フツ国で思わぬ反撃を受ける
大艦隊はイギ国、ドイ国を攻略してフツ国の攻略に移った。
堂々とドーバー海峡を通過する戦闘機300機、軍艦150隻の大艦隊。対潜水艦のステルス潜航艇。10機の哨戒機。万全の態勢で進軍する。軍事基地を破壊しながら進む歴史上なかった攻撃群。イギ国、フツ国の両岸から狂乱した攻撃が始まるだろう。
「フツ国なんて強くないんでしょ。早く破壊して凱旋門をくぐろうよ。ハリ見物よ」
「そっちが凱旋門ならこっちはエッフェル塔をくぐるよ」
「通れる? 調べず突っ込んでガチャーンって漫画だね」
「それならルーフル美術館のピラミッドにうんxしてやろう」
「どうやって?」
「アクロバットの天才のガララギ様だ。背面飛行で落としてやるよ」
「でも鳥の糞だと思われるだけだよ」
かるぐちを言っている余裕はそれほどない。今日も3回の出撃だ。昨日撃墜されたのに今日出撃するのは見上げた根性だけど、エリンに助けられて嬉しいのが先のようだ。
シキアイは王都で都を守っている。二人が今日から組んで出撃することは知らない。
「ウワーやられた―」
戦闘機が次々帰艦してくる。フツ国に反撃の力なんて無いはずなのに。
「緑のレーザーに注意しろ。青いレーザーは特に危険だ。焼かれるぞ」
サッカーの悪質ファンからヒントを得たような反撃だ。フツ国がレーザー兵器を開発したとの情報は無い。ましてや配備し実戦で使ってくるとは想定していなかった。
ァ国から提供を受けたのか? ネイト―の基地からが多い。急拵えに違いないとしても厄介だ。
レーザーとしては強力ではない。戦闘機が落とされることは無い。
だがパイロットがやられる。失明なんて絶対に避けねばならない。
焼かれる! と言っていた。目が焼かれるなんて恐ろしすぎる。
戦闘機は全機帰艦させた。軍艦艇からの砲撃に切り替えたが対地ミサイルの数は多くない。全ての基地を破壊するのは無理だ。
エリンは技術トップの次兄ミガンに相談した。
「メガネだけでは難しいな。防御と視力のトレードオフだ」
「じゃメガネ無しで攻撃できない?」
「例えば?」
「操縦席に隠れてモニター見て撃つとか」
「それなら無人ドローンの方が良いだろう」
「そんなの嫌よ、パイロットの仕事よ」
「何時の時代の人だよ」
「それに無人ドローンには1トン爆弾いくらも積めないでしょ。まだるっこいわよ」
「無人戦闘爆撃機は実戦投入はまだ無理だしな」
「そんなの造らないでよ。あたしたちの仕事を奪う気?」
「なんだよ、八方手塞がりじゃないか」
「いいわよ、操縦席に隠れて撃つからモニターに指示して」
「でも敵は機銃で反撃するアナログが効果的だって学んだからタッチアンドゴーで難しいよ」
「大丈夫よ。もっと精密なデータを表示してよ」
「分かったよ。攻撃対象は何か所だ」
「1000か所よ」
「減らしても効果は変わらないんじゃないか?」
「なに? 面倒臭いの? 」
急遽目視攻撃は禁止されモニターだけの攻撃に変えられた。
相手の狂乱した機銃の弾幕を避ける弱点を探さねばならない。建物の死角を探し虫食いのように破壊した。
ガララギが奇怪な戦法を編み出した。
死角から近付いて急上昇して機体の腹を見せ腹から1トン爆弾を浴びせる。
シードラゴンの産卵みたいな方法だ。
この時代に機銃の弾幕なんて張るなよとうんざりしていたパイロットはガララギのバカバカしい戦法をしぶしぶ採用した。
突然数十の1トン爆弾を浴びせられて敵兵はうりゃーと持ち場を放り投げ逃げ出した。
レーザーが来なくなって戦闘爆撃機は搭載してた3000発の1トン爆弾をアメアラレと落とし基地を破壊していった。
フツ国の編み出した戦法は残念ながら敗北した。
「ピラミッドにうんX出来るかなあ」
「やってみたら。レーザーは一般の人も持っている人が居ると思うよ」
大艦隊はポル国、スぺ国を攻略しジブラルタル海峡を通って地央海に入った。
イージス艦でモニターの監視に当たっていた若者たちに観光気分が襲ってきた。
「いいわよねえ」
「なにが?」
「戦闘機のパイロットってファーストクラスみたいなもんよ」
「何の話?」
「だからファーストクラスって100万でしょ。戦闘機の操縦席って時間当たりで100万掛かっている。ファーストクラスに座っているようなもんよ」
「そうかあ、私たちはモニター前の狭い場所だけだね。そう考えれば不公平だ。それなら甲板行こう。地央海で日光浴だあ。思いっきり遊ばないと元取れない」
「元ってなに?」




