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59話



翌週の月曜日、唐揚げ定食を食べているムーネさんに、先日の領主様のお屋敷に入れる封筒をいただいたのだが、服装はどのようにしたらいいのかを尋ねてみる


「その封筒をいただいただなんて、とても名誉なことね。

そうねぇ、服装はやはり気を使った方がいいでしょうね」


「ムーネさんのところで仕立ててもらうことはできます?」


「あら、本当?そういうことなら喜んで承るわ」


仕事終わりの晩御飯として来店してくれているムーネさんに、仕事の話をするのは申し訳ないと思うのだが、自分の世界の服だと悪目立ちすること請け合いなので、この世界の洋服を作っている人に頼むのが一番だと思うので、お願いすると笑顔で了承をしてくれる。


「明日、改めてお店に来てくれるかしら?子供達のも含めて三着でいいのよね?」


「はい、自分のと、アルとエルの三着お願いします。」


シャドウは自前の服があるそうです。

なので、今回は3人分。


「ほれひひても、ほーふふぁまのへぇ」


「シャフ、お行儀が悪いですよ。」


ムーネさんの向かいに座って、黙々と食べていたシャフさんが口いっぱいに唐揚げを頬張りながら喋るのだけど、何を言っているかわからない上に、ムーネさんにお叱りを受けている。

そんなムーネさんのお叱りを受けてむすーっとするシャフさん。

いや、シャフさんが悪いですよ。子供達にもよろしくないのでしっかり飲み込んでから話しましょうね。


「そうそう、ムーネさん、子供達の賄い用に作った唐揚げ丼、試食してみてもらえません?」


「唐揚げどん?」


「薄めに味をつけた唐揚げを一口サイズに切って、それに照り焼きタレを絡めてマヨネーズとネギを乗せた丼です。」


今日の小鉢は木綿豆腐を豚肉で巻いて焼いたものに照り焼きタレを絡めてネギを散らしてある。

そのタレをかけたものだと伝えれば目をキラキラと輝かせる


「ええ、いただくわ!」


「なにそれ!おいしそう!!私にも食べさせてくれるのよね?」


「シャフさんはお行儀が悪いので、今回は試食は無しです。」


「えーーー!!!!???わ、わかったわ!!もうしないから

私にも食べさせてよーーー!!」


かるーく無視して台所へと行く。

台所へ入るとアルとエルがほっぺたにお米をつけながら唐揚げ丼をおいしそうに食べている姿が目に入る。


リスみたいで可愛い。


「2人ともおかわりはいる?」


もぐもぐと食べている2人はしっかり噛んで飲み込んだあと


「「いる!!」」


と勢いよく返事をする。

器を見ればもうあと、一口二口といったところだろう。

どれくらい食べる?と聞けば最初と同じぐらいとのことだ。2人は幼いながらも大人顔負けに食べる。

食べっぷりが気持ち良いのでついつい食べさせてしまうが、ぽっちゃりになったらどうしよう・・・。それはそれで可愛いと思うけど、それが気になって以前インに聞いたら、竜人の子どもとしてはそれくらいは普通に食べるとのことだ。

ということでそれからは気にしないことにして、おかわりはしっかりとを心がけている。


というわけで、揚げ置きしておいた唐揚げを2度上げしてからりとさせる。


あとは醤油砂糖みりんを合わせて作った照り焼きタレと絡めてご飯の上へ乗せて、マヨネーズとネギを散らして完成。

アルとエルのおかわりの分と、お茶碗に2人分を作る。


「はい、おかわりどうぞ」


「ありがとう!」


「おかわりー!」


2人はおかわりを受け取り、再びおいしそうに食べ始める。

その姿を見守って、お盆に小さめに作った2食分の唐揚げ丼を持って店に戻る。


「ムーネさん、おまたせしました。これが唐揚げ丼です。」


卵でとじたりする唐揚げ丼もあるが、今回は照りタレ風です。


「ミツルー、私のはー?」


ショボーンと泣きそうな感じで見つめてくるシャフさん。

ムーネさんは先に唐揚げ丼を一口頬張り、おいしい!と言っている。

それをみて、さらにショボーンとなるシャフさん。


「もう、行儀が悪いことはしないんですよね?」


「しない!絶対にしない!!」


「絶対?」


「絶対!!」


「なら、どうぞ」


あまり意地悪するのもなんなので、シャフさんの前にも唐揚げ丼をおけば、やったー!と笑顔で唐揚げ丼を食べ出す。

おいしい、おいしいというシャフさんと、唐揚げ、奥が深いというムーネさん。


「そのうち丼物も出してみようかなって思ってて。どうですか?」


「いいと思うわ、唐揚げどん。もしかして他にも唐揚げの料理ってあるのかしら?」


「ありますよ〜、またそのうち試食してもらってもいいです?」


「ええ!私でよければもちろん!」


そう返事をするムーネさんと口の中のものを一生懸命噛んで飲み込んでいるシャフさんは、飲み込んだあと私も!!と元気に返事をしてくれる。


その後、翌日、ムーネさんの工房へ行く時間などの話をした後、2人はお店を後にする。

そして客足も増え、100食が9時前には完売となり閉店となる。


「アル、エル。明日はお勉強は無しで朝からムーネさんのところにお洋服作りにいこうと思うんだけどどうかな?」


シャドウに事前に明日の勉強のお休みをお願いするればOKをもらえたので、お風呂からあがったばかりの、まだ起きていている2人にそう声をかければ


「洋服?どうして?」


「どうしてー?」


「お祭りの時に領主様のお屋敷に来ていいよってお手紙もらったでしょ?」


「うん」


「それにね、せっかくだからアルとエルと自分とシャドウの4人で行こうと思うの」


「お外、いくの!?」


「そうだよ、でもね、お洋服を考えないといけないから、ムーネさんがそのお洋服を作ってくれるの、だから明日、お勉強はお休みでムーネさんのところに行こうと思っているの」


どうかな?と改めて聞けば


「いいの?オレたちの服、いっぱい買ってくれてるよ?」


「いいの、自分が2人のステキな姿を見たいから。

もし、他にも欲しい服があったら遠慮なく言っていいからね?」


そういえば、頬をほんのり赤くして、ありがとうと言うアル。

エルはアルがありがとうと言っている意味があまりわかっていないのか、首を傾げながらありがとうという。


そんな2人が可愛くて、ぎゅーっと抱きしめる。


「どういたしまして!さあ!じゃぁ、明日のために早く寝ようか?」


「うん!」


「うん!ねる!」


自分はまだ片付けがあるので階段を駈け上がる2人を見送る。


「おやすみなさい!」


「おやすみなしゃい!!」


「はーい、おやすみ〜」


可愛い2人を見送り、さぁ、片付けをさっさと終わらせて晩御飯を食べましょうかね!


「ところでミツル」


「なに?シャドウ」


「私の晩御飯も今日は唐揚げ丼なのかな?」


「もちろん、唐揚げ丼ですよ!」


試食で出した時にシャドウの視線をビシバシ感じておりましたからね。

唐揚げ丼ということでいつも手伝ってくれるシャドウが早く片付けを終わらせようと張り切ってくれたので、片付けはすぐに終わり、山盛りの唐揚げ丼を晩御飯にいただきました。


あと、最近は100食が完売するので、追加で妖精さんたちの分も作っていたりする。

初めて完売した日の次の日、シャドウに妖精さんたちがしょんぼりとしながら楽しみにしていたのに・・・ということを言いにきたらしいので、それはなんとも可愛い・・・いや、かわいそうなので追加でたくさんではないが作るようにしている。

楽しみにしてくれているのだから、ね。


さぁ、ご飯を食べたら、明日に備えて早くお風呂に入って寝ましょうかね!

実はこの世界で初めての服購入だ。

いつもカタログから選んでいたので、ムーネさんがどんな服をすすめてくれるのか楽しみだなぁ。





読んでいただきありがとうございます。(*^^*)

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