地央海でバカンス気分が…
北極航路から北海、ドーバー海峡と進んできて、
いよいよジブラルタル海峡を通り地央海に入った。
地央海の軍事基地破壊の始まりはイタ国だ。強固な基地が有るわけでもないし楽勝だ。アフリケ大陸の北部沿岸地域もお粗末だ。
艦隊は益々周遊気分に浮かれている。イージス艦に集められた10代の若者たちは担当しているステルス潜航艇に乗りたいと言い出し、有人訓練の名目のもと各自勇躍潜航艇を操縦することになった。
モニターからのゲーム感覚の操縦と違い実地の操縦は楽しさ没入感爆あがりで、みな夢中になっていた。その間も警戒は怠ることはできないけど、それは艦に残っている人たちの仕事だ。
だから浅い海を選んでカラフルな海底を楽しんでいた。
「オゲー」
一人が素っ頓狂な声を出した。大きな岩を回り込んだところ、巨大な人工物に遭遇した。なんじゃこれは! 丸いフォルム。横も前も尻も。丸いフォルム。おなじみの丸いフォルム。
「ウワー潜水艦だー、ヤベ―逃げろー」
「潜水艦居るの?」
「居る、居る、ヤベ―、音立てるな」
「いるいるって2隻?」
「1隻だよバカ」
「どこ?」
「岩回ったところ」
「ふーん」
「ふーんじゃねえよ、逃げろー」
「捕まえちゃおうよ」
「捕まえるってあんたバカ?」
女子の軽い声と提案に唖然とした。
「みんな寄ってきてー」
わらわらと潜航艇がヒレをひらひらさせながら集まって来た。潜水艦を取り囲んで、
「お前は包囲された浮上せよ」
暫し無言で木偶の坊みたいだった潜水艦が動いて浮上し始めた。観念したようだ。イタ公は諦めが早い。潜水艇の皆は先に浮上して上がってくるのを待った。潜水艦がジャバ―と水を被りながら上がって来た。完全に浮上し、止まっている。。
「出て来い」
一番威勢の良い女子が命令した。イタリア人が出てきた。
「ブオンジョールノ」
ウワ、イタリア語だ。返事しろと譲り合っている。誰かが
「チャオ」
というと、
「チャオ」
と返った。
敵潜水艦を拿捕して皆にはケーキが振舞われた。
「バカにするな、シャンペンだせ」
と一部が騒いで、みんな騒いだ。
「ここは海の上だ。治外法権だ、シャンパン出せ」
皆騒いで収集が付かなくなった。仕方なく艦隊司令が3人に1本の条件で許可した。
地央海も終わろうとしている。先にあるシオンの国を前にしてどうしようか考え込んだ。
シオンの国の基地を破壊して、だから最初はアイアンドームだ、次いでミサイル発射サイトだ、次いで航空基地、軍港、ようするにシオンの国は無力化される。
ネタニエが1000年のパレスジナ人の恨みを買った。
今シオンの国を無力化したら手斧を使っての殺し合いが始まるだろう。
もし第3国が介入してきたら、それらの軍事力は当然阻止して、破壊することになる。
従って手斧の戦場は保たれる。
「どうなるかは両人種の選択だ。我々の任務は軍事基地の破壊だ。その後の事には関与しない。それが基本だが、シオンの国は基地だけでなく軍事力も壊滅する。差が有り過ぎるからな」
シオンの国は戦いやすい。戦法が超現代的だからだ。回避・反撃がマニュアル通りにできるからだ。戦闘爆撃機は武器弾薬、戦車装甲車全て破壊した。
周辺国の扱いも厄介だ。だけど特に侵略を仕掛けそうな国も無かったから基地破壊に留めた。




