↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秒速100m  作者: 楼榮 槐
1巻
PR
20/23

着信×真実




 火花が散ったと同時に、柘榴(ザクロ)は異力の気配(けはい)が無くなるのを感じた。電気のようなピリピリがなくなる。

 そのとき、突然着信音が鳴った。音源が我心(ガシン)のポケットからだと知り、目をむく。コイツでも携帯を持ってるんだな。ってか誰にかけるんだよ。そういう疑問を残して、我心に聞こえるように、スピーカーモードにしながら代わりに出る。もしもしを言う前に、合成したような声が響いた。

「ハッピーバースデイ!!我心」嬉しいように、声を跳ねらせる。

「今日は君の呪いがとれた記念日。新しい君の誕生日♪」

「誰…」柘榴が恐る恐る聞こうとすると、我心がそれを制した。

「我善(ガゼン)か…」

「なんだ。分かっちゃった?」知ってるのか?と柘榴が聞く前に、地声で携帯から答えが返ってくる。

「それに俺様のことは、我善じゃない、兄上、もしくは兄君と呼びなさいって言ってるっしょ?」

「兄ィ!?」携帯と、我心を見比べる。今まで兄弟がいるなんて言ってないじゃないかと、口をパクパクさせる。

「聞かれてないし」携帯の相手に聞かれないように呟(つぶや)く。

「我善…お前今何してんだよ」いきなり声音が変わる。初めての我心の様子に柘榴は戸惑(とまど)いを隠せない。

「血の接触。制限はそれだけ」

「は?」会話になっていない。相手はこっちの話を聞く気がサラサラないらしい。言いたいことだけ言って切るつもりなのだろうか。

「そこに誰かいる?その異力(イリョク)は血液の接触により解除される」我心はニヤリと笑った。

「やっぱり…我善の仕業(しわざ)だったんだ?」

「あれ?知ってたの?決めつけなんて心外だなぁ」素(す)っ頓狂(とんきょう)な声が我心を更にイラつかせる。

「今すぐ出てこいよ!!」いきなり我心が怒声を上げた。

「我心。まだ動くな!!」柘榴は全く話が読めないでいる。何が我心を怒らせた?

「君だね。俺は我心の兄、我善。君が鍵(キー)なのか。名前は?」我心は首を振る。答えるなということだろう。

「あれ?シカト?君、我心がこの能力を持った成り行きとか知りたくないの?」

「…成り行き?生まれつきじゃなくて?」

「ハハハッ。君、面白い子だねー。生まれつきでこんな能力持ってるわけないじゃん!…で聞きたいの?聞きたくないの?」知りたい。必要以上に胸の中でその思いが募る。しかし…。

「…知りたくない」我心が言うまで俺は待つ。知りたくたって、それが我心の答えなら、聞かないでいることだってできる。


「あれ?意外な答え。やーっと会話成立したのに。まっ!気が向いたらまた電話してあげるよ」そうして切れる。

 随分勝手な電話だった。会話が成立した?そんなことない。一方的な話を突きつけられただけだ。それでも一つ分かったことがある。我心と我心の兄貴はかなり仲が悪い。話からも微妙に分かった気もするが…我心の異力は兄貴が関わってんのか?

「知りたい?」我心が微(かす)かに呟(つぶや)く。どうやら顔に出てたらしい。だから小さく頷(うなず)いた。

「…でも今は…話さなくていい」そう言って速(すみ)やかに救急車を呼んだ――――





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。