第474話 思考放棄
第474話 思考放棄
「国ができるってどう言う事?一夜でできるわけないし....」
「多分、そう言う魔法。私たちがいくら思い出そうとしても思い出せない人とかっていない?」
「えっ?あ、確かに子供の時に一二回遊んだことがある子とか知ってる筈なのに、名前も顔も出てこない....。なんで?」
「あくまでも私の推測だけど、そう言う他の人との繋がりが希薄な人を魔法が選んで新しい国や世界ができる。何年もそこにあるように記憶までいじられてるのかも....」
「なんだが、気持ち悪いね」
「でもどうする事もできないし、仕方ない。今は食べよ」
そう言ってどんどんと机の上に置かれた食べ物が姿を消していく。
「あー、美味しかった」
「あっという間」
エナが食べ終わり、キノもふぅーっと息を吐く。2人とも華奢ではあるのだが、肉付きは良くかなり食べる。
「次のお仕事はどうする?って言うか、今回のお仕事はいくら貰えたの?」
「取り敢えず、前の冒険者が勘違いした報告を挙げた。それ含めて今回はイレギュラー多かったけど、取り敢えずは400万エール即金の報酬」
「それって私の労災分も入ってる?」
「入ってない。冒険者は基本補償なし」
「えー、まだ痛むような気するしもう少し休んでたいんだけど!!?」
「稼いで。2人で報酬は分けて200万エールずつ」
「ニーナの取り分は?」
「今回はギルドを通じての依頼だからなし」
「ほうほう、それは嬉しい」
冒険者の証である冒険者証を念じるとエナとキノの手の甲から光が飛び出し、それを手で掴むと冒険者証になる。その裏がステータスカードになっており、所持金や拠点になっている住所が書かれていた。
「ギルドに依頼者が払うお金もあるから依頼報酬自体そこまで高額じゃない」
「oh....それは嫌だな」
エナの冒険者証にキノの冒険者証を近付けると、キノの所持金から200万エールがエナに送金された。
「お金の下ろし方分かる?」
「これ持って銀行に行く!」
「あってる。お金下ろす用事なくても小まめに行かないと、久しぶりにお金下ろす時に時間掛かる」
「気を付けるようにするね!取り敢えず今年は沢山お仕事頑張って、子爵になれるように頑張る!」
「それは構わないけど、なんで子爵?」
「領地を買って小さなお家を建てるんだー。子爵からだよね?立派なお屋敷買えるのって」
「そうだね」
「キノは領地立派だけど、私はそんなの要らないの。お金は冒険者として稼ぐしキノの領地は馬鹿デカくて落ち着かないからみんなが安心できる家を....」
「じゃあ、今の拠点出て行くんだ。これからは3人か....」
キノの僅かに寂しそうな顔を見た途端、エナの脳内ではあの宿屋に居ればどんなに楽しいことができるのかと言うエナの勝手な妄想が膨らむ。
「キノ!!そんなわけないじゃん!!それは将来的な話で暫くは出て行かないよ!まだ、深夜のお菓子パーティもお肉パーティもしてないんだからね!!」
「何でそんなことを急に口走ったか分からないけど、分かった。私は太公を最短距離で目指す」
「無理だけはしないでね。私は一番下の男爵。キノはまだ下から数えて二番目の子爵なんだから」
「後4つ身分あげるだけ。って考えるとそんな大変には思えない」
「後は実績だし、キノならどうにかなりそうだよね」
「そう思ってると足元掬われそう。暫くはニーナの事務所に来た依頼で、難易度が高くてゴーレムじゃできないようなやつこなす」
「それって私もだよね?」
「そう」
「えー、簡単で高額なやつがいいんだけどなー」
「そんなのない。割がいいやつはあっても欲しいのは膨大なお金。伯爵はなるのに一億エール、維持費5000 万エールだから、1.5億エールお金必要」
「ちなみにいつまでに太公目指すの?」
「最短距離」
「直ぐになるって事ね。私も頑張るかー。沢山危険な事して沢山お金稼がなきゃいけないみたいだし」
「直ぐ終わる。大公まで1年で行けば4.5億エールあればいい。エナは次の身分の子爵になるには5000万エール必要」
「その間に絶対、維持費払うようになってもっとお金掛かるよ....」
諦め顔でエナがため息混じりに覚悟を決めた。




