40話
お店での接客の練習に関して結論からいうと、アルもエルもとっても優秀だったということだ。
アルの接客能力は高く、8歳ながら慣れればテキパキとこなして、安心感がある。
そしてアルもエルも足し算と引き算をあっという間にマスターしてしまった。
なので、レジの操作を教えたところ、これもすぐに覚えてしまったのは子供特有の頭の柔らかさゆえなのだろうか・・・、うらやましい。
初めての練習から3週間が経ったが、その間に休みの日を入れつつ、自分は何度か元の世界に必要なものを取りに行ったりして日々が過ぎた。
そう、必要なものというのはテレビとレコーダーである!!・・・だけではなく、子供用の計算ドリルを仕入れに行ったりしていたのだ。
プロが作ってくれている教材はとても便利で、そのおかげで子供達は足し算引き算の勉強がとても捗ったのだけど、うん、その次の掛け算割り算があると説明したところ、それも覚えたい!!と目をキラキラさせておねだりされました。
掛け算、割り算の次はもっと難しくなってくるのでその場合、自分で教えるのに限界が来ちゃうよね、と戦々恐々しております。いや、ある程度はできますよ、苦手だけどね。
あ、でもその場合、シャドウが教えてくれるとのことなので教材だけ買ってくればいいそうです。シャドウったら本当になんでもできちゃうんですね、マジで尊敬します。
自分で全てできると思っていないので、できる人っていうのは本当に尊敬する。
なので、色々と助けてくれるシャドウには本当に感謝しかない。
だが、できるということを鼻にきて偉そうに振る舞って人に害を与える人は嫌いです、さらにさらに自分ができないくせに人に頼んで、それに対してちゃんと感謝をせず、見下す人間は大嫌いです。
以前の職場ではそういう人が上司に何人か居て、本当にしんどかった。
だから、このお店を開店する、つまり自分はこの店の店長ということになる。
店長ということは従業員を雇ったりするようになることを考えたときに、絶対に人を馬鹿にしたりしないように気をつけようと自分の中で決めている。
もちろん、間違ったことをしてしまった時はきちんと叱るということはしないといけないと思っているので、自分も気をつけようと思う。
ただ、お客様は神様ではない。お客はお客だ、無茶な要望をしてくる客がいたらお帰りいただく、アルとエルの方が大事だから当然である。
子供達の午前中の勉強に関しては順調に進んでいるそうなので、その点でも大丈夫なので開店の目処がとりあえず立ったということで、商業ギルドへ改めて開店のポスターを持っていくことにするため、ポスターを作成中だ。
A3サイズの型紙と各種ペンを買ってきて何枚か描いている最中である。
まず、店舗の名前 【定食屋 ひがわり】
日替わり定食を提供するのでお店の名前もひがわりにした。
で、あとは開店時間帯、この世界も24時間で自分の世界と時間の流れは一緒とのことなので夕方4時から夜の10時までと書き足す。
それと営業日と営業日に提供する料理の種類も書き足す。
月曜日 からあげ定食 火曜日 焼肉定食 水曜日 週替わりパスタ定食 木曜日 休み
金曜日 カレー定食 土曜日 チキン南蛮定食 日曜日 休み とさらに書き足す。
お酒は赤ワイン、白ワイン、梅酒の三種類。
あとは値段だ、値段は一律にすることにした、小銀貨一枚 つまり千円。
ただ、千円にするに至ってご飯とお味噌汁はおかわり可能とした。
パスタとカレーに関しては大盛りか普通盛りかのどちらかを選んでもらい、メイン、汁物、小鉢の小鉢と汁物はその日のみおかわり可能でほかの3日と同等になるようにする。
お酒に関しては大銅貨一枚、つまりは五百円。この世界の人たちはよく飲むみたいなのでビールの大ジョッキぐらいのサイズで提供する。業務用のワインが元の世界では売っているのでね。赤も白も売っているのですよ。
梅酒はソーダー割りにしようと思っている。なにせお店で飲んだのがシードルで、それが女性向きということなので梅酒のソーダ割りも受け入れてもらえそうだからだ。
そうだ、梅酒はお湯割りも美味しいから寒い時期はお湯割りも提供してみよう。
ところで、この世界でも7日に一度は安息日として職人や商店などは休みがあるとのこと。
冒険者たちはそれぞれに、なのでギルドは常に空いているが休みのシフトを決めているとのこと。
あとはお店の場所を書き足す。連絡先はこの世界にはスマホも電話もないので書かない。
ギルドなど大きな施設では魔法の道具により手紙のやり取りなどができるとのこと、あとは時間は少々かかるが魔法で使い魔を作り出して手紙を届けさせるというのもあるそうだ。
とはいっても、途中、何かしらの妨害が起こった場合は届かないこともあるとのこと。
ほら、空には翼竜がいるそうなのでね、パクッと食べられてしまうこともまれにあるそうだ、地上には恐竜とか肉食獣がいて、同じくパクッとね。
まぁ、使い魔とは言っても魔力の塊だそうなので生きてはないないそうだ、だから食べられれてもそういう意味では問題ないそうです。
ちなみに、もう一つの連絡手段としては妖精同士で連絡を取り合う方法だそうです。
魔法の道具は基本誰にでも使えるが、後者は魔法使いのみとのこと。
さて、脱線したので戻ろう。
書き込むことを書き込んで一度、ポスター全体を見る。
「うん、見事に文字だけだね!!」
これだとなんというかインパクトに欠ける。
いや、普通はこんなもんだそうだが、現代日本で生きている者としてはこれだとつまらない。
ポスターはもっとこう、人に見てもらうために目立たせなければ!!
とはいっても悪目立ちしたら困るので、そこはほどほどに。
あとでシャドウとアルとエルに監修してもらおう。
うーん・・・・写真、は使えないよねぇ、お店の外観を写真で撮って、それをポスターの真ん中に印刷してみたりしたいんだけどなぁ。
それか、定食の写真を貼って、こんな料理ですよーとかもいいかもしれない・・・けど、ねぇ、ダメだよねぇ・・・。ということはイラストか。
とりあえずシャドウに一言声をかけて、一度外に出てお店の外観を写真に撮る。
すぐに戻って、それを見ながら絵を描く、のはいいんだけど、うん、プロのようには描けないのはご愛嬌ということで許してもらおう。
途中、お昼ご飯を作り、今日はポスター制作をするため午後からの練習はおやすみだ。
そのかわり、アルとエルには元の世界から買ってきた絵本を渡してある。
イラストがたくさんあって文字が読めなくても大丈夫なタイプの絵本である。
二人は喜んでそれを、二人の部屋で妖精二人と一緒に見ている。どうやら珍しいので気になったらしい。
さて、それから夕方まで、こうじゃない、ああじゃない、いや、こうか?と考えながらポスターを完成させる。何枚の紙を無駄にしたかは聞かないでほしい。
「アルー、エルー、シャドウー!こんな感じでどうでしょう!!」
で、完成したポスターを3人に見せる。
子供達は拍手をくださいましたが、シャドウが色彩が豊かすぎるのでもうすこし地味目にした方がいいとのこと
「派手すぎる?」
「そうだな、とてもうまく描けているのに申し訳ないが、絵の具がここまで種類がない、なので、これだと悪目立ちしてしまう可能性が高い。
全体的にもうすこし色を少なくして描けば問題ないと思う」
「ふむふむ、そっか、あと気をつけたほうがいいのは?」
「それとだな、そのペンのインクよりそちらのクレヨンとコンテだったか、それで描いたほうがいい」
「油性ペンや水性ペンはこの世界では悪目立ちする?」
「ああ」
「そっか、最初から聞いとけばよかったぁ」
最初からまた描くとして、今日は疲れましたので、明日の改めて描くことにしよう。
絵の具はある程度あるそうだが、絵画は基本上流階級向けの趣味で、一般的にはクレヨンやコンテの方が馴染みがあるそうだ。
とりあえず、今日は切り上げて、夕方なので晩御飯を作ることにしましょうか・・・。
晩御飯は今日は何を作ろうかなぁ。
読んでいただきありがとうございます。(*^^*)




