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秒速100m  作者: 楼榮 槐
1巻
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16/23

本心×無情




「我心(ガシン)!!」我心は自分の学校のグラウンドにいた。絶対ここにいると思ってた。

 以前、合同練習とかで来たことがあって、裏口から入れることを知っている。自分とこのグラウンドより多少狭いが、我心と自分しかいないグラウンドはいつもよりだだっ広く虚(むな)しく感じた。

「何?」振り向きざまに聞かれる。何て言えばいい?死ぬな…とか?違う…それじゃ、あの手紙が本当のことだと信じたことになる。隼都(ジュント)が信じられないわけじゃない。ただ、俺の中の我心はそんな奴じゃないから…受け入れられない。お前はもっと図々(ずうずう)しいくらいが丁度(ちょうど)いい。

「隼都の見舞い、行ったんだって?」悩んだ末(すえ)出てきたのはこの言葉。我心も少し驚いたように目を見張る。

「聞いたんだ?」

「ああ」

「どこまで?」嫌味な笑みを込めた瞳が、標的(ターゲット)を見つけたように光り輝く。一瞬、血のような赤に染まった気がした。初めて我心の能力を見たときと同じような恐怖が背中を伝う。

「分からない」

「どういう意味?記憶喪失?」そう言ってクツクツ笑う。もちろんそれが作り笑いのことは明らかで。本当は俺が言いたいことなんて分かりきってんだろ?

「お前の口から聞きたいんだ」

「ふーん。そういうこと?そのためにはるばるお出でなさったと?」この、時間を稼いでいるような焦らされているような間に息がつまる。

「そうだよ。お前の本心が知りたい。そんなにへらへらしてないで、ちゃんと話せよ!!」

「俺が話すとでも?」

「遊びに来てんじゃねーんだよ!!質問してんのはこっちだろ。質問に答えろよ!!」

「あれ?桐生(キリュウ)君が声を荒げるなんて珍しー」

 そうやってまた誤魔化すのかよ。人をからかってまで何を隠す?

「…ふざけんなよ!!」柘榴(ザクロ)の拳が我心の頬に飛んだ――――





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