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35話




あれから時間が経ち、目を覚ました子供達に水分補給をさせたあと、食事を摂らせるべく、一階のお店へ移動してステーキ丼を準備して食べさせる。

食べさせている間に一度、イシュタル様のところへステーキ丼とデザートを届ける。


「ミツル、無理を言ってしまって・・・」


シュンっとしたイシュタル様に、イシュタル様のせいではないので落ち込まないでくださいねという。


「ところで、竜族は閉鎖的な種族なんですか?」


「そんなことはないのだけれど、特定の一族だけがそういった傾向がどの種族にもあるの、自分たちの血を薄めない為というのが大半なんだけれど、そのせいで今回のようなことが起きてしまうこともあって、だからといって私はそこまで介入するわけにはいかないのです」


主神としての役割は世界を滞りなく廻すこと。

主神をフォローするのが神々で、さらにそのフォローをするのが聖霊であるそうだ。

広い目で見なければいけないため、一つの部族の凝り固まった考えをどうにかする。ということはできないし、そこまで介入してしまうと、世界がうまく廻らなくなってしまい、最悪世界が滅亡する可能性もでてくるそうだ。


かつて、まだこの世界の主神となったばかりの頃は度々介入していたそうだが、そのせいで世界がうまく廻らなくなったことがあったそうだ。その教訓を生かして過度な介入はしなくなったとのこと。


今回の子供達の事に関しては聖霊であるシャドウに一任するしかないそうだ。

しかも、聖霊の分体であるシャドウだから今回の件はどうにかできそうだが、分体でない本体では、介入し過ぎるため、妖精王や妖精女王に解決させるしかないとのこと。

その場合は子供達にかかる負担が多くなり過ぎるため、健やかに成長できるか保証はできないらしい。


それを聞けばなおさらだ。

親がどうであれ、子供には罪はないと思いたい。健やかに成長してほしい。

だけど、成長するにつれ、考えも変わっていく、価値観も変わっていく。

それによってどうなるか、までは自分にはわからない。

あの子供達が、親の仇を取りたいと思うかもしれないし、助かった命を親の分まで長生きしたいと思うかもしれない。


たけど、それは結局は子供達がいずれ成長していくにつれて決めていく事だ。

とりあえず、安全な場所で健やかに育つ。それが親も望む事だろう。

自分のところに来たのは何かの縁だろう。最終的に決めるのは子供達とうことも忘れずに。


「では、そろそろ戻りますね。」


「ええ、ミツル」


「はい、なんですか?」


「子供達の事。よろしくおねがします」


はいっと返事をして、戻る。


戻れば、子供達が器まで食べそうな勢いでご飯を食べている姿。

その姿を見て、ホワッとする。沢山お食べ。

その横でシャドウも優雅にだが、吸い込むように大盛りのステーキ丼を食べている。

自分も自分の分を食べることにする。





食事を終え、子供達と改めて話をする。

ここで保護する旨の説明と、子供にもわかりやすくシャドウが説明すれば、エルはよくわかっていないようだが、アルは視線を彷徨わせる


「・・・オレたちがここにいたら」


「ここほど安全な場所はない。またはここ以外の彼女と同じ立場の人間の元へ行ってもらうことになる。」


そう、シャドウが言えば、アルはエルを見る

エルはデザートのプリンを美味しそうに食べていて、アルの視線に気づき、ニコッと笑う


「自分はここに二人がいるのは問題ないよ、それにここにはシャドウもいるから安全だから、ね?」


「でも、安全って理由で、ただで置いてもらうなんて・・・」


「ならば、ミツルの手伝いをすればいい」


ん?手伝い?


「いや、まだ子供だし、手伝ってもらうなんて」


「ミツル、この世界で8歳といえば、すでに親の手伝いをとして仕事を始める年齢だぞ」


え?そうなの?


「オレ、畑の管理と狩ってきた動物の解体をしてた」


エルはアルの手伝いをしてたらしい


解体って、子供でも出来るんだね、うん、自分には無理だなぁ


「うーん・・・、取り敢えず、二人の体調が万全になってから、お店の手伝いができるか練習してみようか?」


3ヶ月もの間さまよっていたのに明日からじゃあ、なんてそんな無体なことはしたくありませんからね!!

しっかり、体を休めて、万全になったら任せられる仕事の説明をするということで話をすれば、オレ、頑張る!!と意気込むアル。

エルも一緒に頑張る!とアルに習う。


どうやら、小さな従業員さんが増えるみたい。っていうか保護が目的なんですけどね!!

昼間は子供達の勉強やら、妖精の力の使い方をシャドウと、他の妖精が教えて、夜の営業を子供達が手伝うということで話が落ち着く。

そうはいっても、あまり遅くまで子供達を働かせるのはさすがに自分としては許せないので、9時までという時間制限を儲けることにした。

いや、本当はもう1時間早くしたいのだが、お店の開店時間を夕方4時からにして閉店を10時ごろにしようと考えていたので、そうなると混む時間帯に手が足りなくなるだろうということで9時となった。

とはいえ、お客さんが少ないようであれば早めに上がらせるけどね!!


「これから、よろしくお願いします」


「おねがいします」


アルとエルが二人揃って頭を下げる。


「こちらこそ、よろしくお願いします」


これから、長い付き合いになるだろう二人。

親にはなれないが保護者にはなれるだろう、この世界の常識や生きるすべは知らないが、シャドウがいるから大丈夫だ。


二人に改めて、自分が異世界の人間であること、シャドウは聖霊であることなどを説明する。

安全である理由も勿論だ。

二人を守るための腕輪もシャドウが渡し、それを身につける。


しばらくは外出はせず、もし、する場合はシャドウ、または他の妖精と必ず一緒に外出するなどの取り決めもする。

二人が寝ていた部屋を二人の部屋にすることにして、必要なものをカタログから選び出すのも忘れずに。


そういえば、二人に勉強などを教える妖精さんってどんな妖精さんなんだろう?

シャドウが明日以降、その妖精さんを紹介してくれるとのことなので、不謹慎ながらちょっと楽しみになる。

ほら、妖精ってさアニメやゲームや漫画や小説だとさ、羽根の生えた小さな姿で描かれることが多いからさ、気にならない?

いるということは聞いているし、シャドウがいない時に自分を守ってくれてるっていうのも聞いてるが、姿を見たことないからね!!

さて、どんな姿をしているんでしょうね?





読んでいただきありがとうございます。(*^^*)

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