着信×真実
火花が散ったと同時に、柘榴は異力の気配が無くなるのを感じた。電気のようなピリピリがなくなる。
そのとき、突然着信音が鳴った。音源が我心のポケットからだと知り、目をむく。コイツでも携帯を持ってるんだな。ってか誰にかけるんだよ。そういう疑問を残して、我心に聞こえるように、スピーカーモードにしながら代わりに出る。もしもしを言う前に、合成したような声が響いた。
「ハッピーバースデイ!!我心」嬉しいように、声を跳ねらせる。
「今日は君の呪いがとれた記念日。新しい君の誕生日♪」
「誰…」柘榴が恐る恐る聞こうとすると、我心がそれを制した。
「我善か…」
「なんだ。分かっちゃった?」知ってるのか?と柘榴が聞く前に、地声で携帯から答えが返ってくる。
「それに俺様のことは、我善じゃない、兄上、もしくは兄君と呼びなさいって言ってるっしょ?」
「兄ィ!?」携帯と、我心を見比べる。今まで兄弟がいるなんて言ってないじゃないかと、口をパクパクさせる。
「聞かれてないし」携帯の相手に聞かれないように呟く。
「我善…お前今何してんだよ」いきなり声音が変わる。初めての我心の様子に柘榴は戸惑いを隠せない。
「血の接触。制限はそれだけ」
「は?」会話になっていない。相手はこっちの話を聞く気がサラサラないらしい。言いたいことだけ言って切るつもりなのだろうか。
「そこに誰かいる?その異力は血液の接触により解除される」我心はニヤリと笑った。
「やっぱり…我善の仕業だったんだ?」
「あれ?知ってたの?決めつけなんて心外だなぁ」素っ頓狂な声が我心を更にイラつかせる。
「今すぐ出てこいよ!!」いきなり我心が怒声を上げた。
「我心。まだ動くな!!」柘榴は全く話が読めないでいる。何が我心を怒らせた?
「君だね。俺は我心の兄、我善。君が鍵なのか。名前は?」我心は首を振る。答えるなということだろう。
「あれ?シカト?君、我心がこの能力を持った成り行きとか知りたくないの?」
「…成り行き?生まれつきじゃなくて?」
「ハハハッ。君、面白い子だねー。生まれつきでこんな能力持ってるわけないじゃん!…で聞きたいの?聞きたくないの?」知りたい。必要以上に胸の中でその思いが募る。しかし…。
「…知りたくない」我心が言うまで俺は待つ。知りたくたって、それが我心の答えなら、聞かないでいることだってできる。
「あれ?意外な答え。やーっと会話成立したのに。まっ!気が向いたらまた電話してあげるよ」そうして切れる。
随分勝手な電話だった。会話が成立した?そんなことない。一方的な話を突きつけられただけだ。それでも一つ分かったことがある。我心と我心の兄貴はかなり仲が悪い。話からも微妙に分かった気もするが…我心の異力は兄貴が関わってんのか?
「知りたい?」我心が微かに呟く。どうやら顔に出てたらしい。だから小さく頷いた。
「…でも今は…話さなくていい」そう言って速やかに救急車を呼んだ――――




