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第八話『逃げ水に、砂嵐に、ええとぉ、石蛇にゃん!』のその⑤

 第八話『逃げ水に、砂嵐に、ええとぉ、石蛇にゃん!』のその⑤


 しかしにゃがら……、それで参るようにゃグリグリじゃにゃかった。

 ぐぐぐっ、と起き上がってきたのにゃん。

「なら、もう一度だ」

 もう一度、では済まにゃかったのにゃ。

 倒されても倒されても、不死鳥のように起き上がってくるのにゃ。この不屈の闘志。ミクリにゃんも大いに気に入ったらしい。『それでこそボクのライバル』と、ウチに向かって吐いたのとおんにゃじセリフを吐いたのにゃ。


 それからどうにゃったかといえば……、

 倒されては起き上がり、起き上がっては倒され。おんにゃじことの繰り返しにゃ。

「つき合いのいいことにゃん」

 とはいえ、ミクリにゃんもネコ型。『そろそろ飽きる頃にゃろうにゃあ』と毛繕いをしつつ見守っていたらにゃ。案の定、『あのさぁ。そんなにしつこいと嫌われるよぉ』とかいい出してにゃ。青一色の毛並みへと変貌。技の戦士とにゃったのにゃ。

「その危なっかしい武器。悪いけど、封印させてもらうよ」

 そういうとにゃ。ドロウを使って宙に球体を描いた……つもりにゃったのにゃろうけれども、地中ネコの中でも特異にゃ才能をもつミクリにゃん。実際には表面がぼこぼこの塊を描いたのにゃ。色を塗るのが面倒にゃったとみえ、描線色のオレンジ以外は、かぎりにゃく透明に違い半透明のまま、

「よぉし、出来た。ボクにしては、なかなかの傑作だね」としたのにゃん。

 きっ、と睨みつけるは、いうまでもにゃく、迫ってくるグリグリにゃ。

「いっくよぉ!」

 ジャンプ好きにゃミクリにゃんは、またしてもジャンプ。ネコ人型モードとにゃったその両手が高く掲げているのは……、もうこれは『ボコボコ』と名づけるしかにゃい代物にゃん。

「そぉれっ!」

 空高く飛び上がると、グリグリの頭へとボコボコを叩きつけたのにゃん。

「にゃ、にゃんと!」

 頭まるごとすっぽりと、ボコボコが被せられた格好。にゃんとも情けにゃいお姿にゃ。

(にゃんであんにゃもんを?)

 答えは直ぐに出たのにゃ。グリグリが襲いかかるも、ミクリにゃんが左手のひらをボコボコに、ぴたっ、とくっつけたにゃけで、動きがとまってしまったのにゃん。見れば、先っぽのドリル刃は勢い良く回っている。回転を速くして、ぎゅうんぎゅうん、と怒ってでもいるかのようにゃ唸り声を上げている。でもダメにゃん。ボコボコから抜け出せにゃいとあっては、にゃんの脅威も感じにゃい。

「じゃあ、いよいよ仕上げといくかなぁ」

 ミクリにゃんは再び赤一色の毛並みに。

「これでトドメだぁ!」

 左手をそのままにして、右手の拳でボコボコを殴ったのにゃ。

 ぐっしゃああぁぁん!

 さすがは力の戦士、と納得する光景が目の前に。ぼこぼこごとグリグリの頭は大爆破。連鎖するように上から下へ、ずばずばずばっ、と身体全体が地面の砂と化したのにゃ。

「さよなら。君の勇気は忘れないよ」


《いわゆる袋叩きって奴かしら?》

《いい得て妙にゃん》


「今こそ、『森の妖精伝説』が花開く時でありまぁす!」

 わけの判らにゃいアホをほざいているのはミムカにゃん。白地に黒の縞模様という、同族の目からしても、ちと悔しくにゃるくらい綺麗にゃネコ姿で立っているのにゃ。

 一方、対戦相手のグリグリはといえば……。

(ふぅぅむ。あっちも困っているみたいにゃ)

 攻撃をとめたばかりじゃにゃい。頭に幾つもの『?(はてな)』をくっつけ、盛んに首を傾げているのにゃもん。


《グリグリって、砂なのに言葉を理解出来るのかしら?》

《まぁいいじゃにゃいの。

 難しいことを考えずに、あるがままを受け留めるのにゃって時には必要にゃよ》


 もちろん、『闘う相手を惑わす作戦』にゃどでは決してにゃい。いつもミムカにゃんが主張していることを喋っているにすぎにゃいのにゃ。でもにゃ。友にゃちのウチらにゃらいざ知らず、砂のお化けにゃんかにそれが判るはずもにゃい。

 ミムカにゃん自身も気がついたのにゃろう。

「のんのん」

 首と指を横に振ったのにゃ。

「考えても判らないことを考えるのは時間のムダ。それ自体がナンセンスというものでありまぁす。『考えるより、先ずは行動を』がミーにゃん同盟のポリシー。あなたも闘いたくば、それにしたがうべきでありまぁす」


《ねぇ、ミアンちゃん。『考えるより、先ずは行動を』とか、『後先考えずに突っ走れ』って、聴く者に依っては甘美な響きに感じると思わない?》

《にゃからって、にゃんの考えもにゃしにウチを襟巻きにしにゃくっても》

《あったかぁいわぁ!》


 既に闘いを終え、のんびりとウチと毛繕いし合っている友にゃちに聴いてみたのにゃん。

「にゃあ、ミクリにゃん。ミムカにゃんは一体にゃにがしたいのにゃん?」

「要するに、『闘え』っていっているんじゃない?

 あっ、見なよ。嬉しいのかなぁ。グリグリが何回も頷いている」

「やっぱ似たもん同士ってとこにゃん?」

「だね。だから言葉が通じなくても、以心伝心とかいう奴で判り合えるんだよ。

 まっ、それはそれとしてさ。ミムカ君はどうするつもりなのかなぁ」


《じゃんけん?》

《あんた、そればっかにゃん》


 グリグリがドリル回転を始めたのにゃん。

「来ましたですねぇ。それならぁ……おぉっ、とっと。

 ちょっ、ちょっと待って……うわうわうわあぁ!」

 にゃにかやりたいみたいにゃのにゃけれども、襲いかかってくる敵から逃げるので精一杯みたいにゃん。

「邪魔でありますねぇ。だったら」

 ミムカにゃんは後ろ足二本で、いわゆるネコ人型モードで立ったのにゃん。右手に並ぶ四本指の真ん中二本の間に、濃い緑色をした木の葉が一枚、いつの間にか挟まっていたのにゃん。

「これに髪を一本をくっつければぁ…………。

 よぉし、これで完成でありまぁす」

「ミムカにゃん、それは?」

 普通に声をかけても霊覚交信を伴っているため、どんにゃに距離が離れていてもスムーズに会話が出来るのにゃ。まっ。実体化しているとはいえ、これも妖体にゃらではの強みにゃん。

「へへっ。いうより実際に見たほうが早いでありまぁす。

 ほらぁ、行けぇ! ダミードール『ミムカ』!」

 ふぅ、と息を吹きかけて飛ばした木の葉が、にゃんと、ミムカにゃん自身に。とはいってもにゃ。こちらは翅人型の姿。まるで生きているみたいに上空を飛んでいるのにゃん。

「あとはこっちの霊気を小さくするだけでぇ…………。

 うぉうぉうぉっ! やったぁでありまぁす!」

 グリグリもミムカにゃんと認めたみたいにゃ。ダミーをひたすら追っ駆けていく。

「めくらましはこれで十分。さてと、それじゃあ」

「どうするのにゃ?」

「いうに及ばず。あやつを破壊するに決まっているでありますよぉ」


 ミクリにゃんをマネるみたいに、ミムカにゃん……こちらはネコ人型にゃん……も勢い良くジャンプ。宙に浮いたままの姿勢でとまったのにゃん。

(にゃにをするつもりにゃん?)

 高みの見物を決め込んでいるウチとミクリにゃん。目の前で繰り広げられたのは、ミムカにゃんお得意の改造おなおしにゃ。

「そちらがグリグリならば、こちらはグルグルでありまぁす!」

 そういうにゃり、自分自身の身体を一部変形。びゅうん、と長ぁく延ばした四肢の先っぽには、きらり、と光る大っきにゃハンマー。にゃんとも変てこりんにゃ格好にゃ。

「ミクリにゃん、あれってネコにゃん?」

「ネコだったもの、といったほうが正しいんじゃない?」

 ミムカにゃんが見上げた視線の先には、ダミーを追っ駆けているグリグリの横っ面。

「クアトロハンマーの威力、とくとご拝見下さいませです。

 行っきますですよぉ。それぇっ!」


 ごくっ。

「ミクリにゃん! トロにゃって!」

「お魚さんじゃないって。以前、ミロネ君から聴いたことがあるんだけどね。なんでも『四つ』を表わすそうだよ」

「にゃあんにゃあ」

「あっ! 膨らんだ風船が一気にしぼんだ」

「にゃあ。『意気消沈』じゃダメにゃの?」


《ウチって興奮するとにゃ。顔が大っきくにゃるらしいのにゃん》

《本当に? うわぁっ。両手で、ぱん! って潰したいわぁ》


 ぎゅいいぃぃん!

「にゃ、にゃんと!」

 右回りに横回転を始めたと思ったら、たちまち目にもとまらにゅ速さに。一枚の円盤と化したミムカにゃんは、ためらうことにゃくグリグリへとまっしぐらにゃ。

(あの勢いにゃら)

 ウチの予想は的中にゃん。

 カーブを描くように飛んでいった円盤は体当りを敢行。グリグリがダミーに気をとられている隙に頭の下へと潜り込んで、そして……。

 ずばっ!

「にゃおおっ! 一撃で頭を、ぶっ壊しにゃん!」

 弾け飛ぶ砂を背に円盤は向こうへ、と思ったのも束の間、返す刀で、みたいにゃ感じに戻ってきたのにゃん。

 どっしゃああん!

「こりゃすごい! 胴体も、横、真っ二つだぁ!」

 ミクリにゃんも感嘆の叫びにゃ。

 崩れ落ちていく砂。もはや、グリグリの影も形もにゃい。

「これぞ無敵のグルグルアタック! どうでありますかぁ!」

『回転を、ぴたぁっ、と、とめて宙に浮かんだまま』の姿勢でもって、啖呵たんかを切るミムカにゃん。その雄姿に送る言葉は、

「格好いいにゃあ」

「うん。格好いいね。ボクもああいう風にやればよかった」

 ウチとミクリにゃんに続いて、どこからともにゃく現われたヤカンにゃんまでもが、

「敵ながらあっぱれなのわん」

 ぱちぱち。

 拍手とともに褒め称えたのにゃん。


《ワタシは泣く子も黙る守護神イオラ!》

《にゃおっ。こちらも啖呵を切ってきたにゃあ。

 ああでも……、イオラにゃんてにゃんか切り札を持っているのにゃん?》

《もちろんよ。ほら》

《にゃんで急にウチを抱えたのにゃん?》

《顔を前に向けて、と。これでよし。

 あとはこうやって頭を、ポン、と軽く叩くだけで……うひょおぉっ。

 ほらほらぁっ。口から、ぼぉっ、と滅羅めらの炎が。

 でもって、ポンポン、と二回叩いたならばぁ……うほぉっ。今度は両目からぁ》

《あのにゃあ。ネコの身体を弄ぶのはやめてにゃん》


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