第513話 危機一髪
第613話 危機一髪
光が外から入ってこないせいでエナが照らしてくれている場所よりも先の部分は真っ暗ではっきりとは見えないのだが、シュワシュワと白い煙を出している液体がゆっくりと染み出してきた。
「うわっ!なんだよあれ!!!」
「一瞬の酸だろうね。まぁ、この辺は解けないようになってるだろうから....」
「なんでそんなこと分かるんだよ!」
初めてきたばかりの場所なのになぜエナがそんなことを知っているのかと疑問に感じる。
「デンケンだって胃にドロドロに溶かしたものがうんこになって小腸や大腸をとかしたりしないでしょ?」
「それがなんの関係あるんだよ!!」
「だってここ、でかい魔物の体内だよ?関係あるでしょ?」
「え?そうなん?俺たち口から入った?」
「いや、出るところから入ったみたい。胃の部分から上に行かないようになってたのは食べたものが逆流しないようにだろうね」
全く思いもしなかった最低最悪の答えが返ってくると流石のデンケンも表情が固まった。
「汚いな!!!」
「だから、開門して貰おうか?」
エナが杖を地面に突き刺しグリグリやるように刺激する。更に、頭で考えた命令分を『印字』に乗せて杖を伝わらせどんどん地面に伝播させていく。
開けた穴に到達すると花のように複雑な紋様になり、線の中には小さな文字で命令が書かれている。
一つ終わるとまた次の穴周りに同じように現れどんどんと数珠のようにつながり、紋様が魔力を吸い、白っぽく光る。
地面が小刻みに揺れ、ヒビが入り穴の中の魔力が膨張し、ドンドン穴を押し広げていく。穴から釘の頭のような魔力が出るのだが、頭の部分でさえ強く膨張していた。
「何したの!?」
「魔力に固形化する命令を入れてその後無理矢理膨張させただけ!異物があるって分かればオナラが出るから.....」
後ろを見ると引き絞られたような入り口が一瞬で真っ直ぐに伸びていき、外が見えた。
「飛び込め!!クソまみれ、オナラまみれになるぞ!」
「大袈裟だね。外に出られれば大した問題じゃあ....」
余裕のあるエナの目に飛び込んできた光景。しかし、2人の目の前に広がるのは入ってきた時の木製の門が閉まっていた。
「エナ姉ちゃん?門閉まってるんだけど?」
「デンケン?ガスまみれになりたくないなら死ぬ気で魔力込めな!!!」
「マジかよ!!」
先程よりも余裕が全くないエナの言葉にチカラが入る。2人が急いで門に触れ魔力を込める。しかし、エナの魔力が先程よりも弱くなっておりうまく込められない。
しかし、ぐるぐると言う音が次第に大きくなっていくのは止まらない。
「ま、まぁ、最悪クソまみれになっても死んだりはしないよな?臭くなるくらいだよな?」
「お馬鹿!頭が岩壁に刺さってるってことは岩を食べるタイプの魔物!それに、胃壁が何層にもなっとから、火耐性がある!皮膚も鱗が生えてる可能性が高い!土竜の可能性がある!」
口早にエナがわかっている情報を口早に言う。
「ってことは、岩のクソが飛んでくるってこと!!?」
「しかも、ガスで大砲みたいになる可能性がある!」
「いやー!!!死にたくない!」
「だったら死ぬ気で魔力込めて!!」
2人がありったけの魔力を込めると門が開き出し、デンケンを先に出させるとエナが後から続く。




