襲撃
最近チートを小出しにし始めてる俺です。
今日は朝から母さまに呼び出されました。
コンコンコン
「入れ」
「失礼しまーす。」
中に入ると難しい顔をした母さま。
眉間にシワが寄っていても美しい。
「どういったご用件でしょうか?」
俺は少しでも賢くみられたいので、ベッドの中以外では母さまに敬語を使っている。
「うむ。結論から言うと、この街から北西20km地点に魔物、魔獣の一団が発見された。魔族が統率しているものと思われる。その数およそ2000。こちらに向かって移動しているようだ。」
はへー。
大変じゃん。
確かここから西は魔族の領土。
いつも遊んでる森は魔族の土地なのだ。
この領都は領都兼砦なのである。
「今回は私が打って出る事にした。大人しく留守番をしているように。」
あれ籠城戦じゃないのか?
敵の数が多いし、市民の被害が増えそうだからかな?
「先に言っておこう。本戦いは死地となる。西の森を抜けるのすら厳しい。増援は早馬は飛ばしたが見込めん。もし私に何かあった場合、この屋敷を離れ、保護してもらえるところを探しなさい。」
うーむ。
重い。
これはこっそりついていって母さまを守るしかないな。
うん…。
……いや。
先に行って倒せばいいんじゃね?
「明日出陣する予定だ。わかったな。」
なるほどなぁ。
お好み焼きから少しして、屋敷内が妙に慌ただしかったんだよ。
宴会の準備でもしてるのかなーって思ってたら、戦争の準備だったとは。
「こういったことはよくあるんですか?」
「ん?いや、あまりない。先代がこの地を開拓し、街を作った頃は良くあったらしいが、私の代になってからは初めてだ。」
「そうなんですね…。」
「形勢不利と判断した時点で早馬を飛ばす。その知らせが来たら街の民と共に逃げてくれ。衛兵が誘導を担当するはずだ。」
「わかりました…、失礼します。」
母さまの執務室を後にする。
自室に戻り、窓からぴょーん。
シリアスは苦手なんだ。
サクッと潰しに行きますかね。
いつものように外壁を抜ける。
ちなみにマイケルとポールが利用するために開けた穴だ。
未だにバレてない。
そして森の中を走り、一番高い木に登る。
周囲を見渡すと、森はたしかに西側で途切れている。
全力でその方向に走る。
木なんかはなぎ倒しながら進んだ。
途中野生動物を轢き殺すという痛ましい事故も何度かおきた。
あとで戻ってきて食ってやるからなー!
そして少しづつ木々が減り、荒野にでた。
近くで一番高い木に登り、周囲を確認する。
おったぁ……。
北側森に沿うように待機している一団を発見する。
ゴブリン、なんか怖そうなオオカミ、いかつい熊など、明らかに魔物だ。
2体の邪悪な見た目のドラゴンまでおる。
ここはいっちょお掃除と洒落込みますかぁ!
全力で走り集団に近づく。
こちらからみて先頭にいたゴブリンに全開の右ストレート!
すごい衝撃音と共に、直線上にいた魔物たちは全て消滅した。
で、横にずれてもう一発。
また消滅。
繰り返していると、残りはドラゴンだけとなった。
「なにものだぁ!貴様ぁ!」
ふぁ?
なんか怒ってる声が聞こえる。
どこからだ?
「こっちだ!上をみろ!ドラゴンの間だ!」
キョロキョロしていると、方向を指示された。
……確かに何かいるな。
人…?
あぁ!統率してる魔族ってやつか!
はいはい。
「こんにちはー。魔族さんですかー?」
「そうだ!下等な人間め!我が名はドナルカベブ!偉大なる魔王様に使える六魔星が1人!」
なんかいってるけどよくわからん。
とりあえず何しに来たのか聞いてみるか。
「ドネルケバブさんは何しに来たんですか?」
「もちろん我々の土地を奪い返しに…ってドネルケバブって誰だぁ!」
この魔族のおっさんノリいいな。
ちなみに見た目は吸血鬼に羽根生えたやつみたいな感じだ。
でもまあやっぱ仲良くはなれないんだろーな。
悲しい。
とりあえず詳しく話しも聞きたいし、ドラゴンをまず潰すか。
「恒例の右ストレートォ!」
「初めての左ストレートォ!」
衝撃が響渡り伏せていたドラゴン2体の胴体がなくなった。
「はっ、はぁ?」
おっドネルケバブさんが混乱している!
「きっ貴様ぁ!我がどれだけ苦労して〜」
「魔王様の厚い信頼のため先鋒をまかされ〜」
なんか喚いてんな。
ペラペラ喋ってくれてっけど、話が長くてよくわからん。
結論から言いなさいよ。
社会人の基本でしょ?
まぁようは魔王さんが動き始めたとのことみたいだ。
はぁめんどくさ。
ぐーぐるるるぅ
あ、盛大に腹の虫が鳴いてしまった。
めんどくさいしこの人ももういっか。
知能ある人を殺すのはちょっと気がひけるけどおじいちゃん(神)も倒せっていってたし。
「なぁもう腹減ったから終わりでいい?」
「な、何を…。」
「空腹のぉ…」
俺は右拳を握り腰元に引く。
「やっ、やめっ!」
おっさんはワタワタと必死に止めようと何か言ってる。
しかし慈悲はない。
「ラストストレートォ!!!」
そして、ケバブのおっさんは塵も残さず消えた。
さて、さっさと帰るか。
リリアも暇してるだろうし。
森で轢き殺してしまった動物達をアイテムボックス(尻)に回収しながら帰路につく。
屋敷に着いたところで轢き殺した中の一体イノシシをとりだし、リリアと牡丹鍋をした。
大変美味しゅうございました。




