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15話

日々、お店で出す料理を試作しているのだが、そろそろ有給が終わる日が迫ってきていた。

そう、つまりお店を開店する日も近づいているということだ。

とは言ってもまだ半月近く残ってるけどね。有給、ほとんど使ってなかったから結構日数ありましてね・・・。まぁそれはそれとして


で、今更ながら気づいてしまった。

お店の宣伝、全然してないじゃん。と


宣伝をしなければお客さんは来ないわけで、でも、宣伝ってポスター貼ったり広告を配ったりしないといけないと思うが。この世界ではどうなんだろう?


「シャドウさんやーい」


椅子に座って今日はタブレットを触っていたシャドウに話しかける。


「ちょっと待ってください。あと少しでクリアするので」


自宅からりんご印のタブレットを持ってきてからなぜかこのお店、wi-fiが繋がるようになりまして、で、パズルゲームを進めたらハマったシャドウは日々、首を傾げつつクリアしている。楽しそうで何よりだが、目が悪くならないかが心配だ。

あ、もちろんブルーライトカットの液晶フィルムは貼ってますよ。


数分後、よし、クリアしましたよ!と嬉しそうにタブレットを休止状態にして、どうかしましたか?と聞く体制になったシャドウにお店の宣伝ってどういう風にすればいいかを聞いてみる。


「お店の宣伝、ですか・・・そうですね。商業ギルドへ登録後、掲示板へ情報を載せるというのが一般的ですよ」


「商業ギルドですか」


「ええ、商業ギルドです。ですが、登録をせずに店を開いているものもいます。登録をしておけばいらないトラブルを避けることができるので、そうですね。登録しに行きましょうか」


「え?今日行って、すぐに出来るものなんですか?」


「登録だけはすぐですよ。そんなに難しいものでもないですから。ミツルの世界では色々と資格などが必要なのですよね?この世界ではそうでもないのですよ。」


ルールはあるらしいがそこまでキツイものでもないそうで、登録して登録料を収めれば商業ギルドの一員として証明がもらえる。商売をする上で商業ギルドに入ってますというだけで後ろ盾ができて商売がしやすいということになるそうだ。

もちろん、何か問題を自分が起こせば、信頼をなくしてしまい商売がしにくくなるというデメリットもある。

逆にいえば問題なければギルドがお店の信頼を後押ししてくれるということだ。


あとは年に一度、登録を更新する必要があるのと、その時に更新費用がかかるということだ。

登録料と更新費用はお店の規模により変わるそうで、自分の店の規模的は小さいのでそんなに費用はかからないのと、必要経費としてイシュタル様から預かっているとのことなので費用は心配しないでいいと言われました。


何から何まで本当に至れりつくせりです。

というか、この世界に来て、あれから何度か外出もしたんだけど、良さげなお皿とか見つけたらそれを購入するときもシャドウが払ってくださってね。もう、なんというか、申し訳なくてね。

あ、この世界で使えるお金、渡されてるんですよ。なのに払う前にスマートに払われてしまうっていうね。


そうこうしているあいだに、商業ギルドに向けて外出の準備が整ったので向かうことにする。ギルドって響きに実はちょっとワクワクしてますよ。

しません?しますよね!え?しない??


「ところで、シャドウ 商業ギルドがあるということは冒険者ギルドとかもあったりします?」


「ええ、ありますよ。凶暴な動物が出た時に退治をしたり、普段から間引いたりしたそれらの肉や皮など素材として買い取りをしたり、冒険者への支援などを行なっていますよ」


あとは新人の育成もしてますね、何せ相手は凶暴な生き物ですからね、とシャドウはいうが、最初の外出から、手を繋がれて歩くという暗黙のルールができてしまいましてね。

ええ、今も手を繋がれてますよ。

つまりあれだ、子供が迷子にならないように親が手を引く感覚なんだろうと思うことにしたので周りの視線にも多少慣れましたよ。


で、到着した商業ギルドは商店のある通りの中心部に大きく建っていて、建物へ人が出入りしていて賑わっている様子がうかがえる。

そこへシャドウに案内されるまま向かい、開け放っている扉をくぐり商業ギルドの建物の中に入れば、たくさんの人が行き交いしてとても賑やかだ。


人の間をすり抜けてカウンターらしきところへ向かう。

いくつかカウンターがあり、列ができているところもあるが、自分たちが向かっているのは列ができてないカウンターでそこには新規受付と書いてあり、女性が書類整理をしているようだが、自分たちが来ていることに気づき


「いらっしゃいませ。新規の登録でよろしいですか?」


そう、笑顔で聞いてくるので


「はい、新規登録でよろしくお願いします。」


と返事をする。

では、まずは説明からと女性が冊子を取り出す。


「商業ギルドでは新規の方にまずはこちらの冊子をお渡しさせていただくことになっています。この冊子には商業ギルドの規定やトラブルが起きた時の連絡先などが載っています。一冊持っていれば困った時に便利な冊子になっています。」


そういって冊子を開き、取り敢えず最低限を説明しますね。と規定の中でも大事なところを説明してくれる。

ここにくるまでにシャドウが簡単に説明してくれた通り、ギルドに所属することによるメリット、デメリットから所属するために払う登録料、所属更新するための更新料、規約を守らなかった場合はギルドから除外されるなどなど。

内容的には通常の営業をしていれば特に問題のない内容になっているので所属するほうが信頼性を得ることができるのでデメリットよりもメリットの方が大きく感じる。


あとは世界の各地に商業ギルドはあるそうなので、引っ越したりして移転する場合、引っ越しする旨を伝えて引っ越し先の街にあるギルドに届け出れば入り直すなどの手間はかからないそうだ。魔道具で情報の共有ができているらしいです。


説明を一通り受けた後は書類にどういうお店を開業するのかなど記入欄があり、そこに記入していき最後に自筆のサインをするように説明される。

この世界の文字、かけない、やばいって思ったら、シャドウからいつも書いている文字で書いてみてくださいとそっと耳打ちされる。

ゾワっとするので、耳元はやめてーー!!!と叫びたかったがぐっと我慢して言われた通りに文字を書く。


書いた端から文字がこの世界の文字に変換されていく不思議現象が起きて思わず書くのが止まってしまう。

なんというか、すごいわ、これイシュタル様の力?それともシャドウの力?あとで聞いてみよ。


続きを書き終えて、最後にサインをする。それを受付のお姉さんに渡すとお姉さんはチェックをして問題ありません。と判子を取り出し、書類の端の方にポンっと押す。


「はい、問題なく受理いたしました。次は登録料の支払いですね。オナカ様の店の規模だと・・・小金貨3枚になりますね」


お姉さんが本をめくり、確認して提示してきた金額は小金貨3枚。手持ちの財布を取り出す。

ふふ、可愛いがま口の財布に入れてきたんだよね。そのなかから小金貨を3枚取り出してお姉さんに直接手渡す。

お姉さんは可愛らしい財布ですね。って言ってくれたのでちょっと気分が良くなる。


少し待っていてくださいといわれてカウンターの近くの椅子に座っていてるように言われるので待っている間にこの世界のお金についてちょっと確認しておこうと考えながら、シャドウとともに椅子に並んで座ることにした。





読んでいただきありがとうございます。(*^^*)

貨幣については次の話につながります。

16話更新までお待ちくださいませ。

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