第508話 無駄話
第508話 無駄話
キノと対等に居たいと言う思いから幽霊屋敷では年齢以上に大人びたように振る舞い、年少者に接していた。
時には厳しく叱ることはあれど優しかった。
しかし、時より自分の気持ちに蓋をしてやりたいようにできていないのではないかと思う子供もおり、デンケンもその1人だった。
冒険者になり自由気ままにキノの横に立ったことで、幽霊屋敷から解放されエナはエナらしくなったと感じられる。
イタズラをしてくれた事が心底嬉しいのだ。
「姉ちゃんはなんでそんなに複数の光を出してるんだ?」
エナの周りには先程デンケンの視界を奪った小さいサイズの黄色い光から、激しく燃える火の玉、ぼんやりと中の光の玉を覆う水の灯りなどさまざまな光源を魔法で出していた。
「さまざまな属性の魔物に対応するためだよ?魔石のままだと不意打ちに対応できないから色々な属性の魔力を灯り代わりにして体の周りにふわふわさせてる。私の指からでてる魔力を紐つけてるから一瞬で飛ばせるし」
「確かに魔石から魔力を取り出すのに時間が掛かるし、取り出しと術式の書き込みを瞬時にやろうとするとうまくいかないし理にかなってるんだな」
「その2つを上手いことやるのがキノだけどね。魔石から属性魔力が消えて魔石を買いなおしてる所とか見たことないもん」
「マジで?俺なんてすぐ真っ白の無属性魔力にしちゃうから補充できなかったらよく買ってるよ」
「機会があったら見せてもらった方がいいよ。キノが持つマスターピース本当にでかいし、質も申し分ないから」
冒険者は自分に流れていない他の属性の魔法を使う際には魔石を使う。魔石に自分の魔力を流し、押し出す要領で魔力を取り出すのだが、取り出したぶん押し出しに使った魔力がその分魔石の一部して成り替わり、割合が高い方の属性が支配する。
そうならないために小さな魔石を自分が持つ魔石に合わせて自然界に存在する、光、火、水、風、土の時間と空間以外の自然界に存在する基本的な属性の魔石を含めてマスターピースと呼び、それぞれの冒険者は採取した魔石を合わせて質の高いマスターピースを所持してい切り取って使ったりしているのだが、キノのマスターピースだけは別格だった。
どれも普通の間石よりも遥かに濃い色をしている。
「すごいなー、時間と空間を含めたグランドピースも持ってたりしてー」
「その2つの属性はとんでもなく希少だから難しいんじゃない?時間の魔石は高額でも多少は市場にあるけど、空間の魔石なんて0だし」
「無数にある世界も空間と時間の世界は1つしかないんだよなー。時間の世界も国も1つしかないってどんな感覚なんだろ?」
「基本属性の世界は無数にあるし、世界の中にたくさんの国があるあら分からないね。ひとりぼっちは寂しいだろうけど」
「そうかな?数千年前までは世界を渡るには突発的な空間の歪みに飛び込まなきゃいけなかったんだろ?だったら自分がいる世界しか認知できないからそれはそれで幸せだったと思うけどな?」
「数100年前に空間の監督者が近隣の世界にならいけるアイテムを作ったことで公益は盛んになったから、その幸せはなくなっただろうけどね」
「戦争は起きたけど、やっぱりどこまでもいけるのは最高だよな!」
「圧倒的な力を持つ空間の人達の力で統一されてからは大規模な争いも起こってないしね」
「その統一って何したんだ?」
「確か、みんな仲良くしないと全部の世界を潰すって小さい子が言ったみたい。本当かは分からないけど」
「それちょっとかっこいいな」
「めちゃくちゃ分かる」
そんなことを言いながらまた先へと進む。
「エナ姉ちゃん、ストップ」
「敵いる?」
「いるってよりは地面に薄く広がってる。悪いんだけどさ、魔力で釣って貰える?俺がその間に倒すから」
「やだ!!」
「はっ?」
デンケンからの提案を瞬時に断る。




