第470話 惨劇
第470話 惨劇
「みなさんはハヤテさんを守ろうとして全てを自分でやろうとしてその関係が破綻していました。キノに言わせれば今の状況でもできる仕事はあるし、それがダメになっても何かしらの方法でお金を稼げるようにしたいってことなんだと思います」
「この前までのやり方は健全だとは言えない。みんなが笑っていられるやり方をお互いに外に頼って模索するのもありってだけ」
大人びたその言い方にシグが感銘を受ける。
「お見それいたしました。キノ様、お心遣いありがとうございます」
「変に畏まらないで。今まで通りでいい」
キノが煙を払うような仕草でシグに言葉を投げかけた。
「そう言えば、商人の方職業特権の索敵魔法を使ったのにお二人がここに居るって分からなかったみたいですけど、それはなんでですかね?」
シャルが不思議そうに首を捻る。
「職業に与えられる国からの魔法には特徴がある。瞬間的に広範囲を索敵するから、魔力が小さい人はかかりにくい」
「それって大丈夫なんですか?冒険者としては致命的なんじゃ?」
「私は元々の魔力も少ないし、一回に出せる魔力も小さい。でも、エナは出せる魔力小さくても大きな魔力を持ってるから、魔力の共有をすれば問題ない」
エナから渡されたエナの魔力が宿った指輪を軽く撫でて答える。
「でも、もしも狩人の村を襲った人達もそうだったらまずくない?」
「それはない。武器を複数持ってきていた時点で数人はいる。護衛も付いてただろうし、20人くらい?」
エナの疑問にキノが物思いに耽る。
「20人くらいですね。もっとも、私たちが気付いた時には来てた人も私たちの集落の人もみんな燃えてましたが....」
「団体ならどんなに少ない魔力でも捕捉できる」
「ごめんなさい....」
「ハヤテちゃんのせいじゃないよ!!なんであいつらがここを知ったのか分からないし、何よりもみんな燃えて何年も経つんだし!これだけ音沙汰ないなら大丈夫!」
慌てて、シャルがハヤテを勇気つける。
「その燃えた場所見てもいい?興味ある」
「なんの興味があるんだ?」
「新しいぶきの残骸がないか見たい」
「8年くらい前なんだからあんまり期待するなよ?」
ぶっきらぼうなヴィルによってその場で話を一度切る。
食事を終え、森の奥にある廃村のような場所へ案内された。
数十件のログハウスに、最奥には木造であったと思われる、教会のような集会所だったもののような何かが、焼け焦げていた。
「ここだよ」
「中みたい」
「好きにして。ただ、ハヤテの前じゃこの場所のことを思い出させるようなこともう言うなよ?」
「肝に銘じる」
キノとエナが慎重に中に入る。あちこちの天井は崩れ穴が開き、中も雨風に晒されて部分的に腐っていた。壁には人型のような焦げた輪郭が付いた煤がびっしりと付いており、爆発の大きさが伺える。
「どうして4人は助かった?」
「最初は新武器の押し売りみたいな感じで、大人たち相手にやってたんだけど、使いこなせなくて子供達にも試させろって言われたんだけど、私達は猟の仕事ができるほど大きくなかったから地下の隠し通路から外に出なさいって言われて暫くしたらここが爆発してみんなが燃えてた」
「じゃあ、なんでそうなったかって言う明確な理由は分からないんですか?」
「分からない。でも、私たちは狩人の中では割と魔法を使えたし、その中でもハヤテは遊びで銃を使う時も軌道を曲げたりしてたから、それを見られて利用されようとしたんだろうなみたいには本人以外は思ってたってのが本心」
エナの言葉にヴィルが、胸の中で思っていたことを口にする。




