安土をぶっ飛ばす
安土は自身にマジックアーマーを使用してから
ラスボスの待ち受けるフロアへと突入した。
アーマーとは言うものの防御性能は皆無だが、
外部から何かしらの魔力干渉を受けた場合に
MPを回復させるという効果がある。
今回は朧満月が常時魔法を使用している状態であり、
MPにダメージを与えてくるのが判明しているので、
それをある程度相殺して緩和しようという作戦だ。
最も厄介な混乱の状態異常付与への対策は、
精神統一で抵抗力を向上させるという方法を取った。
というか、そうするしかない。
「ディスペル!」
そして安土の第一手。
あらゆる魔法効果を消し去る解除魔法である。
それは魔力で構成された魔力構造体にも有効であり、
これにより朧満月は瞬く間に雲散霧消し、
空中を漂う魔力残滓へと変化するのであった。
なんとあっけない決着だろうか。
これまで何千回とリーダー安土の判断力を鈍らせて
チームブラックを全滅に追い込んできた死の月が、
たったこれだけの手順で消滅してしまったのだ。
まあ、当の本人にはその悲惨な記憶が無いので、
この快挙に対して特別な感情は湧いてこなかった。
「アナライズ!」
ここで特別な感情が湧いてくる。
解析魔法なんてほとんど誰でも使用可能であり、
安土はこの魔法を学園に登録していないのだ。
そんな低レベルな技術を使用しながら叫ぶなど、
普通だったら絶対にやらない行為の1つだ。
正直、恥ずかしい。
だが、今はバギー2号のカメラを通して
待機中の仲間たちが状況を見守っている。
彼らには、自分が何をしているのかを
わからせてやる必要があるのだ。
安土桃之進を解析中、想定外の出来事が起こる。
ついさっき魔力残滓に変わり果てた朧満月の粒子が
元の位置へと集まってゆき、やがて大きな塊となり、
再び忌々しい輝きを放つようになったのである。
これには待機中の仲間たちも慌てるしかなく、
バギー2号から濁った音声が聞こえてくる。
『月が……復活した!?
安土君、もう一度ディスペル!!
早く消さないとヤバいよ!!』
なんと、朧満月にはラスボスのHP回復と全能力強化、
敵対者へのMPダメージと全能力弱体、混乱付与、
睡眠付与だけでなく自動復活機能まで備わっていた。
もうやりたい放題である。
「消したところでまたすぐに復活するでしょうね
イタチごっこで無駄にMPを消耗するだけなので、
一度そちらへ退避して作戦を練り直しましょう
ラスボスの解析は終わりました
もうここに用はありません、今のところは」
最終セーブポイントに帰還した安土は、
仲間たちの暗い表情など気にも留めずに
解析作業の結果を淡々と報告するのだった。
「奴の攻撃力は高すぎる
無対策で直撃を喰らえばひとたまりもないだろう
現在のメンバー構成だと会長のサポートで
敵に与えるダメージを増やすことは可能だが、
味方が受けるダメージを減らす手段が存在しない
またお前らの取り分が減ることになるが、
ここは亀山と猪瀬に協力を仰ぐのが得策だろうな」
安土は各人材の手持ちの魔法を列挙した後、
2人を参戦させるべき理由を説明する。
「会長は攻撃バフと防御デバフを使用可能だが、
今欲しいのは防御バフと攻撃デバフだ
亀山は攻撃デバフと防御デバフを使用可能、
猪瀬は防御バフと攻撃デバフを使用可能、
斎藤夫妻はどちらも全バフデバフを使用可能だが、
退路の確保及び排便中の犬飼を護衛しているため、
現在の持ち場を離れさせることはできない
そもそもこの階層は斎藤夫妻だけで制圧できていた
亀山と猪瀬が持ち場から離れたところで、
向こうに悪影響は出ないという判断だ」
安土の提案に一同は納得しかけるが、
隼斗は腑に落ちないといった表情で疑問を口にした。
「欲しいのは防御バフと攻撃デバフなんだよな?
それなら猪瀬さんだけで事足りるんじゃないか?」
ハッとする一同。
『バフデバフ』の連続で頭がこんがらがっていたが、
結局はそういうことなのだ。
相手に考える隙を与えない巧妙な話術は、
詐欺師の常套手段なので注意しよう。
「べつに亀山さんの参戦に反対というわけじゃない
月が復活する度に支援をかけ直す必要がある以上、
デバッファーが1人増えるのはむしろ心強い
凍結と拘束の使い手というのもポイントが高い
いざという時の足止め要員になれるからな
それに亀山さんは純粋な魔法使いタイプだから、
MPの高さからMPタンクとしての利用価値がある
……というメリットをなぜ言わなかった?
いつものお前ならそうしたはずだ
まさか、実は混乱の影響を受けていて、
思考力が低下してるんじゃないだろうな?」
「俺は正常だ
そこまで事細かく説明せずとも、
他の連中はすんなり納得していただろう
お前が考えすぎなんだよ
どうせ亀山には攻撃デバフだけを、
猪瀬には防御バフだけを使わせる予定なんでな
それ以外の情報は不要だと思っただけだ」
情報量が多ければいいというものではない。
情報が増えるほど、かえって混乱を招くこともある。
ついさっき安土が『バフデバフ』を連呼して、
一同の判断力を意図的に鈍らせたように。
安土と神楽は2人を呼びに行く途中で足を止め、
尾行されていないことを確認してから密談する。
「ちょっと安土!!
せっかくいい流れだったのに、
あの2人を参戦させてどうすんのよ!?
役者を揃えちゃだめでしょ!!
首切姫で観た映像の通りになっちゃうでしょ!!
あたしとあんただけでよかったのに!!
何考えてんのよ、もう!!」
憤慨する神楽とは対照的に、安土は普段通りの
涼しげなイケメンフェイスで受け流した。
「まあ落ち着け、神楽
その映像なんだが……よく思い出せ
もう変わってるんだ
何がきっかけだったのかはわからないが、
何かしらの小さな変化が積み重なった結果、
大きな変化はもう既に起きていたんだ
その証拠に、まずお前の着ている物が違う
本来は今日受け取る予定だったんだが、
昨日お前の父親と話したせいで気が変わってな
1日早く受け取ってお前に渡したというわけだ」
「あ、そういえばたしかに装備が……って、
お父さんと何を話したの!?
あたしなんにも聞かされてないんだけど!!」
「それは……あとで話す
前周までとの違いについて続けるぞ
あの連中と共闘する展開は全くの予想外だったが、
これこそ世界が変化したという決定的な証拠だろう
特に大上隼斗の存在だ
あいつがこの場にいること自体がおかしい
普通に考えてみればわかるだろう
あんな凡人が魔法学園に入学できるわけがないし、
1年間を無事乗り切って正式な冒険者となったのも、
なぜかあの連中から絶大な信頼を得ているのも、
とにかく何もかもがあり得ない状況にある
よって、大上の参戦はこの周回が初めてのはずだ
『何が起こるかわからない』
この混沌が渦巻いている今こそ賭け時なんだ
戦力の出し惜しみをしている場合じゃない」
隼斗の参戦については盛大に推理失敗した安土だが、
この周回が特別であるという読みは間違っていない。
小さな変化が連鎖反応を起こして大きな変化となる、
いわゆるバタフライ効果が発生したことによって
前周までとは明らかに違う状況となっているのだ。
山田の指摘通り、マギアバギー(仮)が無かったら
混乱からの全滅コースを辿る運命が確定していた。
事実、チームブラックの面々はそれが決め手となり
何千回も死に続けてきたのである。
この厄介な状態異常に関する情報を事前に入手し、
対策できるようになったのは非常に大きい。
犬飼杏子が事前に戦線離脱するのは今回が初なので、
彼女がどう出るかは未知数である。
この周回では、ラストバトルで死人が出たとしても
彼女がその現場を目撃する事態にはならないので、
絶望を引き金に時間逆行能力が覚醒するという流れが
少なくとも戦闘中には起こらなくなる。
そもそも彼女が時間を巻き戻しているという事実は
本人の裏人格だけが知り得るクローズな情報であり、
『死んだらリセット』を任意で行えるわけではない。
なんなら仲間のグロい死に様を目撃しないせいで、
能力覚醒イベントがキャンセルされる可能性もある。
もしそうなった場合、時間が巻き戻らないので
死んだ仲間は生き残る機会を永遠に失うことになる。
……まあ、それが本来あるべき時間の流れなのだが。
追加メンバーを引き連れて作戦本部へ戻ると、
どうやら大上チームはおとなしく待機をせずに
火炎瓶作戦を既に実行済みだったようで、
バギー2号のカメラを通して経過を見守っていた。
安土たちもモニターを覗き込んでみると
そこには辺り一面火の海が広がっており、
朧満月の回復効果でラスボスのHPは削れないが、
邪魔な植物を燃やすという目的は果たせている。
否、桜の木は燃えていない。
「えっ、あれえ!?
なんで桜だけ無事なの!?
実はあの桜は魔力構造体……ってわけでもないし、
なんでだろう、おっかしいなあ……」
ポリポリと頭を掻く山田に対して
フォローを入れたのは、意外にも猪瀬であった。
「桜は広葉樹だから燃えにくいんやで
その反面、一度火が点けば長持ちするし、
甘い香りがするから薪の素材として人気なんや
周りの残骸はたぶんススキやね
天然の着火剤と呼ばれるほど燃えやすいねんけど、
距離があるせいで桜には燃え移らなかったんや
風が吹いてれば届いたかもしれへんけど、
ここはダンジョンの中やしなあ」
「その情報を先に聞けてれば……
あ〜もう、ススキ全部燃え尽きちゃったよ
……それにしても随分詳しいね君
アウトドアが趣味だったりするのかな?」
「いや、ちゃうで
昔オトンがキャンプに連れてってくれた時に
そういう知識を色々教えてもろたんや
またオトンとキャンプ行ってみたいなあ
でも無理やなあ
離婚してから連絡取れてへんからなあ
オカンが連絡先教えてくれへんのや」
「そう……
なんかごめんね」
その会話を横で聞いていた香織は目を光らせる。
得意分野は情報収集。特に人探しが好きなのだ。
この戦いが終わったら調べてやるのも悪くない。
「まあ木を燃やすまでには至らなかったけど、
とりあえず桜の花びらは処理できたみたいだね
ススキが消えたことで視界が広がったし、
火炎瓶作戦は全くの無駄ではなかったようだ
それから、あれだけ燃えた後だというのに
酸素濃度やなんかに異常は見られない
まるでダンジョンが呼吸してるみたいだよ
人間が活動できる環境を整えているかのように……
世界には逆の性質を持つ場所もあるってのに、
つくづくダンジョンって変なとこだよねえ」
ダンジョン、魔物、魔法……
それらについて長年研究はなされているものの、
わかっていることよりもわからないことの方が多い。
全てが解明される日は来るのだろうか?
──作戦を練り直した一同は戦闘準備を整え、
再びラスボス安土桃之進の待つ最深層へと向かう。
とはいえ全員同時に踏み込むのは愚策である。
まずは最も魔法への抵抗力が高い安土が単独先行し、
朧満月を消滅させつつ、地面に刀を突き立てた。
安土流剣術奥義・朝焼けの雲。
周囲一帯のMP自然回復速度を高めると同時に、
あらゆる状態異常を治療するというトンデモ技だ。
自身の魔法攻撃力を味方に上乗せしつつ
消費MPを軽減させる剣術“十六夜”と迷ったが、
この戦いでは混乱対策が最優先と判断した結果、
状態異常を治療できる朝焼けの雲が選ばれたのだ。
朧満月消滅のタイミングで金子が入場し、
安土よりも前に陣取って守備を固める。
以降、彼はこの場に立つ者たちを死守しつつ、
味方には攻撃バフ、敵には防御デバフをかけて
DPSの向上に貢献するという役割を担う。
今は防御だけに徹し、まだ魔法は使わない。
彼が動き出すのは味方の態勢が整ってからだ。
続いて突入した亀山がヴェクサシオンを発動。
攻撃デバフ、即ち敵の攻撃力を下げる魔法である。
それが済むと亀山は速やかに退避。
朧満月が復活する前に戦場から離脱することで、
MPへのダメージを受けずに済むという作戦だ。
ちなみに、猪瀬は作戦本部に留まりながら
突入メンバーに防御バフをかける役割を担っている。
亀山と交代で香織と飛鳥が入場し、
山田が持ち込んだ秘密兵器を使用する。
それはポテトガンを改造したアイテムであり、
ポーンストーンやナイトストーンなどの
魔力伝導性の高い物質を撃ち出す特殊な銃器──
名付けて『マギアランチャー』!
ただし、国内でその武器の使用は認められていない。
日本冒険者協会が定めたくだらない規則が原因だ。
なので山田はこの道具の存在を公にする気は無い。
だからこその“秘密兵器”なのである。
ボゥン!という重低音と共に弾丸が発射される。
その2発はどちらも安土桃之進には命中せず、
標的の左右へと流れてゆく。
外したのではない。狙い通りだ。
安土流剣術奥義・剣風!
見えない斬撃が弾丸を襲う!
が、左右どちらにも命中ならず!
さすがに弾速には追いつけない!
紛らわしいが、安土桃之進による剣風だ。
このラスボスは魔力を帯びた物質にも反応し、
攻撃行動を取るという性質が事前に判明している。
その性質を利用しようというのが今回の作戦である。
そして見事、その目論見は成功した。
ラスボスが弾丸に気を取られている隙に、
命知らずな冒険者が接近を果たしたのだ。
「起動!!」
キュイィィンというモーターの回転音。
直後、閃光と共にバチバチッ!と鳴り響く。
それはこの戦場に持ち込まれたもう1つの秘密兵器、
ウルフファングが電磁力を発生させる合図であった。
大上隼斗、第一手──
真剣白刃取り!!
隼斗の手中には黒い刀身があった。
言わずもがな、安土桃之進の愛剣“黒薔薇”である。
隼斗自身の腕力に加えて強力な電磁力が味方となり、
安土桃之進は黒薔薇を動かすことができない。
雅な構えを保ったままその場でカタカタ揺れる様は、
なんとも滑稽な姿である。
いかに敵が最強の剣士で妙な剣術を使おうとも、
得物が無ければ刀による攻撃はできない。
そんな単純な理屈の下に行われたのが白刃取りだ。
時代劇のように敵の攻撃を受け止めたのではなく
刀を構えている状態で白刃取ったので不恰好だが、
ともあれラスボスの物理攻撃を封印できたのだ。
その功績の大きさは計り知れない。
もしこれが人間同士の戦いであったならば、
安土桃之進はこの状況を打開することができた。
足幅を広げて下半身の力加減を調整したり、
相手を蹴り飛ばすなどして抜け出せばよい。
だが、安土桃之進はもう人間ではない。
プログラム通りにしか動けない魔物なのである。
人間だった頃に刀を止められた経験が無いため、
白刃取りの抜け出し方なんて設定されていないのだ。
安土殺しの秘策を成功させた隼斗の勇姿に、
見守っていた一同は安堵のため息を吐く。
そして、ここからはいよいよ攻撃のターンだ。
神楽とアロエのツートップアタッカーを投入し、
身動きの取れないラスボスに最大火力をぶち込んで
一気に戦闘を終わらせてしまおうという作戦である。
だが、まずは待機。
戦場には隼斗、安土、金子の3人が残り、
朧満月が復活するのを待つ。
何を悠長な、と思うかもしれないが、
MP管理が特に重要になる戦いなのだから仕方ない。
MPダメージを完全に防ぐ手立ては無い。
最も抵抗力の高い安土でさえ1秒で2割ほど削られ、
ディスペルの使用にもわずかにMPを消耗し、
その後の朝焼けの雲で自然回復するにしても
満タンまで補充できるわけではない。
戦闘が長引いた場合、安土はソウルゲインを使用して
仲間のMPを補充する手筈となっているため、
その負担はますます大きくなってゆく。
金子も魔法への抵抗力が結構高い方だが、
どう足掻いても5秒耐え切れない計算である。
それでも拠点防衛における最重要人物として
その場に留まっていなければならない。
防御性能が高く、バフデバフによる支援が可能、
回復も使えるのでいざという時の保険にもなり、
マジックシールドで隼斗を保護することもできる。
これほど便利な奴を引っ込めるという選択肢は無い。
安土と金子の消耗を最小限に抑えるには、
朧満月が消滅してから復活するまでの間に
より多くのダメージをラスボスに与えるしかない。
もう朧満月の復活周期が迫っているこの瞬間に
攻撃部隊を投入しても大してダメージを稼げず、
金子にバフデバフを使わせることになるので
余計な負担が増えるだけだ。
なのでここは一旦待機して、次の朧満月を消してから
動き出した方が結果的にMPの節約になるのだ。
そして朧満月が復活。からの即ディスペルで消滅。
後方で控えていた攻撃部隊が拠点に駆け付け、
金子は敵の防御力を下げてからアロエ、神楽の順に
攻撃力を上昇させるのであった。
「おっしゃあああ!!
一撃で終わらせてやんよ!!」
激しい雷鳴と共にアロエの髪がブワッと逆立ち、
全力全開の戦闘モードへと移行する。
この逆鱗状態は本気で怒りを抱えている時にしか
発動しないはずだが、1人当たり1億円の報酬の影響で
完璧に制御できたのであろうと思われる。
次の瞬間、再び激しい雷鳴が辺りに響き渡り、
気づけばアロエの姿がその場から消えていた。
この戦闘におけるファーストアタックである。
アロエのドロップキックが炸裂!!
……しなかった!!
安土流剣術奥義・空蝉。
安土桃之進はその場に残像を作り出して緊急離脱し、
アロエの渾身の一撃を完全に回避したのである。
「がああああ!!!
くっそおおおお!!!」
空振りしたアロエは安土桃之進を強く睨みつけるが、
それは残像であり、本体は全く別の位置にいた。
安土桃之進は上方向……空中へと逃げたのだ。
それは、とても危険な位置である。
空中で発動する安土流剣術が存在するのだから。
神楽は残像にスーパーノヴァを撃ち込む寸前、
急遽キャンセルしてステイゴールドを発動させた。
場の記憶を読み取り、この状況を打開するための
最善手を導き出そうとしたのだ。
……が、無い。
16分割した画面には全て隼斗が映し出されているが、
どれも白刃取り状態のままダンジョンの崩壊に
巻き込まれて命を落とすという結末であった。
『大上が参戦するのはこの周回が初めて』という
安土の読みが外れていた事実を知ってしまったが、
今はそれどころではない。
勝つための方法を超高速で検索してみるが、
ヒットしたのはたった1件だけである。
しかも、常人には絶対に再現不可能な方法だった。
ラスボスを天井までかち上げてハメるなんて戦術、
一体誰が真似できるというのだろうか。
全く参考にならない。
「終了!!」
その声に反応して、神楽は現実世界へと戻った。
ああ、終了。
終わってしまった……
安土流剣術奥義・流れ星!!
大上隼斗目掛けて安土桃之進が急降下!!
ドゴオォォン!!と、何かが爆発したかのような
轟音が鳴り響き、フロア全体に衝撃波が広がる!!
大上隼斗、死亡。
誰もがそう思った。
が、死んではいなかった。
それどころか隼斗は無傷で立っており、
逆に、地面に転がっているのは安土桃之進という
信じられない光景がそこには広がっていたのだ。
カウンター。
大上隼斗の必殺技がクリーンヒットしたのである。
仲間たちは皆ポカンと口を開けたまま固まり、
間抜けな顔を晒しながら同じ感想を抱いた。
(あいつ、本当にやりやがった……!!)
相手は違うが、隼斗の目標が達成された瞬間である。
基本情報
氏名:安土 桃太郎 (あづち ももたろう)
性別:男
年齢:16歳 (9月6日生まれ)
身長:165cm
体重:58kg
血液型:O型
アルカナ:死神
属性:無
武器:首切姫 (妖刀)
防具:雅 (衣装)
能力評価 (7段階)
P:9
S:9
T:9
F:8
C:10
登録魔法
・ディスペル
・リフレクト
・マジックアーマー
・ディヴォーション
・ソウルゲイン
・マナストック




