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リーゼントシロクマと作る異世界レストラン 〜魔法の町で楽しい転生ライフ〜  作者: 七星かなみ


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【002】転生

 ふわふわふわふわ…

ゆらゆらゆらゆら…


なんだか羽毛布団の羽根になったような気分だ。

軽くて穏やかで気持ちが良くて…。

もしかすると、俺はすでに魂の状態なのだろうか。

風?に乗ってどこかへ流されていく。


…

しばらく経つと、パアッと白い光に包まれた。


こ、こ、これは。

死後の世界に突入するってやつ?!

こういうの本当にあるんだ…。

心臓はもう無いはずなのに、なんだかドキドキする。


「お入りなさい…。」


おおお!

神の声…

じゃない!

この声、聞いたことあるぞ?


光に近づいていくと、だんだんと緑色のシルエットが見えてきた。



まさか


これは



「人生、お疲れ様でした。

森森(もりもり)♡」



?!?!


ブロッコリー殿下(でんか)ぁぁぁー!


手でハートマークを作ってお出迎えしてくれたのは、まさかのブロッコリー殿下(でんか)だった。


いや、なんで?!

ブロッコリー殿下(でんか)って、人間界に遊びに来ていた神様だったの?!

それとも俺はまだ死んでいなくて、これは夢?


呆然としていると、ブロッコリー殿下(でんか)は話し始めた。


「私は天の使い、魂の守護者です。

動揺されないよう、あなたが生前最も愛していた人物に姿を変えています。」


えっ。

それはなんか違う。

俺、父親も母親もいるんだけど…。


「あの〜。

本来の姿に戻っていただいて大丈夫です。

天使とか女神みたいな、そういうフツーの天の使いが見たいです。

むしろその格好はあんまり…。」


「もう変更できません!

あなた、亡くなる時にこの顔を愛おしそうに眺めていたでしょう!

それに女神って!

私は男ですよ!」


いや。

眺めてたっていうか、ひっくり返ったら座布団があったというだけなんだが…。

まぁいっか。

それよりも、これから俺がどうなるかだ。


「この後は永遠の眠りにつくとか、そんな感じですかね?」


するとブロッコリー殿下(でんか)(天の使い)は前に進み出て、

急に魔法のように薬玉(くすだま)を出現させた。



ボワッ!



そして玉から下がっていた赤い紐を引っ張ると…



♩パンパカパーン



音楽と共に、カラフルな紙が飛び散った。


「な?!な?!」


訳がわからずに戸惑う俺。

よく見ると日本語で何か書いてある。


「死者100億人目おめでとう。」


?


「なんですかコレは?」


パチパチパチパチ!

彼は拍手をすると、

「あなたは、私が担当した死者、100億人目です。

おめでとうございます!」


「はぁ…。」


おめでとうとか言われても、何がめでたいのか全く分からず。

俺にメリットあるのか?


「コホン。

えーっとですね。

ケンジさん。

あなた今、だからなんなんだとお考えでしょう。」


ギクッ。


「それがですね、あなたはとてもラッキーなんです。

この後の進路を選べるんですから。」


「選べる?

つまり、天国か地獄かってこと?」


ちっちっち


と指を左右に振る使者。


「そーんな単純なものじゃありませんよ。

まず、あなたがおっしゃったように永遠の眠りにつくか。

それとも天界で楽しく暮らすか。

または…。

転生者となって第二の人生を送るか。

全て、選択できるんですよ。」


?!?!


転生?!

コミックやアニメでよく見ていた、あの転生?!


すごー!

本当にこういうのあるんだ!


「えっと、じゃあもし転生を選ぶとして。

どういう世界で…っていうのも、叶えてくれるってことですか?」


「はい。

だから、ラッキーなんです。

記念の番号でない普通の方は、全て、こちらがどうするか決めてしまうのですから。」


「えぇぇぇ。

じゃあ俺、めちゃくちゃ幸運じゃん。

死ぬのがあと一秒遅かったら違ってたんだろうし。

けどこの記念の番号に、極悪人が当たったらどうするんです?

そういう人も、ハッピーな世界に転生できちゃうとか…?」


「そういう人は除外しての、100億人目です。」


あ、なるほど。

それなら良かったわ。


「えーと…。

うーんと…。」


色々考えを巡らせるが、突然の申し出に考えがまとまらない。

でも待てよ。

俺が死ぬ前に考えていたこと。


大金持ちじゃなくていい。

女性にモテモテじゃなくていい。

とにかく。

気の合う仲間に囲まれ、ストレスフリーで、楽しい人生を過ごしたい。

それを願っていたんだ。

思い出した。


「決まりました。

では、俺の希望を伝えますね。

え〜…。

胃の痛くなるような嫌な人が周りにいなくて、素敵な仲間に囲まれて、のんびりと楽しく暮らす。

そういう世界に行きたいです!」



シュバッ!


使者は再び魔法使いのように手を振った。

すると今度は、宇宙を凝縮したホログラムが現れたのだ。

タブレットの操作のように、指でヒュンヒュンしながら調べものをしている。


そして。


「…。

ザックリしすぎて候補が決まりません。

もう少し条件をくれませんか?」


え?いいの?

これでも多すぎたかと思ってたのに。

よーし。

そうとなれば。

一回きりのチャンスだし、遠慮なく!


「それじゃあプラスで、毎日美味しいご飯が食べたい。

あとそんな世界は存在してないかもしれないですが、あなたみたいな魔法もちょっと使ってみたい。

これでどうです?」


ファンタジックな要望も出してみたけど、さすがにこれは無理?


「ありがとうございます。

これで決まりました。」


「え!ウソ?!」


「本当です。

ただ、ひたすらのんびりというのは、どの人生でも難しいですね。

長く生きていれば、何かしらのアクシデントはあるでしょう。」


そりゃそうか。

植物にでもならなきゃ無理だよな。


「了解しました。

でも、他はほとんど希望通り…?」


「はい。

第二の人生、楽しんで下さいね。

それでは転生させますよ。

…行ってらっしゃーい!」



ギュイン!!!



俺の体(魂)はスピードを上げて、宇宙へと向かっていった。


手を振る使者の姿がどんどん遠くなる。


「うわぁぁぁぁ…!」


そしてあっという間に宇宙空間に突入。

いくつもの星や惑星がビュンビュンと後ろに流れていく。


これから…。

どんな世界が俺を待っているんだろう。

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