本心×無情
「我心!!」我心は自分の学校のグラウンドにいた。絶対ここにいると思ってた。
以前、合同練習とかで来たことがあって、裏口から入れることを知っている。自分とこのグラウンドより多少狭いが、我心と自分しかいないグラウンドはいつもよりだだっ広く虚しく感じた。
「何?」振り向きざまに聞かれる。何て言えばいい?死ぬな…とか?違う…それじゃ、あの手紙が本当のことだと信じたことになる。隼都が信じられないわけじゃない。ただ、俺の中の我心はそんな奴じゃないから…受け入れられない。お前はもっと図々(ずうずう)しいくらいが丁度いい。
「隼都の見舞い、行ったんだって?」悩んだ末出てきたのはこの言葉。我心も少し驚いたように目を見張る。
「聞いたんだ?」
「ああ」
「どこまで?」嫌味な笑みを込めた瞳が、標的を見つけたように光り輝く。一瞬、血のような赤に染まった気がした。初めて我心の能力を見たときと同じような恐怖が背中を伝う。
「分からない」
「どういう意味?記憶喪失?」そう言ってクツクツ笑う。もちろんそれが作り笑いのことは明らかで。本当は俺が言いたいことなんて分かりきってんだろ?
「お前の口から聞きたいんだ」
「ふーん。そういうこと?そのためにはるばるお出でなさったと?」この、時間を稼いでいるような焦らされているような間に息がつまる。
「そうだよ。お前の本心が知りたい。そんなにへらへらしてないで、ちゃんと話せよ!!」
「俺が話すとでも?」
「遊びに来てんじゃねーんだよ!!質問してんのはこっちだろ。質問に答えろよ!!」
「あれ?桐生君が声を荒げるなんて珍しー」
そうやってまた誤魔化すのかよ。人をからかってまで何を隠す?
「…ふざけんなよ!!」柘榴の拳が我心の頬に飛んだ――――




