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大砲なんて古臭いものに翻弄される。

大旋回し斜めの空母から発艦する。

 全ステルス潜水艇はソナー音波を一斉発出した。魚雷は一斉発出したソナーで目標を失う。

 300艇の潜水艇は連動して魚雷を探索する。魚雷の入出角度から発射地点を特定する。駆逐艦から爆雷が目標地点目掛けスポーンと飛んでいく。随分飛ぶんだねえ、と能天気な感想が海面に靡く。

 潜水艦に逃げるチャンスは少ない。頭上に爆雷が落ちたのを検知したのでは間に合わない。僅かにずれるのを祈るしかない。潜水艦は一斉に方向転換して逃げ出した。


「機雷発見」

 p11哨戒機から艦内に警告音が響き渡った。戦闘機が緊急発進した。ステルス潜水艇からも機雷無力化ロボット艇が次々発射された。

 機雷は夥しく敷設されているだろう。浮上機雷、水中機雷がイワシの大群のように群れているかもしれない。

「機雷を浮上させて」

 戦闘機から依頼があった。

「どういうこと?」

「本当、好きだよねえ、パイロットは」

「なにが?」

「だから機銃が撃ちたいのよ。最近は機銃が撃てる戦闘なんてなくなったからねえ」

「そんなことないでしょ」

「昔、極東の蛮族が機銃のおかずになったからね。逃げ惑うもんぺの娘さんを後ろから追いかけて地面に描かれる銃弾の直線を通過させる」

「酷いね、女子供見境なし?」」

「ァ国だよ。ァ国のパイロットはいつでも人を撃ち放題だから、人気で志願者で溢れているらしいよ」

「やっつけちゃえばいいのに」

「ァ国の戦闘機は無敵だからコクピットは安全で居間と変わらない。最近はその戦闘機がシオンの国に貸し出されて、毎日40人の子供を殺しているんだって」


「でもうちの戦闘機の方が強いんでしょ」

「当然。ァ国の戦闘機も風前の灯しだね」

「で、あの人たちは何なの?」

「だから機雷を撃ちたいんだよ。当たれば盛大に水柱が上がるから楽しいだろうね」

 突然、

「1個でも残したら承知しないからね。甲板塞いで帰ってこれなくするからね」

 今まで静かに聞いていた潜水艇操作員がさけんだ。

 モニターの飛行機が翼を振って、承知、と答えた。恰好良い、とうっとりする。そっちこそひとつ残らず浮上させるんだよ、1個でも残すんじゃないよ、と逆にはっぱを掛けられた。

 機雷無力化ロボット艇から送られてくる画像を凝視した。

 水中に気味悪く魚雷がフラフラ揺れている。

 この場合水中浮遊魚雷はおもりをぶら下げて浮力を調整しているシナリオとして、ロボット艇を操作するわこうどたちは紐を切断していく。

 海面にポコンと飛び出した機雷を戦闘機が残らず爆破した。機雷ゾーンは通過した。


 岸から大砲の弾がポンポン飛んできた。古臭いな、と思えど中々厄介だ。

 艦艇は右に左にと大忙しになった。早く大砲潰してとお願いの声が飛ぶ。

 甲板は大揺れだから飛行機は飛び立てない。砲手は大揺れの中狙いを定める。ベテラン砲手たちも苦戦している。

 若者たちは突然の嵐にようやく慣れた船の揺れは元に戻ってしまい盛大な吐き気に襲われ、エチケット袋の奪い合いだ。

 そんな中、空母の回避中の横Gを利用して飛び立った戦闘機が居た。アクロバットの得意なガララギだ。翼を一振りして敵地に向かってすっ飛んで行った。

 負けじと飛び出した飛行機があった。エリンだ。2機は敵砲台に一直線に向かう。

 機関砲を我を忘れて打ち込んでいる。機関砲は威力強大だからそんなに打つ必要はない。けど我を忘れている。

 砲台は沢山ある。無我夢中で機を急角度急旋回急上昇と操り砲台を潰していく。

 2機の活躍で砲撃は弱まった。待ってましたとばかり戦闘機が飛び立っていく。さしもの数の砲台も静かになった。

 初めて被害を受けた。巡洋艦と補給艦が被弾した。だが今の艦艇は1,2発の被弾で沈むことは無い。

 しかし病院船のなかは初めて患者を受け医師と看護師が走り回っている。

「大砲の弾なんて考えもしなかったなあ」

「だから敵地なんだよ」

 エリンとガララギが機上で海を眺めながら感慨深気だ。


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