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秒速100m  作者: 楼榮 槐
1巻
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15/23

手紙×真実




ざっくんへ


 ざっくん、一度だけ見舞い来てくれたやろ?ありがとな。実はその後、思わぬ来客がいたんや。誰やと思う(笑)?それがな…宮城(ミヤギ)やったん。アイツ、俺が寝てると思うたんやろな。ペラペラ喋(しゃべ)りよったで。「ここは懺悔室(ざんげしつ)かっ」て、ツッコミたくなるほどにな。


 だから知ってるんや。お前が力を持ってることも。その力が俺に作用したことも。その話しながら、アイツ悔しがってた。

「俺が止めてさえいれば…悪かった…。小東(コヒガシ)…それから桐生(キリュウ)」って。仕舞(しまい)には、座ったまま自分の拳(こぶし)で、自分の足を殴りつけて、

「桐生は悪くない…全て悪いのは…俺の判断力…」もう狂ったように同じことを繰り返してな。あと、ざっくんに、その力を無くすために1週間期間とったんやて?そんな何もかも幸せにいく筈(はず)ないやん。なんで今までアイツ、それをしなかった?簡単なことや。



 そこで、柘榴は1度それを読むのを躊躇(ためら)った。視界に入ったその言葉を受け入れることができなかった。



アイツ、死ぬつもりやで。



 悪寒が走る。我心が?そんなこと、あるはずない。謝る?…アイツに罪悪感なんて言葉はない。「全て悪いのは俺」なんて…アイツに自分を責めるなんて器用な真似(まね)できる筈(はず)がない。自己中で、人に押し付けてばっかで、あるのは仮面状の憎たらしい笑みだけ…。

手紙の先を読む。



7日っていうのは…アイツの執行猶予(しっこうゆうよ)なんや。




 刹那(せつな)…痛みを感じる。

  「心」という未知なる場所に。

    頭で考えるよりも早く体が動く。

 

 気づいた時、俺は走っていた。速く、速くと気が競(せ)って、その度(たび)に足がもつれそうになる。しかし転(こ)けたりはしまい。1秒でも早く、向かいたい。何処(どこ)に?また始まった自問自答。

 

 決まってんだろ、我心の場所だ。

  アイツの真の心を探すためなら、闇の中へもダイブしてやるよ。








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