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#29 二人の時間

咲夜「ほら、入って。ちょっと待っててね、なんか作るから。」

シカ「すみません、ご迷惑をおかけして。」

咲夜「ホントだよぉ。よし!これでいいだろ。」

咲夜がご飯をシカに渡す

咲夜「はい。」

シカ「ありがとうございま....これって。」

咲夜「カップラーメンだけど?なんか文句あるの?」

シカ「ないです!けど、作るって言ってたから。」

咲夜「カップラーメンも立派な手料理だよ?」

シカ「で、ですよね。い、いただきます!」

咲夜「よろしい。てか、なんであんな所で倒れてたの?」

シカ「そ、それは言えません。」

咲夜「ふーん、まぁ無理に言う必要もないよ。ゆっくり食べなね。」

シカ「は、はい!」


同日

骸対策課にて

涼太「俺!頑張ります!」

獅子神「よし、その意気だな。あ、そういえばシンク。今日もか?」

シンク「うん。あのおっさんの所に行ってくる。結果はどうであれ仲間を助けれなかったから。」

獅子神「東限さんな?殺されんぞ。」

シンク「じゃあ、行ってきます!」

獅子神「気をつけてな。」

ガチャン!

シンクが対策課を出ていく

獅子神「それじゃあ、涼太。パトロール行くぞ。」

涼太「あ、はい!」

中尾「俺はどうすればいい?」

獅子神「お前は、誘井の事情聴取を頼んだ。」

中尾「なんで俺が、わかったよ。」

徳永課長「まとまりがでてきたかもねぇ。」


河川敷

東限「お前、獅子神から聞いたぞ。倒したと油断して仲間を見殺しにしたんだってな。」

シンク「あぁ、そうだ。」

東限「そして、その仲間はお前と同族になった訳だ。良かったなぁ、生き返って。」

シンク「それは、」

東限「反応に困るか?まぁ、その話は置いといて、お前俺との訓練の後は結果を出してるそうだな?」

シンク「え?」

東限「体力を増やす訓練で溺死を、漫画での訓練では焼死を撃退したんだろ?よくやったなぁ、褒美をやるよ。」

シンク「え!まじ?」

東限「ふん!」

東限がシンクを投げ飛ばす

シンク「ぐぁ!な、なにすんだよ!」

東限「今のだよ。」

シンク「え?」

東限「お前は、来ないと油断しすぎだ。いつどこで何が来てもいいように集中しろ。敵が目の前からいなくても、まだ戦いの最中かもしれねぇ。だから、研ぎ澄ませ精神を。」

シンク「精神を研ぎ澄ますってどうやってやんだよ!」

東限「お前は頭が痒い時、どこに意識が集中する。」

シンク「頭?」

東限「お前は、うんこ我慢してる時、どこに意識が行く。」

シンク「ケツ?」

東限「同じだ。精神を研ぎ澄ます時、精神を気にすんだよ。」

シンク「精神ってなんだよ!」

東限「あぁめんどくせぇ、じゃあもっと簡単に言ってやる。戦いの時、常に耳と鼻を意識しろ。」

シンク「耳と鼻?」

東限「音と匂いだ。お前は耳で味を感じるか?鼻で色を感じるか?違うだろ?目で見たものを真実と捉えるな。透明人間は姿は消せても音と匂いは消せない。」

シンク「透明人間とかはわかんないけど、とりあえず耳と鼻に集中しろってことだな!わかった!」

東限「ほう。」

シンクは目を瞑り鼻と耳に集中する

東限「分かってねぇな。」

シンク「うるさいなぁ!なんだよ。」

東限「目でも見んだよ。」

シンク「はぁ?さっきと言ってること違ぇじゃん!」

東限「目で感じ、音と匂いを気にしろって意味だ。」

シンク「そんなこと出来んの?」

東限「できる出来ないじゃねぇ。やれ。」

シンク「無茶言いやがって、やってやるよ!」


一方その頃、獅子神と涼太は

バーン!

獅子神「まさか、パトロール中に骸に出くわすとはな!」

涼太「やっぱり何度観ても怖いです!」

獅子神「今のお前は屍人として戦うことを選んだ。変身して戦うことが出来る。シンクのようにな。」

涼太「変身....どうやるんですか?」

獅子神「お前は縊死の屍人(ネクロ・ニーマ)と呼んでいた。」

涼太「縊死?」

獅子神「縊死とは首をくくって死ぬ事だ。つまりは首吊りだ。」

涼太「首吊りですか。」

獅子神「あぁ、屍人は自身に付けられた名前の死に方をすることで変身できる。つまり、お前は首をくくることで変身できるはずだ。」

涼太「首をくくる、だったら!」

涼太は立ち止まり腰のベルトを取り首に巻く

涼太「これで俺は変身でき....」

涼太の動きが止まる

獅子神「涼太!どうした!」

涼太「でき、出来ないです。自分で自分を殺すなんて、怖くて出来ません。」

涼太がその言葉と共に泣いていた

獅子神「そうか、シンクや他の屍人のせいでバグってた。人間ならこうなるのが普通だ。死への恐怖。人が抱える死へのセーフティ。」

涼太「やれ、やれよ俺!覚悟決めたはずだろ!やれ!自分を殺せ!」

骸「アグラルルルルル!」

涼太「は!?」

バン!

獅子神が骸に弾丸を放つ

獅子神「無理に自身を殺すな。お前は正しいよ。シンクとかがバグってっからな。」

涼太「なんで、シンクさんはあんなあっさりできるんですかね。僕はこんなに怖いのに。」

獅子神「怖くて当たり前だ。いきなり、お前は死んだら強くなるって言われて、あっさり死ねるやつは頭のネジが外れてる。」

涼太「俺、記憶が無いんですよ。その、屍人になってた時の記憶が、だから、変身したら自分を見失うんじゃないかって。もう、この姿に戻れなくなるんじゃないかって。」

獅子神「悪いが、屍人になるって感覚は俺には分からない。でも、お前は橘 涼太だ。それは、誰も忘れないし変わらないことだ。」

涼太「獅子神さん。」

獅子神「対策課はいつでもお前の味方だ。変身して暴走しても俺やシンクが必ず止める。どんな手を使ってもお前を今の姿に戻してやる。だから、心配すんな。後は死を乗り超えるだけだ。涼太!」

涼太「おれ、こんないい職場初めてです。」

獅子神「骸!こっち来い!」

涼太「獅子神さん、なんで囮に。」

獅子神「時間は俺がいくらでも作る。ゆっくり考えろ!どんだけでも待ってやる。」

涼太「獅子神さん。」

獅子神が骸と対峙する

涼太「母さん。俺、やるよ。」


涼太は首に巻いたベルトを勢いよく締めた

読んでいただきありがとうございました

誤字等がありましたらよろしくお願いします

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