第514話 影響力
第514話 影響力
「みんな逃げろ!クソまみれになるぞ!」
ランタンを持ちながら入り口付近で作業する炭鉱夫達に叫ぶと状況は分からずとも、その言葉の強さに興味を惹かれた者たちが急いで外へと逃げる。
デンケンの真剣な顔が命の危機を知らせるには充分であった。
2人も入り口の穴の入り口まで来た。それぞれ左右に飛び込むように身体を投げ出すと次の瞬間には爆音と共に火山の噴火のようにゴロゴロサイズの岩が大砲のように飛び出てきた。
何でこんなことになったかついていけない頭でも炭鉱夫の人々が防御行動を取る。
「何ごとだ!これは!」
砂煙が落ち着くとデンケンに通報をしたおじさんがやってくる。
「おっちゃん、生きてたか!?」
「デンケンどう言う事だ!」
「こういうことだよ!」
思いっきりデンケンがおじさんを殴りつけた。
「デンケン....!」
尻餅を突きなぜ殴られたか理解できぬままデンケンを見る。
「前回調査が住んでいない場所を掘って地中に潜んでた魔物に襲われた時にちゃんと調査を今後はするって言ったよな!?今回は何でスライムを放した!」
胸ぐらを掴み、無理矢理立たせる。
「だから、踏み込めるようにスライムを使って掃除させた!そしたら一晩で空間が広がって!ダンジョンって言うんだろ?」
「違った!土竜の尻穴でに繋がってお前がスライムって餌を入れるから急成長しただけだったんだよ!」
「何!!そうだったのか!!だが、一晩でこんなにでかくなるなんて....」
「それの原因はこれだ!これは何か分かるか!」
デンケンがエナから手渡された瓶を取り出して見せる。
「それは.....魔物の餌だろ?地下で売ってたやつをスライムに与えてたんだ」
「これはダンジョンクリーナーって言って、ダンジョン内部が破壊された時に元の形にする生き物だ!これをスライムなんかにあげたら無限増殖するぞ!増殖した栄養を吸収して一晩でデカくなったんだ!」
「何そうなのか!?」
「知らなかったのかよ?」
「すまん....」
わざとスライムを増殖させ、デンケンとエナを閉じ込めたんではないと分かり、やるせない怒りをおさめようとする。
「クソ!調査は俺たちみたいな冒険者が行う!今後は素人は絶対に俺たちが来るまでそこに何かしようとするなよ!」
「わかった!約束する!」
「ならよし!!手が空いてる奴らは怪我人を....」
デンケンが指示を出すも土煙を上げる坑道から土が焼き固まったような黄土色の鱗を持つ巨大な龍が出てきた。
でっぷりとした体には翼はなく手足は短かすぎてその体を支えられない。柔らかい腹を地面に擦り付け大きな口を開けるように出てきた。
「土竜だ!!!全員逃げろ!!!」
でかい口から叫びを上げて地面に齧り付く。ぐちゃぐちゃと咀嚼して飲み込もうとするのだが、そのほとんどを吐き戻す。
そして、飲み込んだ土を首を振りながら撒き散らしながら吐き出す。
中には岩石が入っており、それに当たった人がバッタバッタと倒れていく。
「うわっ、何だよあれ?」
「あれが土竜だよ。土の中で眠って成体になっても地上に出てこないでそのまま地中で一生を過ごす魔物で、スライムの栄養を吸って一晩で成体になったんだろうな....」
岩の陰からデンケンがおっちゃんに知っている話す。
「倒せるのか!?」
「無理言うなよ。退化して居るとは言え竜なんて天災級の化け物だ。この国のシンボルや象徴兵器になるくらい強い。普通にやったんじゃ勝てないよ」
「じゃあ!どうするんだ!!」
「普通ならダンジョンや、生活圏に現れたやつは土の中で眠らせて周りを掘削してそのまま水に沈めて駆除。国内の土竜は卵を含めて駆除完了とか言われてるけど、こんな地中までは駆除が進んでないんだろうな....。取り敢えずは作業員の避難をしてくれ」
「避難って言ったって、その後はどうする!?」
「大丈夫だよ。俺みたいな初心者じゃなくて敵に回したら怖い元お貴族様の冒険者がこの場に居るんだからさ」
「信じるぞ!その言葉!」
「ああ、任せろ!」
デンケンがしゃがみ込み右手に魔力を込める。真上に2発の火球を投げると花火のように順番に破裂した。
それに反応するかの様に土竜が上を仰ぐ。その瞬間にデンケンが岩陰から飛び出し、土竜の顔面目掛けて火球を飛ばす。




