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【SS】幸せの分散はもう終わり、置いて行かれる女の子たち〜本気の恋でLINEを消した日 ~僕らの傷跡~彼の甘い洗脳、歪んだ溺愛から救ってください  作者: 水波瀬 凪
【第一章】幸せの分散はもう終わり、置いて行かれる女の子たち〜本気の恋でLINEを消した日

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8人目~【年上既婚者、あかり】わたしの唯一の救いだった凪くん、幸せになってね

私は凪くんより一回り年上の既婚者。


凪くんは、


「落ち着いた大人の包容力」


に惹かれるって言ってくれた。


ときどき一緒にカラオケに行っては、何でもないような話をして過ごしていた。


凪くんには悪気なんてない。


私もまた、家庭の悩みを聞いてくれる「可愛い年下の男の子」として、彼に癒やしを求めていた。



けれどその日常は突然、壊れた。



ある日、凪くんといつも通りカラオケで過ごしていると、夫が乗り込んできた。


夫は激昂し、私に対して離婚をちらつかせ、凪くんに対しては多額の慰謝料を請求した。



凪くんは、自分のせいで家庭を壊してしまったという事実に震え、罪悪感で押しつぶされそうになる。


私もまた、凪くんを巻き込んだことにひどく後悔し、泣き崩れた。



結果として、凪くんは慰謝料を支払い、私とは連絡を断つことになった。


あの出来事は、凪くんを大きく変えた。


「俺が誰かと親しくすることは、その人の幸せを壊すことなんだ」


という、深い自己嫌悪。



あの日以来、凪くんは誰かを好きになることを怖がってたように見えた。


誰にでも優しいのに、誰にも近づかない。


誰かが好きになりそうになると、ふっと離れてゆく。


あれはきっと、私たちのせいだったんだと思う。




あれから数年が経ち、ふいに凪くんから電話があった。


「あかりさん、お久しぶりです」


私は息を呑んだ。


「俺、もう過去を終わらせようと思って。……本当に、あの時はごめんなさい」



凪くんは、私の人生を狂わせたかもしれないという罪悪感からようやく解放されようとしていたんだと思う。


「……謝らないで。悪いのは私の方よ。あのとき、凪くんといるときだけが、唯一の私の救いだったんだから」


「これからは、彼女だけを幸せにします」


凪くんは、本気で好きになった子ができたと言った。



「だから、連絡先、もう消しますね」


「分かったわ。……お幸せにね」


通話が切れ、凪くんの連絡先が消える。



凪くんは、これまでの罪の重みをようやく手放すことができたんだね。



でもね、私にとって凪くんは


「罪」ではなく「唯一の救い」


だったよ。


幸せになってね。


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