地底街へ
ダークフォレストウッドの大地に大粒雨が降り出したのでアーカはキャンドちゃんを背中に乗せてセンターオルドと呼ばれる地底街へと移動することにした。入口に入るとそこは見たこともない不思議な植物の防壁で囲まれていて、天井部分は密集したモスに覆われ、大雨や外敵からも守ってくれる安全なシェルターとなっていた。モスは半透明で地底に向かっているはずなのに地上の景色が見ることができた。
頭上では大粒雨が今まさにバシャバシャと弾けていて、空を優雅に飛んでいた飛行生物たちの多くは大慌てで避難をしなければならなかった。
「この雨はなんだい?しずくの爆弾みたいだよ?」
アーカは背中に乗せたキャンドちゃんに向かって尋ねる。
「時々アブーバルンが撒くんだ」
キャンドちゃんがアーカの耳元で言った。
「アブーバルンって?」
アーカはキャンドちゃんにもう一度尋ねる。
「ダークフォレストウッドの配下の国だよ、天空にあるんだ」
キャンドちゃんは只のロウソク人形とは思えない程とっても物知りだ。
「これって攻撃されているんじゃないの?」
アーカは空を指さして言った。
「ハハハ、これは水の管理をさせているんだから攻撃ではないよ」
キャンドちゃんにそう言われてアーカはまた地上を見上げた。
「そうだ!爆弾で思い出した、アーカに武器を持たせなければダフォウに言われていたんだった」
突然キャンドちゃんが騒ぎ出した。そして’’ロウ’’を溶かし垂らした。
「あっちっちっちっち!!?」
アーカは背中に強烈な熱を感じて驚いた。
「アーカの足が速くな~る」
キャンドちゃんが変な事を言い出したのでアーカは戸惑った・・・のも束の間、突然アーカの足がもつれるように動き、勝手に駆け出したのだ。それは自分の足ではなく、奇妙な生物の動きを見ているような感覚だった。
「なに!!?」
アーカの表情が固まってしまう。
「心配しなくていいよ、アーカの下半身は今エイリアンだから」
キャンドちゃんが笑いながら言った。
「なにぃ?エイリアンだって?余計に心配だよ!!」
アーカは声を張り上げた。
アーカの下半身は揺れに揺れて、次から次へと現れる植物群を飛び越えたり這っていく、そこに道など存在しないかのように動き回るアーカの足。それでも不思議と不快ではない、不気味ではあるが、マシンでもない慣れない乗り心地にアーカの頭はパニックになったのだった。
「あ・・・え・・?え・?エイリアンレッグ」




