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秒速100m  作者: 楼榮 槐
1巻
12/23

夢×不吉の前兆




「血圧低下!!」

「緊急手術だ!!準備しろ!!」

「はい!!」話からしても、ここは病院らしい。白い壁、長い廊下、そこへ立つ。感覚はない。そうかこれは…




ちちち…ちちち…目覚まし時計の音で飛び起きる。

「夢か…」久々に夢を見た。昨日病院に行ったせいかもしれない。柘榴ザクロは伸びをして、関節が鳴る音を聞いた。そのまま起きると、窓を開けっ放しにして寝ていたことに気づき、欠伸あくびをしながら閉めようとする。

桐生キリュウ!」下から呼ぶ声が聞こえた。ぼける目を擦る。すると、家の前の通りに我心ガシンがいることに気づいた。

「こんな朝早くに何だよ?」

「それより早く降りてきなよ」手を寒そうにポケットに入れる。時計は5時を指していた。面倒くさがりなアイツがわざわざ早起きまでして来たのである。それなりの理由があるのだろう。





外に出る。いつもより肌寒い。

「俺、いつもギリギリで学校行くんだよね。学校近いし、2分あれば間に合うから、15分前に起きるようにしてるわけ。朝ご飯より10分の寝る時間の方が大切…」そう言いながら欠伸あくびをする。

「猫みたいだな」

「正解。それ俺のあだ名。担任が命名したんだけど。いつも寝てるのに、いざとなったら猫のように素速いとか、誰が教えたわけでもないのに、餌にありつく方法を知ってるとか」

「餌にありつく方法?」

「つまり、授業中話を聞いてない癖に、問題を解く方法を知ってるって意味。頭良ければ良い職につける。そしたら餌…じゃない生活に不自由はないってのが担任の考えなわけ。精一杯のいやみなんじゃないの?」

「そりゃあいい。俺も今度そう呼ばせてもらおう」

「冗談言いに来たんじゃないんだけど。そもそもこんなことしてていいわけ?」

「どういう意味だよ」

隼都ジュントがヤバい状態だってこと」

「ヤバいって…元々がヤバいだろ」

「それが悪化したっぽい。今、生死をさ迷ってるところじゃない?」

「は…?」




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