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60話



今日は洋服を作ってもらうためにムーネさんの工房へお出かけをする。

例の一族が現在街に居ないので前のように最大限に警戒しながら、ということをしなくていいのは気持ち的にも余裕があるのでとても良いことだと思う。


そもそも子供達が自由に遊びに行ったりできないと言うことが許せないのだが。

今後、解決したとしても強硬派などが出てくる可能性もあるのでまだ、しばらくは子供達だけで気軽に外出、は難しいだろう。


それでも、今日は2人と手を繋ぎながら短い距離ではあるがお出かけが出来るということは嬉しいのである。


さて、向かって右のムーネさんの工房へと猫の姿のシャドウと共に4人で歩いて向かう。

工房に到着するまでの短い間は特になにも問題なく無事に工房に約束の時間に到着してドアノッカーでコンコンとドアを叩く


しばらくして扉が開いて


「いらっしゃい、さぁ、どうぞ」


扉を開けて迎えてくれたのはムーネさん


「お邪魔します」


工房の中へ入れば、入って直ぐはお店になっているのか、いろんな服があの、なんだっけ、お店でよくマネキンの頭のないやつ・・・えっと、と、と・・・トルソーだったかな?に着せられて並んでいて、どれも素敵な服ばかりで思わずキョロキョロとお店の中を見回してしまう。


「ふふ、どうかしら?私の工房の商品は」


「すごいね!どれも素敵!!」


「うん!ステキ!!」


「キレイだね!」


素直に思ったことを言えば、同じように服を見ていたアルとエルもニコニコ笑顔で褒め称える。


「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいわ。

さぁ、貴女達の服を作るためにまずは採寸しなくてはね、二階でうちのお針子が待っているから行きましょう」


ムーネさんに促されて二階への階段を登って、案内された部屋へと入ると、工房のお針子さんかな?が5人ほどいて、全員が開いた扉のこちら側を見ているので、少し緊張する。


「その人がムーネさんの言ってたミツルさんですね!」


「前、どらやきとクッキーを下さった方ですよね!あれ、美味しかったです〜」


「そちらのおチビさん2人がアルちゃんとエルちゃんですね」


「準備できてますよー、さあさあ、こちらへどうぞ!」


「・・・・」


5人が順番に笑顔で迎えてくれる。


「さぁ!仕事だよ!」


「「「「はーい!」」」」


4人は元気に、1人は頷いて、こちらに向かって歩いてきたと思ったら


「採寸しますので、まずは服をぬぎましょーね!!」


そう言って、自分とアルとエルの服を抵抗するまもなくあっという間に剥きさってしまう


「お、お腹や二の腕がたるんでるのでせめて見えないところでーーー!!」


叫び虚しく、細かく測られました・・・、ポヨンポヨンのお腹やプルンプルンの二の腕などをね・・・。

20歳を超えると代謝って悪くなってくるのよ、さらに30歳を過ぎるとね、もっと代謝が落ちるのよ、そして40歳になるとね、積もりに積もった脂肪がね、そう簡単には落ちないのよ・・・。


「大丈夫よ、服でカバーできるから」


うなだれている自分を慰めるかのごとく、スレンダー美女なムーネさんにそう言われるが、脂肪やたるみという言葉と無縁だろ?というムーネさんに言われてもさらに落ち込むだけですよ。


「オレ、ミツルさんがどんなになっても、大好きだからね?」


「エルも!ミツ大好きよ!!」


うう、可愛い2人にそんな風に言われると、癒される。

ぎゅーっと抱きしめて元気を分けてもらって、気分を変えてムーネさんに向き直る。


「アルとエルの服はどんなにお金をかけてもいいのでよろしく!!」


「まかせて!!」


ギュッと拳を握りあい、2人の可愛さが引き立つ服をお願いして、ではとムーネさんが希望を2人に聞く。

ちなみに自分のは目立たないけど最低限フォーマルな感じでお願いしておいた。

それよりも重要なのは素地のいい2人をさらに輝かせるための服である。


自分の好みの服を2人に着せたいという衝動もあることにはある。

が、それでは2人が我慢して着たい服が着れなくなってしまうので、それはいけない。

なので、2人の好みを反映させた服でなければ。


普段の服もカタログからどんなのがいい?と言って選んでもらっている。

たまに自分の好みの服を着てもらうこともある・・・けれどね。


というわけで、ムーネさんやお針子さんが2人にどんなのが好きかな?と聞いている。

以前描いたデザイン画なども見ながら、2人がこんなのがいいとか、あんなのがいいとかムーネさんたちと楽しそうに話しているのを見ていると、ほんわかする。


保護したころと比べると随分自分の意見を言うようになった。

とてもいい傾向で、子供の成長とは早いものだなぁと感慨深くなる。


お店の手伝いも、とても上達して大人顔負けの接客をアルはこなす。

エルは計算が好きらしく、レジの使い方をあっという間に覚えてお会計もそつなくこなす。

それに、わがままも多少言うようになった。


例えば、寝る時間だが、まだ寝たくない。本を読みたいとか、託児所に行く日は行きたくない、家にいたいなどなど、小さなことだけどわがままを言うようになったということは少しは心を許してくれていると自惚れてもいい・・・のかな?


「ミツルさん?」


「ん?どうした?」


「ぼーっとしてたから」


「うん、心配してくれたんだね、大丈夫!

ちょっと考え事をね。それより、アルはどんな服にしたのかな??」


ムーネさんの描いているデッサンをみせてもらうと

それはそれはもう、かっこかわいい感じのステキなデッサンである。


「いいね!!これ、普段着っぽいデザインのも作れます?」


「作れるけど、予算は大丈夫?知り合い割引するけど、けっこうかかるわよ?」


「ダメです。知り合いでも、クオリティの高い服を作ってくれるのにちゃんと正規の価格で請求してください!

それに、それなりにお金はあるから大丈夫です!」


知り合いだから割引してくれるよね?とか、知り合いだから無料でみたいなことが自分の世界の物作り界隈で問題になっている。

頑張って自分で考えて、材料を探して買って、そんな風に時間とお金をかけて頑張って作っているのに、それをタダでとか、値引きして、とか


ダメだと思います。


なので正規のお支払いをさせてくれといえば、ムーネさんたちが少し驚いた顔をしたあと、わかったわと頷いてくれる。


「出来上がり、楽しみにしていてね。」


途中、仮縫いの段階で服を体に合わせたりするので何度か来てもらうことになるけどいいかしら?と言われるのでもちろんと返事をしておく


「どれくらいかかるか試算するから、後日、お店に伺うわね」


「よろしくお願いします!」


「お願いします!」


「おねがいします!」


ある程度デッサンができたところで、布だったり、ボタンだったりを選んで後日、見積もりを出してくれるとのことで、今日の予定は終了となる。


工房を後にして、時間を見れば朝の9時ごろからお邪魔していたのだがすでにお昼前なので戻って簡単にお昼ご飯を作り、休憩したあと夜に向けて仕込みをする。


服の完成、楽しみだね。と2人に言えば

うん!!と輝く笑顔を見せてくれたのだけど、その服を着た2人・・・めっちゃ楽しみです!!






読んでいただきありがとうございます。(*^^*)


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