたくないので気をつけようと思います!」

「ああ。それがいい」



 ちょっとしたことだと思っていても、後々つもりに積もって何かが起こることってたまに聞く話だ。

 私が騎士になる前の話だけど、大きな魔力だまりのようなものが影響して驚くほどに巨大で力の強い魔物が現れたこともあったらしい。それに関してはさっさと処理をされたらしい。たまたまマリアージュ様がその場に居て、すぐに倒したから事なきを得たと聞いている。

 あれもマリアージュ様が居なかったら確か大変なことになったはずなんだよね。




「ふぅ、よし! マヒーユ様、解体の仕方教えてください」


 しばらく私は座り込んだままマヒーユ様と話していたのだけど、体力が回復したので立ち上がってそう告げる。



「もう大丈夫なのか?」

「はい!」



 私が元気よく返事をしたら、マヒーユ様は小さく笑って解体の仕方を私に教えてくれた。

 最初は上手くいかなかったけれど、何度か試してみると綺麗に解体できたのでほっとした。




 そうやって過ごしているとあっという間に時間が過ぎ、その日の魔物討伐は終わった。



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