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39話




8歳と5歳の子供にできることは?というのをまず考えた。

包丁や火を使わせるのはもちろんまだ早いし、怪我をしてしまうので除外する。


では、何ができるか?と考えると、読み書きをできるならば注文を取る。

計算ができるのであればレジの操作を覚えての清算。

あとは配膳なのだが、汁物などは火傷の恐れがあるのでそういった怪我の恐れがない料理の配膳。あとは食べた後の食器の片付けやテーブルの上の清掃だろう。


とはいってもどこまでできるかわからないし、子供達だけに全てさせるわけではない。

料理の下ごしらえなどは済ませて最短で調理できるように、と考えているので、先程あげたものを自分ができない時に補助してもらうぐらいだろう、お皿を自分が下げたら、テーブルを拭いてもらうとかそういう感じで考えている。


とりあえずまずは練習だ。何事もいきなりやれ!と言われてすぐに出来るはずない。

それは大人でも子供でも一緒だ、わかる人がわかるまで教えてあげればいい。


「アル、エル、おいで、エプロンの紐結んであげるよ」


エプロンをつけて紐を結ぼうと苦戦している二人を呼ぶ。

アルはでも、自分で出来るようにならなきゃって返事をするが、いままでやったことないことをいきなりは出来ないから練習して出来るようになるまでは結ぶよと伝える。


「練習したらできるようになる?」


「なるよ、自分もすぐにはできなかったからね。練習して出来るようになったんだよ」


そうなんだ、とアルは納得して背中を見せてくるので蝶結びにする。

エルも同じように蝶結びにして、エルは三角巾もつけてあげる

アルは自分で頑張ってつけたので、ずれているところをちょっと手直し。

二階に姿見の鏡を準備しよう、そうしたら自分でずれているところを気づくことができるからね。練習するときも背中を鏡に映しながらやれば分かりやすいだろう。


「さて!ではまずは、接客の基本を説明しまーす」


「はい!!」


「あい!!」


二人が元気よく返事をする。可愛い。


「まずは、お客さんが来たら、いらっしゃいませ って挨拶をします」


「いらっしゃいませ」


「いらっさいませ」


「うん、そうそう、上手だね。お客さんが帰るときは ありがとうございました ね」


二人は一生懸命話を聞き逃さまいと、話を聞いてくれる。

いらっしゃいませ、ありがとうございました。

この言葉がまずは基本ねと伝えた後、簡単にまずは最初の流れを説明する。


空いている席に案内すること、まずは飲み物を出すこと、日替わりのみの取り扱いなのだが、飲み物はお酒を用意していあるのでお酒のメニュー表をお客さんに渡し、お酒の注文を取る。お酒がいらなければメニュー表は返してもらう。


「一回で覚えるのは難しいと思うから、無理せず少しづつ覚えようね。

そういえば、アルは文字を書いたり読んだり出来る?」


「ちょっとだけ、父さんに教えてもらってた。エルはまだできないよ」


「そっか、なら文字の勉強も一緒に少しづつしようね。」


ただし、無理だけはしないこと、と伝える。

何せ妖精の力の使い方の勉強?もしているからね!

自分はイシュタル様の加護により言葉も実は文字も読んだり書いたりできる。

正しくはこの世界の文字を日本語に自動翻訳されて、さらに自分が書いた日本語がこちらの世界の文字に文字変換されるというとっても便利な加護だ。

でも、元の世界に戻っても英語が自動で翻訳されるということはない、あくまでこの世界にのみ適用される加護である。


お酒のメニュー表には赤ワイン、白ワインと梅酒の三種類にしてあるので簡単に覚えられるとは思う。

ちなみにその内、お酒の種類ももう二、三種類増やそうとは思うが現代で手に入るお酒の種類は数多く、この世界のそれぞれの街で飲まれているお酒はそこまで種類はないみたいなので、まずは三種類から様子見だ。


「さて、とりあえず今説明したところでここがわからないなーってとことはないかな?」


「えっと、いらっしゃいませとお客さんにいって、席に座ってもらって、飲み物を出して。お酒の、め、メニューを渡して、注文をとる お酒がいらなかったら返してもらう?」


エルはすでに頭の上にはてなマークが飛び交っているので代わりに答えるのはアル。


「そうだよ、えらいね。」


ちゃんと覚えていたアルを褒めると、アルの頬がほんのり染まる。


「エルはアルのお手伝いをしてもらうんだけど、アルが飲み物を持って行くときにメニュー表を代わりに持ってあげたりしてね。」


「メヌーわたす!!」


そうだよと言ってエルの頭も撫でればきゃーっと喜ぶ。

二人とも可愛いねぇ、自分に子供がいればこんな感じなんだろうかねぇ・・・。


さて、ではここまでの流れを実際にやってみようということで、今までいたのは台所であるため、作業台の上に準備してあった飲み物はまだ入っていないプラスチック製のカップとお盆、そしてメニュー表を手に持ってお店側へ移動する。

この世界だと陶器や木製の器がメインのようだが、まぁ、プラスチック製とはいっても透明度の高いタイプではなく、よく回るお寿司であるようなああいうカップにしてあるので大丈夫だと思う、プラスチックはない世界のようなので・・・ね。


「では、まずはシャドウ、よろしくお願いします。二人ともまずはお手本を見せるね」


「わかった、では一度外に出よう」


座って待っていてもらったシャドウに声をかけると、ちゃんと一度外に出て中に入ってきてくれるらしい。ありがたい。


一度外に出て、数十秒後、お店に入ってくるシャドウ。


「いらっしゃいませ」


それに自分がまずは挨拶をすると


「い、いらっしゃいませ!」


「いらさませ!!」


緊張した声色のアルに、いらっしゃいませをきちんとまだ言えないエル。可愛い。


「こちらのお席にどうぞ」


空いている席にシャドウを誘導して、座ってもらう。

カウンターに置いてあるカップに同じく先に置いてあった麦茶を入れているポットからカップに注いでからメニュー表と一緒に席に持っていく。


「こちらお飲み物どうぞ、当店では日替わり定食のみとなっております。

こちらはお酒のメニュー表です。お酒はどうなさないますか?」


「では、こちらの白ワインを」


「はい、ではお料理ができますまで少々お待ちください」


と、席を離れて二人をみる


「というわけでこれがまずはお客さんが来てから注文を取るまでの流れです」


わかったかな?と聞けば、アルは反芻しているのかしばらく考えたあと


「わかったと、思う・・・」


「うん、アル、これは練習だからね?失敗してもいいから、ね?」


うん、と頷くアルに大丈夫かな?とちょっと不安になる。

アルはどうやら責任感が強そうなので、失敗したら落ち込んだりしてしまうのではと思ってしまう。


「そうだ、えっとね、このお店では日によってご飯の種類が変わるの、ただ、一種類しか出さないからお料理の名前は一種類だけその日に覚えて貰えばいいからね。

お酒は忘れそうなら、このメモ帳を使ってもらえればいいからね」


自分のエプロンに入れていたメモ帳とペンをそれぞれ二人に渡す。

エルはまだ字はかけないだろうが、お客さんがいないときに落書き用に使ってもいいだろうからね。


「今日は練習だから 当店では日替わり定食のみとなっております って言えばいいからね?」


「うん、えっと、書いていい?」


「いいよ〜、どういう風に言うか、ゆっくり言うね」


アルが不安そうな顔になった後、メモを見て、うんっと軽く頷いて聞いてくるのでもちろん教えるし、メモしてもらえるならゆっくり教えるのは当然だ。


「えっと、お客さんがきたら・・・」


そう言って、拙い字で文字を書く姿に、不謹慎ながらほっこりしてしまう、エルはアルの真似をして文字を描くがミミズが這ったような解読不能の線でこれまたほっこりしてしまう。


今日はとりあえず、お客さんを迎えて、飲み物を出して、お酒の注文を受けて、自分のところへ持ってきてを何度か練習することにしよう。

明日はその復習と料理を持っていく、レジをするを練習するようにしようかな。


1日で全部詰め込んだらパンクしちゃうからね、なにせ、利益を出すという目的で回転するお店ではない、料理の味を楽しんでもらい、いずれは自分の世界の調味料などを受け入れてもらうためにお店を開店するのだ。


なので、アルとエルが不安が少なくなってからお店を開店しよう。

そもそもまだ料理を運ぶとか、お酒を持っていくとか実際に作ってそれを運べるかとかも実際にやってみないといけないからね。

その時はイシュタル様も来てもらおうかな?ここに食べにくることもあるだろうから、イシュタル様の存在にも慣れてもらわないとだしね。


さて、一生懸命メモを取っているアルがメモを取り終わったら実践してみてもらいましょうか!









読んでいただきありがとうございます。(*^^*)


赤、白ワインに梅酒。

なぜ梅酒か、というと梅酒は日本の代表的なリキュールですからね!ってだけです( ´∀`)

あと作者が梅酒、好きだからですね♪

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