表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOUNGE  作者:
3/5

log:03-整理-

白を基調とした静かな個室。


開放感がある大きなパノラマウィンドウ。

向こう側では、夜の高層ビルが立ち並ぶ。

赤や白の光が静かに点滅していた。


天井の細長い蛍光灯と、小さな照明。

下からは青白い間接照明が薄く光る。




『相談があって…。』


壁際のデスクに配置された通信モニター。

デバイスを伝って掠れた声が届く。


「うん。どうした?」


椅子に軽く腰掛けて、ソルが返答する。


『新しいアプリ入れたいんだけど』

『スマホが最近重くて』

『解析できる?』


「見せて。」


新しい画面が空間に出現する。

共有された画面を指でゆっくりスワイプする。


更新日の古いファイル群。

整理されていない画像や動画。

ホーム画面は、ログインされていないゲームアプリで埋め尽くされていた。


そりゃ重くもなる。

静かに苦笑する。


「で、不要なものはどうする?」


過去ログのファイルに目を通しながら確認する。

中身を確認して、指が一瞬止まった。

耳元からライの声が続く。


『整理しちゃって。全然触らないし。』

『じゃ、頼む!』


「了解、任せて。軽くしておくよ。」


そう言って接続が切れた。

通話デバイスが消滅する。


続けて、ポケットから小型のデバイスを取り出す。モニターに移されたファイルを読み込む。

転送ボタンを押して、再びポケットにしまった。




ーヴヴッ。


一瞬、黒い手帳型のデバイスが震えた。


白いテーブルとダークグレーの棚が並ぶツートーンのデスク。

中心に置かれた作業用のモニターはシンプルな黒。

本棚に置かれた小さなスタンドライト。

床の間接照明。

電球色で統一されている。


横一面には大きなパノラマウィンドウ。

夜の街を上から見下ろす。

電車の軌道を、一筋の光線が跡を引く。


窓際のインナーテラスに座るイヴ。

薄青い瞳が、手帳を見る。


立ち上がり、デスク前でデバイスを確認する。


通知欄にはソルの名前。


”過去ログ削除に伴う確認”

と書かれた件名。


「…。」


少しだけ間を置いてから、手早く返信する。


“一部削除不可”

“了解”


一瞬のやり取りが終了した。





ー通知を確認してね。


自分の音声が通知を知らせる。

明るめの茶色い木製のテーブルの上に置かれた、柔らかいゴム製ケースに守られたデバイス。


大きな掃き出し窓。

明るい自然光が部屋に入り込む。

白いレースカーテンが小さく揺れる。

大小様々な観葉植物が並ぶ。

壁際には、図鑑や雑誌などの書籍が並ぶ木製の本棚。


「はいはーい!」


奥のキッチンから慌てて駆け寄る。

銀色のおたまを片手に持ったまま、画面を数回タップする。


「アプリ整理について…?」


添付画像を開く。


「あ、懐かしー!」


見覚えのあるアプリを選出する。


[これは残して欲しいです!]

[わかった。ありがとう。]


画面を閉じて、明るく微笑む。


「久しぶりに遊んでみようかな〜!」


足元から、白や黄色の花が咲き誇る。

花びらが風に乗り、部屋の中を漂った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ