世界から軍事基地を無くす作戦の戦闘が開始されたー1。
300機の戦闘爆撃機、150隻の大艦隊が戦闘を開始した。
でもみな遊んでいる時間は少なかった。訓練に励んで毎日過酷な生活だった。海面すれすれの飛行でレーダー回避術を身に付け、機関銃と機関砲を使い分けて効果的な爆撃を学んだ。
いよいよ、あと半日もすれば水平線にイギ国の山が姿を現す距離に近づいた。各空母から一斉に飛び立つパイロット達。60機はイギ国に、100機はスカンチナの基地に向かう。残り140機はドイ国に向かった。
「これより世界の軍事基地絶滅作戦を開始する。各自目標を叩き潰せ」
国王の檄が飛んだ。
イギ国に向かった60機は北海海岸線を舐める21機とアイリランドとの間を通る39機に分かれた。
攻撃こそ最大の防御・歯には10歯を、とモースの十戒に書いてあるに違いない。モースやキリーの子孫は一人殺されたら10人殺せ、の概念が染みついているに違いない。21世紀に特に感じることだ。昔極東の蛮族は新型爆弾で一撃10万人が死んだ。遥か極東の素朴な疑問だ。一人のテロリストに報復するために1国を延々と破壊し尽くした。破壊された残骸の中で雨風しのいでいる砂漠の民。2千年前の祖先と変わらない。夥しい子供が疫病で死に続けているに違いない。
「ネイト―のァ国基地ってㇿ国が無くなったから要らないよね」
「そういうんならネイト―そのものが要らない」
エリンとカガンは他愛もない話をしている」
「維持も大変だろうから潰してやろう。親心だ」
親心を、多分知らないガララギが割り込んできた。
「でも健在だから強いぞ」
「こっちは300機だから負けるわけねえ」
「ミサイル1万発の歓迎を受けるぞ。こりゃ負け戦かも知れないぞ」
「聞いていないよそんなの」
「ガララギはミサイル回避訓練まじめにやっていなかったから、そく撃墜だね」
「脅すなら帰るぞ」
本当に帰るだろうから、エリンが誤った。
ある意味開戦の合図は宇宙将軍かも知れない。ミサイル防衛パックシステムを宇宙から破壊する。
夜明け前の夜空に夥しい輝線が追い抜いていく。味方艦船からのミサイル一斉射撃だ。
「ミサイル防衛パックは破壊した。存分に戦え」
宇宙将軍の頼もしい声が降った。
一斉に進むミサイルは無事に敵基地に着弾するだろう。
全て時間通りに進む。戦闘爆撃機はミサイルが敵基地に噴煙を上げたのを合図に突っ込んでいく。秒単位の正確さで実行される。ヨオオッパは秒刻みの列車ダイヤを知ることになる。
イギ国に向かった7編隊は空軍基地に向かう。時間を合わせ一斉攻撃した。モニタ画面には宇宙からの細かな地図が表示されている。各戦闘爆撃機は目標に近づくと海面から上昇した。ミサイルが着弾している。爆発が次々怒り噴煙が上がる。
アイリ海に向かった13編隊。こちらの方が軍事施設が多い。海軍基地を狙ったエリン少尉は岸壁の軍艦を2発の機関砲で撃沈していく。岸壁は使い物にならないだろう。
原潜が居る。沈めよう。沈んだとしても港の中だ。要するに浅い。原潜をどのようにお釈迦にするか。シミュレーション通りに船首を狙った。ソナー探知部分だ。核弾頭は中央の発射管にあるはずだ。そこは避けて船首からゆっくりご臨終させた。
ドッグの中には何があるだろう。原潜がいるかも知れない。原潜は本当に厄介だな。機関砲で周囲から内側に倒壊させた。中々の神業だ。何か居る。原潜では無かった。機関砲をお見舞いした。
さて厄介な任務がある。核弾頭の備蓄施設だ。周りから破壊しお墓にするつもりだ。人口密集地で暴発させるわけには行かない。バンカーバスターを正確に突き刺していく。核弾頭は膨大な瓦礫の中で静かに眠れ。エリンは祈りをささげた。さて厄介ごとは終わった。後は盛大に。特にうっぷんは無いけどうっぷん晴らしだ。




