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ヨクウは羽を大きく広げ天へと伸ばす様に掲げた後、羽ばたいて空へと上がっていった。
メイリンも追いかけるように羽を広げで飛び立つ。
それは仲睦まじい鶴の番が二羽並んで飛んでいる様な風景だった。
そんな二羽を見上げて睨みつける人物がいた。
そして鶴たちはその人物の前に揃って、降り立った。
「申し開きはあるか?」
初めに人の形になったのはヨクウだった。
ヨクウはメイリンの頭を撫でるように人の姿に戻す。
祝言を挙げるような光景に龍王の顔はさらに歪んだ。
「ヨクウ様と先祖に縁があり、一つ願いを叶えて頂けるということで、鶴に変幻する衣を戴いたのです。」
メイリンはすかさず一歩前に出て言った。
ヨクウはその場に膝をつき、控えている。
それが更に龍王の機嫌を悪くした。
「ならば何故私がいる時に申さない?」
「それは…」
メイリンが言葉に詰まり、代わりにヨクウが口を開いた。
「番を助けていただいた恩であればこそ、見す見す死を待つような番様のご様子を放っては置けなかったのです。」
龍王の首元にグッと力が入る。
怒りの形相は瞬時に悲愴な面持ちに変わった。
「そんなことはありません。龍王様には充分守っていただけております。」
メイリンは更に一歩前に出る。
それは龍王に訴えかけたいようにも見えたが、ヨクウを庇いたいようにも見えた。
そして、ヨクウはメイリンの言葉など意に返さず、続ける。
「鶴は自分で番を選びます。そのことをいくら龍に罵られようとも、私たちは自分で選んだからこそ誰よりも番を愛するのです。例え命を落とすことになろうとも、私たちは番を守ろうとするでしょう。」
龍王の怒りは頂点に達そうとしていた。
握られた拳は小刻みに震え、体は龍化する前のように光り輝いていた。
「…私の前から去れ。今すぐだ。」
以前メイリンに放ったような龍王は鋭い殺気をヨクウに放っていた。
しかし、ヨクウは微動だにしない。
「龍王と二人にしてください。」
メイリンのその言葉で漸くヨクウは鶴となって飛び立った。




